触媒生活

セカンドライフに入っての日常生活を文章、日記などで表現します。「触媒」のような役割を果したいというのが私のモットーです。コメント等をブログでも受けますが、連絡はメールでfa43725@yb3.so-net.ne.jp まで。

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チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告

<TV>         2012.9.26

NHKETV特集 
チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告
 

「第1回 ベラルーシの苦悩」(9月16日)「第2回 ウクライナは訴える」(9月23日)を見て

<番組の内容>

① 「第1回 ベラルーシの苦悩」

1986年4月に起きたソ連のチェルノブイリ原発事故で国土の4分の1が放射性物質に汚染されたベラルーシ共和国。原発からの距離が15キロから80キロの範囲に位置するホイニキ地区(日本の郡に相当)はその大部分が汚染地域となり多くの村人が故郷を離れざるを得なかった。(注:ベラルーシで汚染地域と呼ばれるのはセシウム137で、1キュリー/平方キロメートル=37000ベクレル/平方メートル以上のエリア)

 しかし農場長(村長に相当)のニコライ・サドチェンコさん(65)は村に残り、この26年間、放射能汚染と格闘しながら農業の再生に取り組んできた。一方汚染地域から避難した人々の中には、故郷を失った悲しみや移住先での差別にいまも苦しんでいる人が少なくない。故郷で死にたいと、全村避難した村に戻って暮らす老人たちもいる。

 事故から26年、ベラルーシの人々はどのように放射能汚染と戦ってきたのか。農業再生に取り組んできたニコライさんと故郷を失った移住者たちの今を取材した。(NHKホームページより)

動画は、チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告「第1回 ベラルーシの苦悩」

<画像から読み取った私の補足と感想> 

ニコライさんの農場の詳細な汚染地図作成の様子が映し出されていた。政府が4年ごとに農地を調査し、作付を制限している。食用はできないが、飼料やバイオ燃料の資源としている。定められて方法で1点100㍍毎に(約30㎝の深さに見えた)均等に土を採取し検査する。ストロンチウムが再び増えているのがかなり障害になっているようだ。このように畑1枚1枚の土壌を検査し、詳細な土壌汚染地図を作ることなしには、農業の振興はできないことは明白です。

チェルノブイリ法(1991年)の説明がされていました。主な対象は、1~5ミリシーベルト/年の地域で、移住を希望する住民に住居と仕事の保障をすること。(40%が移住したそうです。)そこに、残った者にも同様の権利を保証するとしていました。移住の経費補償、税金の減免、医療費の免除、子どもの保養といった内容です。また、1ミリシーベルト/年以下の地域でも一定の土壌汚染(それが、どの程度なのか調べる必要)があれば国が医療費の一部を負担するとしていました。これらのために、ベラルーシは、国家予算の18~20%をこれらに充ててきているといいます。しかし、現在の経済危機の中で医療費の自己負担の動きなど困難も出てきているそうです。

 9月15日の仙台での「放射能被害を語る宮城県民の集い」で丸森の太田さんが強調していた「「原発事故子ども・被災者支援法」がこれに近いもののように思われました。ベレルーシでの取り組みは少し遅れたとはいえ、それなりの体制をとってきたのが分かりました。それに比べ、日本では、の事例を教訓にできるにもかかわらず、すべてが後手、後手に回ってしまっています。政治の分野が果たすべき役割をしていないのが最大の問題点です。支援法にしてもようやくワクだけができたもで、まだ中身がありません。この法にも関連はしますが、チェルノブイリと比較した場合目立つのが、住民の避難の権利が認められ、-保障(補償)されていないということです。逆に福島の汚染地区に何としても留めよう、また戻そうとする圧力の方が(これにも、保障(補償)がからんできます)強く、危険性を感じます。

② 「第2回 ウクライナは訴える」

去年4月、チェルノブイリ原発事故25周年の会議で、ウクライナ政府は、汚染地帯の住民に深刻な健康被害が生じていることを明らかにし世界に衝撃を与えた。

 チェルノブイリ原発が立地するウクライナでは、強制避難区域の外側、年間被ばく線量が5ミリシーベルト以下とされる汚染地帯に、事故以来26年間、500万人ともいわれる人々が住み続けている。

 公表された「Safety for the future未来のための安全」と題されたウクライナ政府報告書には、そうした汚染地帯でこれまで国際機関が放射線の影響を認めてこなかった心臓疾患や膠(こう)原病など、さまざまな病気が多発していると書かれている。

 特に心筋梗塞や狭心症など心臓や血管の病気が増加していると指摘。子供たちの健康悪化も深刻で2008年のデータでは事故後に生まれた子供たちの78%が慢性疾患を持っていたという。報告書は事故以来蓄積された住民のデータをもとに、汚染地帯での健康悪化が放射線の影響だと主張、国際社会に支援を求めている。

今年4月、私たちは汚染地帯のひとつ、原発から140キロにある人口6万5千人のコロステン市を取材した。この町で半世紀近く住民の健康を見続けてきた医師ザイエツさんは、事故後、目に見えて心臓病の患者が増えたことを実感してきたという。その原因は、食べ物による内部被ばくにあるのではないかとザイエツさんは考えている。予算が足りず除染が十分に行えなかったため、住民は汚染されたままの自家菜園で野菜などを栽培し続け食べてきた。また汚染レベルの高い森のキノコやイチゴを採取して食用にしている。

 学校の給食は放射線を計った安全な食材を使っている。しかし子供たちの体調は驚くほど悪化。血圧が高く意識を失って救急車で運ばれる子供が多い日で3人はいるという。慢性の気管支炎、原因不明のめまいなど、体調がすぐれない子供が多いため体育の授業をまともに行うことができず、家で試験勉強をして体調を崩すという理由から中学2年までのテストが廃止された。

 被ばく線量の詳細なデータはなく、放射線の影響を証明することは難しいが、ウクライナの汚染地帯で確かに人々は深刻な健康障害に苦しみ、将来に不安を抱えながら暮らしていた。

しかしIAEAをはじめとする国際機関は、栄養状態の悪化やストレスなども原因として考えられるとしてウクライナの主張を認めていない。放射線の影響を科学的に証明するには被ばくしていない集団と比較しなければならないが、住民の被ばくに関するデータも、被ばくしていない集団のデータも十分ではなく、今後も証明は困難が予想される。

国際社会に支援を訴えながら、放射線の影響とは認められていないウクライナの健康被害。チェルノブイリ原発事故から26年たった現地を取材し、地元の医師や研究者にインタビュー、ウクライナ政府報告書が訴える健康被害の実態をリポートする。(NHKホームページより)

動画は、チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告「第2回 ウクライナは訴える」

 <画像から読み取った私の補足と感想>

「被災者の被ばく線量データ」は入手困難なのは、ソ連時代に機密に、まだら汚染で影響見積もりが困難、移住した者の健康状態把握が困難なため。

7年後、甲状腺がんのみをIAEAをはじめとする国際機関が唯一放射線との因果関係を認めた。それには、ウクライナの医師たちの奮闘があった。26年経てもウクライナは甲状腺がんに悩まされている。現在、大人の発症が増加し続けている。

 コロステン市にも年間5ミリシーベルトのホットスポットが点在。その近く8500の民家を徹底調査(10カ所)し、屋根のふき替え、コンクリート固めなど5年間したが1997年経済危機で中断。今、ウクライナでは、子どもの健康悪化が懸念されている。コロステン市の8年制学校(485人)で、今年3月の生徒の内分泌疾患48%、骨格の異常(脊椎が曲がるなど)22%、正規の体育の授業受けられるのは14人のみ。最近多いのは、心臓の痛みを訴える生徒。

 ウクライナ政府報告書は、汚染地帯から生まれた32万人の健康状態を報告。1992年子どもの22%が健康2008年6%まで減少。逆に慢性疾患を持つ子どもは、1992年20%から2008年78%に増加。17年間で内分泌系疾患11.61倍、筋骨格系疾患5.34倍、消化器系疾患5.00倍、循環器系疾患3.75倍(国立放射線医学研究所ステパーニバさん)

 福島第1原発事故を経て、政府のワーキンググループは、20ミリシーベルトをめぐって紛糾、多くの委員は、「甲状腺がん以外の科学的因果関係は認められない」と。去年末の結論は、「20ミリシーベルトは、健康リスクが低く、十分にリスクを回避できる水準」というものになった。

画面では、その政府のワーキンググループで、木村真二さんが、低線量被ばくの危険性を一生懸命説明しますが、多くの委員、大臣も聞く耳持たず。責任者の長瀧重信長崎大名誉教授の言の紹介や、細野豪志大臣に答申する場面も出ていましたが、私は、その表情―その人が、どんな顔をして発言しているのか、逆に他者の発言を聞いているのか、または答申を受け取っているのか、―に注目しました。それは、「第1回 ベラルーシの苦悩」に出てきた、避難の基準を決めたソ連の医学者イリイン氏もまた同じでした。YOU TUBE の
 「真実はどこに?―WHOとIAEA 放射能汚染を巡って」「真実はどこに?―WHOとIAEA 放射能汚染を巡って」  に登場していくWHOとIAEAの学者・委員もまた同じ顔、表情をしています。

彼らも、安富 歩氏の
 「原発危機と東大話法」に出てくる「東大話法」を駆使する学者そのものです。原発推進・擁護の「立場」と「役」に徹しているのです。宮城県でも東北大の石井慶造教授や川島隆太教授が同じ「立場」と「役」に徹しています。

私は、石井教授とは2回、空中戦はさけながら、直接対峙しましたが、どうしようのない人物でした。私自身、千葉にいた時期、川崎製鉄を相手とする大気汚染公害訴訟に関わっていました。その時に、御用学者や加害企業側の弁護士がどのようなもの(人物・表情・感情など)か、つぶさに見てきました。またその逆の被害者(公害病患者など)側にあえて立つ学者や弁護士がどのようなものかも学んできました。

このブログの記事では、NHKETV特集「チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告」を、言葉でしか紹介ができません。是非とも紹介した動画などで、直接ご覧ください。(私は、DVDに録画していますので、月例会などに来ていただければ、それをお貸しできます。)-次回月例会は、10月10日午前10時~12時、栗原市市民活動支援センターで行います。




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NHKクローズアップ現代「放射能から子どもを守りたい  ~母親たちのネットワーク~」を見て

<TV>            2011.9.27

NHKクローズアップ現代
「放射能から子どもを守りたい  ~母親たちのネットワーク~」を見て

<番組の内容>(9月26日放送)

東京電力福島第一原発の事故から半年あまり。食品、土壌などから次々に放射性物質が検出される中、「子供を放射能から守りたい」と、30~40代のごく普通の母親達がネットワークでつながり活動している。今や200余の団体、賛同者は1600人以上に発展。行政が測らない食品を独自に測定。秋の運動会シーズンを前に、近隣市町村の母親達が連携して行政に働きかけ、校庭の除染を実現させる。更に、国が被ばくの上限として、内部・外部合わせて「生涯100ミリシーベルト」という基準を設けようとする中、母親達は、「子供だけは特別の配慮を」と公聴会に駆けつけ、国内だけでなく海外の専門家にも直接意見を聞き、政府の意見募集に積極的に投稿、今月末には厚労相にも直接訴える。立ち上がった母親達に密着。どうしたら子供を放射能から守れるか考える。出演者:浦島 充佳さん(東京慈恵会医科大学准教授)  (NHKホームページより)

<内容の補足と…私の感想>

 番組では、まず、ネットワークを生かして市に働きかけ、校庭の除染や土の埋め立てを行った茨城県守谷市の例が紹介されていました。市民団体「放射能汚染から子どもを守ろう@守谷」のお母さんたちが9月17日の運動会を前にして、校庭の除染を守谷市に要望。市側は、処分場所の確保が困難を理由に拒否。そこで、お母さんたちは「上から土を被せて欲しい」提案。それを市側はそれを採用、実施。すると、0.4マイククロシーベルト/毎時が、0.14マイククロシーベルト/毎時に減少。今後、守谷市は学校等11施設について4800万円かけて同様に実施する。としていました。TVでは、紹介されていませんでしたが、この後9月21日に市長と対談し、学校給食で使う食材全品の放射線量測定などについて要望したことを新聞記事で確認しました。

次に、北海道から沖縄まで170団体余でつくる、「子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク」が、9月21日に小宮山洋子厚生労働相と面談し、食品に含まれる放射性物質について子どもと妊婦のための内部被曝基準を設けてほしいと要望している様子が紹介されました。小宮山氏が「みなさんのお気持ちはよく分かります」と述べたということでした。

番組のゲスト、浦島 充佳さん(慈恵医科大学 准教授)は、「キーワードは『インターネット・アクション・協力』」と述べていました。一人ひとりの陳情・要望ではなかなか相手にされなくても、何千人のネットワークという背景があれば、行政も動かざるを得なくなりなることだということです。
最初の守谷市の例。ここ栗原市でもつい最近、小学校陸上大会が市内で最も放射線量の高止まりしている地域(高濃度汚染地域)の一つで9月14日に行われました。その様子、それへの取り組みを9月14日に記事にしました。ここは、守谷市で問題となったのと同じ0.4マイククロシーベルト/毎時を常に超えているのです。会場の1マイククロシーベルト/毎時のホットスポット数か所は、市に大会直前に処理してもらいましたが、大会自体は実施されました。

その後、私は、この間の市の学校等の測定(6月9日~9月15日)すべてを施設ごとに整理してみました。市の測定は、当初、全施設75カ所(各1地点)だったのが19カ所に絞られました。それを私たちの自主測定で全施設72カ所に復活させるだけでなく、施設ごとに必要と思われる地点もと拡大させました。その結果、1回の測定での調査カ所は、施設で2~11地点とばらつきがありますが、総計では、約400地点へとなっています。(全体では2500以上か?)それらを改めて施設ごとに整理し直し、その施設ごとの分析を行うと同時に、市内72カ所全体の比較をしてみたのです。すると、校庭(園庭)の中心での数値が、①常に0.4~0.5レベルの最優先に除染すべき施設が5カ所。②0.3~0.4レベルの次に必ず除染すべき施設が16カ所。③中心は、0.3以下(0.25ほど)だが、多数のホットスポットや隣接施設が②の施設でここも除染すべきと思われるのが2カ所。合計で23カ所の校庭(園庭)要除染施設がありました。この0.3~0.4超レベルの校庭(園庭)の除染はすでに市に要望しているものです。

市内72カ所全体の比較では、私たちが7月末に発表した「栗原市放射能ポットスポットマップ」に整合する結果が出ています。そこでは、高濃度(0.3~0.5)中濃度(0.2~0.29)低濃度(0.1~0.19)に分けました。この23カ所すべてが高濃度の地域なのです。私たちの7月の2回の自主測定で局所的なポットスポットを発見しましたが、それを受けて拡大していったその後の市の測定では、多数の1マイククロシーベルト/毎時のホットスポットが見つかり、その処理は進んできています。それが見つかったのは、高濃度地域では、かなり多数。中濃度地域でもいくつも。低濃度地域すら僅かですが出ました。これはこれとして、各施設で量的にもそれほど大量ではなく、きちんと処理すれば済みます。実際に市の努力でほとんど済んでいます。

しかし、この1マイククロシーベルト/毎時のホットスポット対策以外が、栗原市では、まで全く進んでいないのです。空間の安全基準を1マイククロシーベルト/毎時以下にする動きは、今、全国各地に広がって来ています。首都圏(0.19~0.3)が多いのですが、福島でも、いわき市(0.3)に。そして、秋田県が、0.19に。しかも子どもが過ごす学校などついては、0.12とより厳しい基準にするということで、そのための校庭などの除染が今後、各地で進んでいきます。そこまでいかないホットスポット対策でも、横浜市では、0.59で処理を始めています。栗原市では、低濃度地域でも結構、詳しく調べている施設もあります。そうしたところでも見落としがないようにすることは大切なことですし、逆に、元々は、この栗原市での汚染はこの程度だったのかと(それでも今回、上乗せされていますが…)思われる0.1マイククロシーベルト/毎時にも満たない学校等も南部の地域に多いのです。栗原市は、6年前に10カ町村が合併したのですが、その半分、南東部の旧5町が、低濃度なのです。北西部の残り旧5町村が中濃度・高濃度なのです。0.1以下と0.3~0.4超。その開きは、3~4倍なのです。同じ栗原市なのに子どもたちが、毎日運動し、遊ぶ学校等の環境にこれほどまでの違いがあっていいのでしょうか。こうした危険な状況は一刻も早く、私たち大人の力で何とかしなければなりません。少なくとも、すべての学校等で0.19以下に。

ただ、この守谷市のやり方で良いのかは、よく検討する必要があります。上に土を被せるのは、長期的に見てどうなのか、それより9月14日に市が講演会に講師に呼んだ石井慶造氏の汚染土を凝縮させる除染の方が放射性物質の総量対策としては有効に思われます。(ただ、200シーベルト論者の彼を市のアドバイザーにすることは避けるべきです。)

学校給食については、これは、その地域の放射線の線量レベルとは全く別で、栗原市の全ての子どもたちが対象です。子どもにとっての内部被曝の危険性は、空間において、外部から吸気で入ってくるよりも、食物からの方が大きいようです。こちらも、今、早急に対応するよう、栗原市に働きかけています。

しかし、この放送を見て、もう一つ、私たちの運動の弱点が分かりました。「母親たちのネットワーク」とあるようにその主力が母親、それも小さな子どもを持つ母親です。今の「ゆきとどいた教育をすすめる栗原市民の会」は、役員全員、男性。(団塊世代中心)会員にようやく女性も。この間ようやく、栗原母親連絡会との連携が進んでいますが、こちらも団塊世代中心です。原発・放射能問題での講演会は7月31日に70人、8月26日(栗駒地区)に30人。それにようやく若いお父さんたちが参加し始めています。この会は、学校統廃合問題を契機に2年前に結成しました。当初より現役世代の参加を働きかけてきましたが、これもまだ不十分です。今回は、それよりさらに若い世代に、ウイングを広げていかなければなりません。自分たちのちょうど子どもたちの年齢にあたる層です。それは、参加をというより、連携のようなものだと思います。

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「ミラクルボディー」を見て

<TV>
NHKスペシャル―「ミラクルボディー」を見て           
                                          2010.2.15

ミラクルボディー第1回 

滑走 時速160km極限の恐怖に挑む 2月7日


<番組内容>

 世界のトップアスリートの肉体・パフォーマンスに特撮を駆使して迫る大型シリーズ「ミラクルボディー」。今回は冬季五輪の主役達に注目。「厳しい自然との闘いに挑む」アスリートたちの能力に迫る。第一回は、アルペン・ダウンヒルの王者、アクセル・スビンダル。選手達は、最高時速160㌔で急斜面を滑降。転倒すれば死につながりかねない恐怖と闘わなくてはならない。高速・急斜面で体を支える筋力やバランス感覚とは、どのようなものか。選手達は恐怖をどうやって乗り越えているのか。“スピードとの闘い”“恐怖との闘い”、その全貌を最新撮影機器と科学を駆使して明らかにしていく。(NHKホームページより)

<解説と感想>

 目を瞬きしない集中力(全てを視覚(→脳)に入れる。)時速160km(そこまでの加速がスゴイ!)の極限の恐怖に対して自分の限界の安全装置を少しだけ外す。(彼の脳の反応を見ると恐怖の予測をエネルギーに変えているようだ)後半になってもスピードが落ちない、加速する。=その秘密は、前半での筋肉の使い方にポイントがあった。→ターン時等に瞬間的に筋力を発揮する以外は、大きな力を発揮しません。後半の一番の難所、大きくジャンプした後の空中での姿勢(ここで以前に彼は、姿勢を崩し、転倒して大怪我をした)スキー板がほとんどぶれていない!完璧な板のコントロール。筋力の有効な使い方とその元になっているのが、大腿部の大きな筋肉のようです。

ミラクルボディー第2回 

ジャンプ 空飛ぶ魔法使い 2月12日

<番組内容>

 世界のトップアスリートの肉体・パフォーマンスに特撮を駆使して迫る大型シリーズ「ミラクルボディー」。第二回は、“ジャンプ界のハリーポッター”と呼ばれるシモン・アマン(スイス)。身長172cm、日本人と変わらぬ小柄な体格にもかかわらず、世界のトップを争い続ける。その魔法の裏側には、驚異のバランス感覚と風を味方につける飛行技術があった。番組では、ハイスピードカメラの映像をもとに、アマンの魔法の秘密に迫っていく。(NHKホームページより)

<解説と感想>

 アマンの100分の1秒の単位という一瞬の瞬間に90kmのスピードで助走台の先端を垂直に蹴るタイミング。そこで最大の上昇力をつけます。飛行中も普通は失速するのに、逆に120 kmまでも加速します。人間の常識を超えたその正確さのテクニックの秘密は、アマン自身が言っている「自分の重心がどこにあるか分かる。」という抜群のバランス感覚にあります。片足立ちを目を開けても、閉じても前後に若干動くだけで、左右には全く揺れません。この重心の安定は、ジャンプ時の重心の動き(タテ軸のみに)で、力の入り方が均等・安定し、また、空中での板の抜群のコントロールに繋がって空気抵抗を少なくし、空中でのスピード・ロスが少いのです。そのバランス感覚は、屋内練習では、大きなボール球の上で、自在に動いたり、綱の上、動く板の上とどこでもバランスを取れる練習で養われていました。

 風を味方につける飛行技術とは、アマン自身、自分のことを、「ジャンパー」ではなく、「フライヤー」といっていることに表れています。「風は友だち」と言って、風の変化、突風・自然の脅威もものともせずに立ち向かいます。風の克服には普通のジャンパーは、空中では無駄な力を抜いてリラックスしているといいます。しかし、アマンは、空中で全ての筋肉が複雑に動いていました。肩の筋肉は、体を水平に保つために。腹筋は、風を受け止め上半身の安定に。太腿は、板の角度を維持するために。一見、華奢に見えるアマンの肉体ですが、おもりとなる無駄な筋肉はそり落とし、風に対する反応を敏感にするために作り上げたものでした。

 比較的小さな体のアマンは、こうして大きな翼を手にし、大空を自由に羽ばたく、誰よりも鳥に近い人間、「風に乗るフライヤー」になったのです。

 この部分の記事を書いていた(2月13日夜)時TVでは、バンクーバー五輪開会式(録画)を見ていましたが、翌朝には、アマンが、「金メダル1号!!」(ジャンプ・ノーマルヒル)という知らせが入ってきました。私の予想通りでした。映像で見ても、パーフェクトでした。

ミラクルボディー第3回 

フィギュアースケート 4回転ジャンプ… 2月14日

<番組内容>

 フィギュアスケートの究極の技「4回転ジャンプ」。わずか“0.7秒”の間に、空中で身体を4回転させる。わずかなミスが転倒につながり、試合で成功できるのは、一握りの選手だけだ。心技体すべてを最高レベルに到達させたものだけが実現できる4回転ジャンプ。その第一人者が、フランスのブライアン・ジュベール(25歳)。高く、美しいジャンプは、世界で一番安定していると言われ、昨秋のグランプリシリーズ・NHK杯でも、ただ一人4回転を成功させ、優勝した。NHKは、ジュベールの練習拠点に、ハイスピードカメラを持ち込み、ジャンプのプロセスを詳細に記録した。そして、仏ポワティエ大学と共同で、なぜジュベールがわずかな時間に4回転を跳べるのか、美しいジャンプを跳ぶ秘密はどこにあるのかを探った。ハイスピードカメラと最新科学が浮かび上がらせたものは、ジュベールの驚異的な筋力、自身を制御する能力だった。(NHKホームページより)

<解説と感想>

 4分半のフリーの演技は、3000m走と同じ体力が必要という。そこで、ジュベールが何故、安定して4回転ジャンプが飛べるのか?それは、空中の姿勢、すばやく腕を引き寄せ一本の棒のように体の軸を細く真直ぐにすることができるからです。それには背筋の強さーとりわけ脊柱起立筋(脊すじを後に反らせる役割を持つ筋肉)―背中のインナーマッスル、背骨に沿って縦に伸びる内部の小さな筋肉―の強化が鍵となっています。これが弱いと空中に舞い上がり回転すると遠心力に負けてふつう体を曲げてしまうのです。それにジャンプの力。脚だけの力でのジャンプは普通で25cm、彼はその倍の50cm飛ぶ。これは100mを10秒台で走る脚力だそうです。ジュベールは、鋼のような肉体でした。

 だがジュベールの大きな悩みは、太りやすい体質だということ。だから、筋肉の量を増やさず、ジャンプに必要な筋力を維持する。必要な瞬発力、持久力をどう鍛えるか?足元を不安定にした特別な器具を使ったトレーニング、それでインナーマッスルを鍛えて、眠っている筋力を引き出すのだそうです。それに勿論、日常生活でも食事のコントロールは欠かせない。その彼も、昨年秋には体重が+3kgとなり、4回転を失敗。その後も体重を絞ってもプレッシャーから失敗が続き、ようやくNHK杯で、ただ一人4回転を成功させ、優勝し、調子を取り戻しました。

 この間、3年前に引退したロシアのプルシェンコが、ロシア大会で4回転を成功させ、優勝し戻ってきました。一方、日本の4回転ジャンパー高橋大輔も、おととしの秋大怪我をしましたが、リハビリを終え戻ってきました。だが、怪我の原因の一つー体の固さーその克服に膝・股関節の可動域を広げたために4回転ジャンプ時の体勢が違ってしまいました。現在なお調整中のようです。今回のバンクーバー五輪では、この3人の争いだと思うのですが、果たしてどうなるのでしょうか。でも、本当のところは、ジュベール自身が言っているように「自分とのたたかい」なのだと思います。

 ジュベールは言っています。「完璧な4回転を飛べた時、もう1回転できるのではないかと思うことがある」と。また、「競技生活を終えるまでに5回転に挑戦してみたい。」「4回転を飛んでいる時、特別な感覚を味わっています。空中でまるで雲の上にいるような感じがするんです。だから、4回転ジャンプが大好きなのです。」と。

最後に

今回のこの「ミラクルボディー」を見た私のテーマは、「アマの私は、これらのトップアスリートたちのミラクルボディーの秘密から何を得たのか?」ということです。

 アマ、しかも、もっぱら健康増進や楽しく趣味としてといったことでスポーツ(主にスイムミング)をしている私にとっては、トップアスリートたちのミラクルボディーは、縁遠いことです。人と競争する、順位を競う、あるいは、自己のタイム更新をするとかでもありません。

 前にも記事で次のように書きました。-「まあ、少し早くなったに越したことはありませんが、それも、自分との比較です。むしろ、「上手く」は、私の場合、「楽に」とか「気持ちよく」「リラックスして」とか、もう少し欲張るならば、「綺麗に」「優雅に」「美しく」「カッコよく」…まあ、これはあくまで、私の希望ですが…。(もう少しだけ釈明すると、周りの人がそのように見てくれることより、先ず、私自身がそのように思えるようになるかということです。=つまり自己満足できるかどうか)最初は、腰痛やら、ヘルニアやらの対策、予防、リハビリでした。しかし、運動も、水泳もやっているうちにそれ自体が、楽しくて、面白くなって来ました。筋力トレーニングやストレッチ等の運動も、「どこを強化したら泳ぎが上手くなるか」ということが目的です。」―

 ですから、自分の体をデザインする、コントロールするということ。自己責任という言葉は嫌いですが、あらゆることで、自分自身でデザイン・コントロールできる範囲なんて限られています。自分の趣味とか、楽しみのためには、多少のそうした努力をすることも、また面白いことだと思います。それが少しでも結果として表れてきたら自信にもつながり、その趣味、楽しみを継続していけると思います。ですから、トップアスリートたちのこのミラクルボディーの秘密は、直接、真似できるわけでなくとも、様々な点で参考に、ヒントにできることがいっぱいあります。

 そんな一応まともなことを言っている私ですが、現実は油断から体調を崩してしまいました。実は先週末2月13日水泳教室(バタフライ)に参加していて、右脚を強度につってしまいました。昨年12月頃、左脚を脊泳ぎをしていて、つったのに続いてです。この時は回復に一週間はかかりました。今回はだいたい原因は見当がついていますから、これより少し早めになりそうですが…。この「つる」ことのメカニズム、その回復、予防方法をこの際、きちんとマスターし、セルフマサージで、体のメンテナンスをきちんとしようと思います。


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「しのびよる貧困 子どもたちを救えるか」を見て 

<TV> NHKスペシャル
セーフティーネット・クライシスvol.3
「しのびよる貧困 子どもたちを救えるか」を見て 
                                        2009.10.5 

待ったなしの「子どもの貧困」根絶

10月4日午後9時~10時半まで、NHK総合で表題の生放送がありました。事前に「民主教育をすすめる宮城の会ニュース」で知らせが入っていました。そこで、この記事の最後に掲載した「番組の案内から」と「番組の内容から」をチェックした上で放送を見ました。

私自身も昨年来より「子どもの貧困」問題にはずっと注視してきました。9月26日の「ゆきとどいた教育をすすめる栗原市民の会」発会総会でも「「子どもの貧困」を教育環境から考えるための指標の把握について」というレポート(9月25日記事)を出し、そこで栗原市の就学援助受給者数などについての考察をしています。(9月28日記事)その直後の10月1日の朝日新聞に「病院にいけぬ子 貧困、健康でも格差 治すのは学校の保健室…」という見出しの記事が出ました。このNHKの放送でも、ちょうどその実態が映像で映し出されていました。

この私たちの発会総会でも、高校生の貧困や卒業までの授業料徴収にまわる教師の苦悩が出されました。教育講演会では、前宮城高教組委員長の菊池英行さんが、「教育費の無償化は世界の流れ。日本の遅れは深刻であり、多くの高校生たちは、未来を奪われている」と。「教育費は「受益者負担」「自己責任」ではなく、公費負担・社会的責任で!」とし、無償を授業料(直接の費用)のみならず、間接の費用や制服代などまでを求めていました。

放送でも関西の生徒数約600人の公立高校の例が映し出されていました。ここでは不況下で親が授業料を納められない家庭が続出。減免が40%を超えているという。授業料は、11万2千円。さらにその他の学校徴収が23万2千円も。来年4月から無償化といっても12万円だけ。教師が高校生を前にしてアルバイトを勧め,授業料等の回収にアルバイト先まで行くこともあるという。親が働けなくなり子どもが家計を支えるために働かざるを得ないケースも出ているという。1学年200人の内もう10人がドロップアウトした。高校2年生を前にして教師は、来年の10.11月には、大学、短大、専門学校に行くには80~100万円用意しなければならない。」という現実を話す。今、多くの高校生が家庭の経済事情で、未来の希望を奪われかねない状況にあるといいます。

こうした「子どもの貧困」問題の背景には、「子育て世代の貧困」があるといいます。非正規雇用の労働者の増加、その平均賃金の低さ、彼らへの医療保険、住まいなどのセーフティネットのほころびや無機能化。親が子育ての責任を背負いきれなくなってきている日本の現状。奪われる子どもの将来の可能性。日本の将来を担う子どもたちのその学び、育つ環境の劣悪化。

もう、この「子どもの貧困」問題の根絶は、一刻の猶予も許されない待ったなしの状況になっていると思いました。

教育機会の平等があってこそ社会に活力
―スタジオでの論議を聞いて
 

 スタジオ出演者の4氏と司会者の論議を聞いていて、「子どもの貧困の現状を直ぐにでも何とか克服していかないと日本の将来は最悪になる。」という認識では立場の違いを超えて一致していました。違いは重点の置き方ぐらいしかありませんでした。出席していた財界関係者の新浪氏が重厚長大型産業からではなくサービス流通業からだったからかも知れません。最賃を800円、1000円と引き上げることを否定はしないものの、それ以前の「雇用対策と新しい産業の創出を重視しないと日本の経済がなり行かなくなるところまで来ている。」と強調していました。それに対して湯浅氏は、「雇用の量だけでなくその質も重要で、同時に高めていかないと企業にとっても優良な消費者にはなっていかない。」としていました。打開策として、フィンランドや北欧・イギリスの例が出されていました。国の規模が違うとか、歴史や置かれている状況が違うなどと言ってこれらの国から学ぼうとしない傾向がありますが、この論議ではそうしたことは一切出てきませんでした。高福祉・高負担の現状とその国の国民の意識。福祉立国というよりむしろ教育立国と言っていいほどの「教育は、人への投資・未来への投資」という戦略がきちんとあること。

最後の方で、神野氏が「胎内から墓場まで」の北欧の国民的コンセンサスを次のようにまとめていました。「子どもは、社会の宝物で、子育ては社会の共同責任。教育・子育ては三つを同時に達成できる。①経済成長、②雇用の確保、③社会的正義、これらによってすべての国民の貧困・格差もなくなる。という確固たる信念がある。」と。実際には増え続ける移民問題、宗教問題など日本では考えられない困難なことが多くあると思います。しかし、これらの国々では、政府が国民から基本的に信頼を得ています。

この政府の問題については、司会者が財界関係者の新浪氏に「経済界への負担もこれから大きくなるが…」と問うと、「「教育にもっとお金を」は大賛成、教育費を全部無償にしてもよいのでは、教育の質も問題にして欲しいが…政府がこれまでのしがらみを早く精算して、中長期の展望を出して欲しい。政府の信頼回復が先であり、それがあれば経済界の負担増はやぶさかではない。教育機会の平等があってこそ社会に活力が生まれる。」と政権が変わったからこんなことまで言うのかなと感心しました。


政府の信頼性と国民・市民の意識変革の必要性

政府の信頼性に関しては、貧困対策について、湯浅氏も「これまでの政府があまりにもひどい。政権が変わっても、まだスタートラインに立ったばかり。貧困率を減らすため、貧困率の測定から」と求め、政府の山井氏も貧困率を出し、削減目標を出すと確約しました。信頼性については、私は、政府も問題でしょうが、むしろこれからは、地方政府(自治体)と地方議会の方が問題だと考えています。このあたりのことについては9月21日の私のブログ記事「教育と貧困問題―「ナショナルミニマムと地方分権」について考える。」に詳しく述べました。

この論議でも「政府が長期のビジョンを明らかにすると同時に、子ども手当てと高校授業料無償化が来年4月からのように、それだけでは、現在の持ったなしの子どもの貧困の現状打破には間に合わない。」「今の高2・高3がどうなるのかという直近の問題、緊急の手当てを」「待機児童の問題、小児科医療の問題などのサービス面も早急に」と出されました。政府も優先順位を「子どもたちから」としてやるとしていました。

その中で、神野氏が言っていた「声なき声の民主主義の確立」ということは、非常に大事なことだと思いました。9月25日の私のブログで「子ども貧困白書」のことに触れました。そこから「「子どもの貧困」ですから、本来的には第一に聴かれるべきなのは、子どもたち自身の<声>です。…「その「声にならない声」は、子どもたちへの共感的理解と状況批判を軸とした広義のソウシャルワーカーの<声>を媒介にしてこそ、社会に向かって開示されうる回路が見出せる。」という引用をしました。私は、この間、学校統廃合問題や学校図書館問題に関わってきて、地方政府や議会は、そうした子どもたちの声なき声を聞いてきているのかという疑問をずっと感じてきました。

10月4日の朝日新聞の経済コラムに「公共事業削減 鉄筋コンクリ国家と決別を」という編集委員の記事が出ました。そこでは、「狭い日本の国土が世界に稀に見る鉄筋コンクリ漬けになっている。そのために巨額債務ができ、そのツケが子どもたちに引き継がれる。子どもたちの明るい「未来」を奪っている。」「責任を問われるべきは、…「公共事業複合体」につらなる族議員や官僚、一部の産業界のはずだ。」と言っています。そして、鳩山新政権は、温室効果ガスを「世界に公約した「2020年までに25%削減」実現のためには、ここに切り込まなければならないとしています。最後に、民主党マニフェストには、鳩山代表の言葉として「私はコンクリートではなく、人間を大事にする政治にしたい」とあると紹介しています。鳩山首相には資金管理団体を巡る偽装献金問題があるにも拘らず、内閣支持率は71%と高水準を維持しています。(10月4日読売新聞)これは、個々の政策などへの支持よりも国民の期待感の強さの表れではないかと思います。子ども手当てにしても支持は60%を切っています。前述の私の9月21日のブログでも強調しましたが、「公共事業から、人への配分、人の配置」には、国民、市民の意識変革、考え方の切り替えが必要になってきます。この放送の論議でも出されましたが、今、国民、市民の間で議論を大いに巻き起こしていくことが求められています。私は、特に地方のレベルでの意識変革がそのカギになるのではないかと思っています。

番組の案内から(NHKホームページより)


経済危機が深刻化する中、大量解雇の波は、非正規労働者ばかりか正社員にまで及んでいる。世帯主の失職の影響から、いま「子どもたちのセーフティーネット」が危機に瀕している。

 OECDは、日本の「子どもの貧困」が際立って加速していると警告した。給食費や教材費が払えず小中学校への通学も難しくなったり、貧困から高校を中退せざるを得ない子どもが急増している。背景には、日本の社会保障制度が「正社員」を前提に設計されたまま、抜本的な見直しが行われていない点がある。子育て世代に当たる20代~40代の、4割近くが低所得の非正規労働者であるにもかかわらず、子どもの医療費、教育費、住宅費、食費等の負担は、正社員家庭と同じく一律に求められ、貧困に拍車をかけているのだ。

 子どもたちの「健全な育ち」を保証する「人生前半の社会保障」を築くには、どのようにセーフティーネットを張り替えていけば良いのか。番組では、日本の子どもたちの現状を検証し、さらにフィンランドなどの先進的な取り組みも紹介しながら、子どもたちのための社会保障・セーフティーネットのあり方について考えていく。

番組の内容から(これも事前の案内です。)

今、日本の子どもの7人にひとりが「貧困」に苦しんでいます。

日本は今や、先進各国の中で最も「相対的貧困率」が高い国のひとつであり、アメリカと並ぶ”貧困大国”となっているのです。

入浴やおむつ替えの回数を減らされる幼児。病院に行けない、学用品を買ってもらえない小学生。学費のみならず、一家の生活費まで稼がなければならない高校生。取材を通して、数多くのそうした子ども達に出会いました。

 戦後、豊かさの一途を辿ってきたはずの日本で、なぜ、そうした事態が生まれてしまったのでしょうか。

 8月の衆議院総選挙で、民主党は、子どもへの支援の強化を謳い、未曾有の308議席を獲得しました。

マニフェストの目玉として上げた「子ども手当」や「高校の授業料実質無償化」は、そうした子ども達の厳しい現状を救う、特効薬たり得るのでしょうか。

 番組では、新政権から、”子ども支援”を担う、山井和則・厚生労働政務官、貧困の現場を深く知る、湯浅誠・反貧困ネットワーク事務局長らをスタジオに迎え、90分の生放送で議論を行います。

 声を上げることのできない子どもたちの間に、深く静かに蔓延する貧困。

 その実情を伝えると共に、充実した子育て・教育政策をとる、フィンランドでの取り組みも紹介しながら、子どもの育ちを守る、新たな社会保障制度のあり方を探ります。

<スタジオ出演者>※順不同

 政府関係者 山井和則氏(厚生労働政務官)
 財界関係者 新浪剛史氏(株式会社ローソン代表取締役社長)
 支援者   湯浅誠氏 (反貧困ネットワーク事務局長)
 学者    神野直彦氏(関西学院大学教授)
 ・司会:町永俊雄アナウンサー









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「少年レウィー 生命あふれる海で育つ~最後の海洋民族モーケン」

<TV.>

ハイビジョン特集>「少年レウィー 生命あふれる海で育つ~最後の海洋民族モーケン」を見て   2009.2.20

<番組の内容 

イルカさながらに海に潜り、獲物を捕らえて生きるミャンマーの少数民族「モーケン」。小船に住み、海を自由に移動する。
 素潜りで水深20mまでたどり着き、魚や貝を素手や銛(もり)で捕らえていく。ミャンマーの少数民族・モーケンの驚異の能力だ。モーケンは、ひとつの家族が10mほどの小舟で暮らすが、この海上生活を続けているのは千人足らずになった。モーケン随一の素潜り名人ウテラは、次男レウィーに自らが持つ知恵と技を伝えようとしている。レウィーは、父の技を一つ一つ学び成長していく。豊かな自然と向き合って生きる親子の姿に迫る。  (NHKホームページより)

<内容の補足と…私の感想>

 2月19日NHK・BSハイビジョンでAM9時~10時50分のこの放送は、昨年、4月28日に放送されたものの再放送でした。

私は、少数民族モーケンのことは、初めて知りました。生活しているのはミャンマー南部のメルギー諸島からタイ(陸上)にかけてと言っていました。もともとは4000年前から中国南部にいた。それが400年ほど前にマレー半島に進出して来たが、民族間の争いを避けて、安住の地を求めて現在の地に来たといいます。海上に浮かぶ小舟(現在はモーター付)を主な生活の場とし、海をわが庭のようにして自給自足のための漁をして生計を立てています。ナマコを加工したもの(中華料理に使う)が唯一の現金収入で、それで米、燃料、ミルクなどを買います。

放送では、次男のレウィー少年とその家族を中心に構成しており、その一家の主、父ウテラが、わが子を一人前の素潜り漁師に育てていく過程が時間をかけて撮影されています。素潜り漁、魚介の見つけ方、さばき方、銛づくり、森での狩り、真水の確保、祭りや行事など家族や時には一族の協働作業の中で伝えていきます。私は、その様子を見ていてこれは、現代の私たちの生活から失われつつあることだと思いながら、うらやましく感じました。そしてこれは、極めて大切な民族の伝承でもあるのだと思いました。それでも現在、ミャンマー政府の定住化政策の下で沿岸に20ヶ所の村が作られ、既にそこにモーケンの6割に当たる2000人が住んでいます。彼らは小さな丸木舟だけで細々とイカ釣り漁をしているだけで、モーケンらしさを失っていっています。

 残された海で暮らすモーケンにも哀しい事態が起きてきました。レウィー少年が成長していく間にも、密漁船の一団がモーケンの縄張りに入ってきて、機械仕掛けでナマコの乱獲を始めたのです。これに対してモーケンは平和を愛するのか争いません。密漁船団は、やがて獲りつくしてしまったのか、去って行きます。さらにその一年後、撮影が入った時には、ウテラの家族はもっと大変なことになっていました。まだ1歳足らずのレウィーの弟は病死し、小舟のモーターも壊れてしまい、現金収入の途が途絶えてしまいます。それでもこの家族はそれにめげずに、小舟は総出で手漕ぎをして、漁をしたり、自由に移動し続けます。米の代わりはそれ以前の野生のイモを主体にしたものに戻しました。それに、レウィーも、もうすっかり一人前になってきました。

 親子二代でこのモーケンの調査をしてきたフランス人のイワノフ博士は「モーケンの生活には舟による自由な移動が不可欠。そのことによって、他者との出会いもあるし、結婚もできる。」と言っていました。これから先、ここ、マレー半島に面したアンダマン海に浮かぶメルギー諸島の周辺海域も、恐らく急速な変貌は避けられないと思われます。しかし、私は、豊かな自然と向き合って生きてきた最後の海洋民族モーケンが、どうかいつまでも平和に存続できるよう願わずを得ませんでした。

<さらに補足、モーケンの身体能力について 

モーケンの漁はいたって単純素朴で、ゴーグルを着け、手銛だけの道具で、パンツ一つで素潜りを繰り返し、魚介など収穫物を小舟に次々に揚げます。銛をかざしたまま海中にダイビングして命中させてしまったり、海中でも一突きで獲物を捕獲してしまいます。さらに、深みに潜っていって海底の穴倉で獲物を捕ります。海底にへばりつく10kgもある大きなシャコガイを息長く腕力で剥がしてしまい、それを舟まで持ち上げます。(レウィーはまだダメ、父ウテラが)こうした漁では水深20mほどまで潜っているといます。海底で1分はそのまま潜っていられて、素早い息継ぎをするとすぐまた海底に。それが一度に二時間は続きます。その大きな肺活量に驚かせられました。もっとすごいのは、視力。ゴーグルを付けているとはいえ、的確に対象物を捉えられるのは、視力が優れているからです。(9だという)

 これらとは別に、私が一番注目したのは彼らのその泳ぎです。足裏が大きく、足首を柔軟に動かして、まるで魚のヒレのように自由自在にしていました。それに膝の使い方、柔軟な動かし方が大変上手でした。これは、水泳でいえば、「立ち泳ぎ」の技法に当たると思います。何しろ手のほうは銛などを持っていますから、自由に動かせるのは足(脚)だけです。片足ずつでも自在にスナップを利かせ動かし、コントロールします。見ていて私はおもわず「美しい!」などといってしまいました。これは今、私が大変苦労している平泳ぎの足に通じるからだと思います。

それに体全体が非常に柔らかいようでした。父ウテラこそ年齢からか胴回りが少し太くなっていましたが、その他の家族全員が大変スマートでした。それでも海中での動きを考えるとかなりのエネルギー源の摂取が必要のはずです。炭水化物は現金収入があれば米、なければイモからです。たんぱく質の摂取はほとんど魚介の肉からのみで、たまに森での狩りで仕留めたイノシシぐらいが動物の肉だろうか。本当に余計な必要以上のものは食べないようです。だから質素かというとそうでもなく、魚介類の料理は、私から見ると、新鮮かつ多種・大量で豪華そのものでした。こうした食生活も彼らの海での生活に適した肉体を造っているのだと思いました。

そもそも人間の体は、水中生活に向くようには造られていないはずです。一部の陸上生活を主とする動物の中にも泳ぎも得意とするものもいます。しかし、人間ほど自らの身体とその延長の道具(機械)を使って工夫をして、あらゆる環境に適するよう挑戦し続けている動物はいません。そう、私たち人間には、途方もない可能性があるのです。泳ぎとか水中生活でいえば、これはもう一つ、人類はもともと海から生まれ来たことと、母親の子宮内で胎児として泳いでいたことが関係しているように私には思われます。だから?そう!私だって努力すれば、彼らモーケンのような泳ぎに少しは近づけるのではないかと思いたくなりました。

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