触媒生活

セカンドライフに入っての日常生活を文章、日記などで表現します。「触媒」のような役割を果したいというのが私のモットーです。コメント等をブログでも受けますが、連絡はメールでfa43725@yb3.so-net.ne.jp まで。

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放射能被害論の確立を

<原発・環境・エネルギー問題>     2012.6.30

放射能被害論の確立を
ー放射線被害の総体とそのピラミッド構造を見ること。それによって、私達の、生命・生活・環境を守る方向が見えてきます。―

                     
    佐藤 茂雄(「放射能から子どもたちを守る栗原ネッットワーク」準備会)

6月4日提出の「栗原市における放射能対策を求める要望書(第5次)まえがき」より

 そもそも、今回の福島原発事故に起因する放射能汚染問題をどう捉え、位置づけるか、ということです。加害者は、国と東電、であり、被害者は、国民(市民)です。自治体も原発誘致などしていなければ市民と同じ被害者です。でもその被害は、国境を超え、全世界へ、人間界を超え、自然環境・全地球環境全体へ拡がっていっています。その被害の総体をどう見るのか、その被害の構造をどう捉えるのか、その放射能被害のピラミッド構造をきちんと捉えていくことが重要になってきます。そこから、① 被害を統治者(国)=(東電とともに加害者でもある)の都合の良い範囲に限定してしまう、その範囲で受忍せよとすることは、栗原市であれば、それは「統治」の役割(国の施策に服従せよと)を背負わされるだけになってしまいます。そうではなく、被害の総体を、構造をきちんと捉え、予防原則に従って、予測できることを独自の判断で行い、施策を実行すべきです。(費用は、原因者負担の原則によって国・東電に請求を)自治体が「市民の命と健康を守る」その前面に立つ、「自治」の役割を果たすべきです。

 ①を見るうえで、これまで被曝者の救済がどのように行われてきたか、日本において、あるいは、チェルノブイリなどでも世界で、被曝者など放射能の被害がどのように扱われてきたか、あるいは、水俣、大気汚染公害等その被害に対して国や加害企業がどのように対処してきたか、どう責任を取ってきたかを見れば明らかです。それに加担する多くの科学者、専門家、学会…(マスコミも)ICRP(国際放射線防護委員会)は、その存在からも基準の考えからも人間の健康を第一に考えているものでありません。内部被曝の影響を一貫して軽視・無視してきています。それは、「経済的・社会的要因(原発による発電の利益等)の両立を考えて限界値を設定」しているものです。このように放射線による犠牲の受忍を強いているものです。そのICRPさえ、「リスクは線量が低くても存在する」と言っているにもかかわらず、日本政府は、ICRPをさらに悪用して、「限界値以下なら安全です」という宣伝さえしています。健康を守るべき政府のすべきことではなく、低線量の晩発性の被害を加速させるようなことをしています。

 今回の多くの自治体が決めた除染計画をなかなか承認しない背景にはこうしたことがあり、千葉県の東葛地方の自治体は、国の基準には、内部被曝の影響が考量されていないとして、独自の判断として除染基準を子どもたちのいる学校等施設では、50㎝でなく、地表で0.23μ㏜/hにしています。

放射能被害論から見た自治体の独自基準設定の必要性

 今回の要望書では、一番の主眼点は、栗原市が「市民の生活と命と健康を守る」ため「独自の判断」(除染基準を子どもたちのいる学校等施設では、50㎝でなく、地表で0.23μ㏜/hにするなど)に踏み出すようにさせることでした。まえがきにもそのため、放射能被害の総体の把握、被害の構造―「放射能被害のピラミッド構造」(これは、私の新造語で、<資料>に)をきちんと捉えることの必要性を説いていきました。力を入れて臨んだ、市民の健康を第一に考えての「独自の判断」を、という点では、千葉県東葛地域の自治体―柏、流山、野田、松戸、白井が、国とは違って「独自の判断」をしている背景には、「国の基準自体が内部被曝の危険性を考慮したものでない不十分なものであり、安全基準ではない」ことを把握しているためだと指摘しました。宮城県でも、角田市と柴田町が最近「国の基準未満でも独自除染」へ踏み出したことも同じ事情であり、栗原市も是非、市民の生活と命と健康を守る立場から「独自の判断」をする動きに同調することを切望しました。また、この動きは、1970~80年代の公害・環境問題での地方自治体からの規制強化が、国の施策を変えていったことと、全く同じパターンであり、いずれ国の施策も変わらざるを得なくなると説得しました。しかし、栗原市は、この点は、「できるだけ下げるようには、…」と言いましたが、最後は、財政の問題の壁などを突き破ることができず、残念ながら、6月4日のこの段階では持っていけませんでした。

放射能被害論に立ち返り、生命・生活・環境を守る方向を

 10万年先の未来へ大きな負債を既に生み出してしまっているこの今回の福島原発事故の深刻な事態。その克服には、途方もない時間と、すべての人類の英知の結集と、膨大な労力の投入が必要とされてきます。これまでの方法、従前のやり方では、もはや難しいことは明らかです。それにもかかわらず、国は、事故原因が十分に究明されていない中で、従前のやり方の延長し、原発再稼働を強行してきています。環境の再生への除染や、被害の補償、放射能被害者の救済・克服ということでも極めて遅れています。

 それに、被害者の内部での断絶と対立、本来争うべきでない人たちが争っているという分断状況もあります。福島からの避難、区域指定やその変更による分断。放射能汚染が拡がり、未だに収束が見えない中で、それをどう見るか、どう対処するかで、様々な所で、空白や矛盾や葛藤、分裂・分断という “分断状況”が起きてきています。福島の中、避難した人達との間。福島以外でも、生産者と消費者、若い世代とそれ以外、権威ある専門家(学会・機関)と一般市民、科学者間での論争、市民の間でも宗教論争に似たやり取り。仮処理地・中間処理地選定問題やがれき問題で現れてきている軋轢・対立の図式。原発再稼働をめぐる地元とそれ以外の反応の違い。などの多種多様な“分断状況”がたくさんあります。私は、こうした困難な状況において、判断に迷ったり、壁にぶち当たったりした時、絶えず、「ことの根本」に立ち返るように努めています。それは、放射線被害の総体とそのピラミッド構造を見ることです。「ことの根本」=放射能被害論に立ち返る。そのことによって、私達の、生命・生活・環境を守る方向が、再び鮮明に見えてくるからです。放射能被害論に立ち返るということは、被害者の視点、市民の目、被害者の目線で見ることです。広島・長崎の被爆者たちが歩んできた困難な道に思いを寄せ、同じく、水俣、大気汚染公害等の公害病患者たちの歩んできた困難な道に思いを寄せることです。そうであるならば、ICRP等の役割もはっきりと認識できるし、その基準を採用する意味も自明のものとなってきます。

 日本の政府、学会、産業界、マスコミもすべて、福島原発事故以前に行ってきた原子力開発推進への反省なしに、誰一人として責任を取らず、従前のやり方を押し通そうとしてきています。ICRP等のデータを重用し、安全・安心論を振りまいています。その言い方は、明らかに父権主義的であり、上から目線からです。政府や既存の多くの学者・専門家たちは、未だに安全・安心キャンペーンをやっています。国は、「放射能よりもストレスのほうが身体に悪い」というメッセージを大々的に発しています。(特に文部科学省が)子どもにストレスをかけないために、大人が感じてはいけないと、放射能の不安を感じること自体が禁じられているように、特に福島では、学校で子どもをストレスから守ろうというスローガンの下、安全、安心がさけばれすぎているようです。子どもたちは、この日本で、この先何十年も生きていかなければなりません。私達大人以上に、放射能の危険性と防護の方法をよく知り、生きていく力を身に付けていってもらいたいのです。子どもたちには、今回の事故を通して、自分で考える力、困難に立ち向かう力、問題を解決していく力、生きる力をつけてもらいたいのです。

放射能被害論に立ち、協同・協働する道を

 また、放射能被害論に立つならば、私達は、誰と一緒に行動すべきか、協同・協働すべきかがはっきりしてきます。自分だけで悩んでいるのでなく、「情報共有」「学習」「つながる」「交流」することによって、自分の立位置が分かる、自分を、自分の家族を守るのは、自分自身の判断基準を持つしかなくそれをより確かなものにできます。協同することによって、地域、自治体、などの周りを変えていくことができます。それが確信になります。一つ一つ、一人一人のつながりを大切にし、積み重ねていくこと。ネット、ツイッターだけでなく、直接、人と人が出会うことの大切さ、そうした”場“が必要です。生活と言葉をつなぐ、言葉を出せない人に言葉を出せる“場”を作る。「子どもの健康を守りたい」「環境を守りたい」ということから結びつき、ネットワークを組み、この深刻な事態へ前向きに対処していけます。

 どんなに時間がかかっても自分たちで横の連帯を広げて、世の中を、政治をそのしくみを、変えていくしかありません。その変化を実現するために、世代や考え方の違いをこえて、誰もが大切だと思う命を守るために、それぞれ自分のできることをしながら、みんなの力を強めていく努力の持続をしなければなりません。

 可能な限りの被曝からの防護を実現するには、汚染を知り、放射能を知り、放射能から身を守る方法を、みんなで語り合う必要があります。汚染を語り、被曝に対する不安を語れる環境を、“場”を、放射能防護に関する自己決定の尊重を、自己責任という意味ではなく、自己決定の大切さ、決して大事なことは、他人まかせにしない、ということです。

 ここ栗原では、昨年の3.11では、地震の被害は大きく、また、沿岸部や福島とも寸断されていました。まず、自分たちの周りを、当事者として事象をどう捉え、どう動けけるのか、原発事故、放射能の汚染の広がりを知ったのは、少し経ってからでした。自分の経験や判断のみに頼るのではなく、広く関わること。こうした冷静な判断が難しい非常時には、特に情報の間口を広げておくことが重要でした。私達は、すでに3年前から「ゆきとどいた教育を進める栗原市民の会」として「地域の子ども達の教育環境をよくしていこう」ということで活動していました。こうした意識や行動の目標を共有できる市民同士が、原発事故、放射能の汚染の栗原への広がりの事実を知る中で、調査や測定、マップ作りや学習会、見学会などを栗原母親連絡会と一緒になって行ってきました。栗原市に対する私達のスタンスは、①基本的に信頼する。②情報を共有する。③できるところから協働していく。というものです。そのため、私達は、栗原市への働きかけを重視し、すでに5次にわたる要望書を提出してきました。そうすることで、栗原市の放射能対策を前進させることができてきました。

最後に

 私達は、今、「放射線量高濃度地域で、子どもがいる家庭での除染などを急ごう」と呼びかけてきています。私は、この間、栗原市の市民への出前測定を補うような、子どもがいる家庭への市民出前測定を始めています。それを始めてみて、「子どもを持つ親が不安(ストレス)を持つこと自体も、放射能被害だ」というとらえ方をする必要があると思うようになってきました。

 原発事故によって受けた不安に対する慰謝料の請求がすでに多く出始めてきています。当然のことです。しかし、それは広島・長崎ではなかったことです。原爆被爆者には、未だに救済が限定的にしか行われず、国は新たな申請も打ち切ろうと幕引きをはかってきています。今回の福島原発事故では、当たり前のことですが、被害の捉え方は、広島・長崎のそれをすでに上回ってきています。国が放射能被害のピラミッドの上の方だけの、頂上だけの対策・救済で済ませようとしても、今回の福島原発事故では、それを許してはいけないし、すでに許さない状況が生まれきています。

 福島で、避難先で、全国各地で、市民や子どもたちを守り、生産者を守る連帯した様々な運動や、原発の再稼働に反対する運動が拡がってきています。それらが連帯した運動となって、もっと、全国各地で、それもそれぞれがネットワークを組みながら前進させ、大きな全国民的な運動、うねりにしていかなければなりません。そうすることによって、必ず、放射能被害を克服し、私達の、生命・生活・環境を守る方向が見えてきます。

 ここ栗原でも、思いを一つにした市民の横のつながりを強めていかなければなりません。もっと市民の間での協同の取り組みの輪を大きく広げていく必要があります。栗原市の団体,グループ,個人のみなさんに,「情報を共有し」「学習し」「つながり」「「交流する」場として,私達は、今、「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」の結成を呼びかけています。

<資料>

放射能被害のピラミッド構造(その1-原爆被爆者)

原爆症認定制度 

 認定には、原爆の放射線が原因で発病した(放射線起因性)、治療が必要な状態にある(要医療性)という2要件を満たす必要がある。

 認定者数は手帳所持者約25万人の1%未満にとどまっており、認定されない被爆者は、原爆症認定申請をしたにもかかわらず、厚生労働省から放射線が原因ではないとして原爆症の認定を却下されたことに対して、その却下処分の取り消しを求める裁判(原爆症認定訴訟)を起こしている。

 これにより、認定を求める被爆者の集団訴訟で相次ぎ敗訴した国は基準を緩和し、爆心地から約3.5キロ以内で被爆した人や、原爆投下後約100時間内に同約2キロ以内に入った人などの一定の条件で、がん、白血病、心筋梗塞(こうそく)、副甲状腺機能高進症、白内障 の5つの疾病にかかった場合は積極認定する新基準を導入している。(原爆症認定制度 マネー辞典09.12.22更新 )

 集団訴訟で原告勝訴が相次いだのは、爆発後一分以内の初期放射線被爆だけを認定の判断材料にし、放射線降下物や残留放射線などの外部ないし内部被ばくの影響をほとんど無視した改定前の認定基準が断罪され、この基準で切り捨てられてきた遠距離被爆者や入市被爆者、幅広い病気が原爆症と認められたからです。 しかし、未だに国は、この流れに逆行し、従来の審査方針に固執し続け幅広く認定するという姿勢を採っていません。2008年の改定、2009年の一部再改訂のもかかわらず、17700件を超える審査の内件認定件数は8,800人程度までしか到達していません。3.5%にすぎません。毎年多くの被曝者が亡くなっていく中では、認定被爆者の総数の増加は微々たるものでしかありません。このように国は、相変わらず被爆実態・被爆者の苦しみと正面から向き合おうとしていません。被爆者はこのままでは集団訴訟を終わらせることはできない状況です。残された時間との勝負となってきています。(最近の6月25日の「被爆体験者」訴訟の長崎地裁判決では、原告側が敗訴し、福岡高裁へ控訴へ)

 このように原爆被爆者約25万人のうち、戦後から最近までは、その1%だけ、相次ぐ原爆症認定訴訟敗訴によっても3.5%までしか国は認定してきていません。こうして、国が被害補償をしているのは、氷山の一角、原爆被爆―放射能被害のピラミッド構造の、その一番上だけなのです。

放射能被害のピラミッド構造(その2-環境被害)

「環境ストック概念を用いた公害地域再生の理論的検討」
-持続可能な地域発展に向けてー清水万由子(京都大学大学院気球環境学舎) 2008 
の P8の「図1環境被害のピラミッド構造」を援用してみます。 (作成は、佐藤 茂雄)

0262放射能ピラミッド


                    

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市民出前測定を始めてみて、見えてきたこと。

<原発・環境・エネルギー問題>            2012.6.29

市民出前測定を始めてみて、見えてきたこと。
             
放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク(準備会)放射能測定チーム           

この間の経過について

 ちょうど1か月前の5月29日に「放射線量高濃度地域で、子どもがいる家庭での除染などを急ごう!!」<栗原市では出前測定調査をしています。ネットワーク(準)の放射能測定チームでも事前測定や相談に応じます。>という記事を書きました。私のブログを見た岩ケ崎のAさんより「栗駒球場の値が高いのに驚きました。近くに住むものですが、小さな子どもがいます。心配なので放射能を測ってもらえませんか?」という依頼が来て、5月15日に市民出前測定を始めたのが事の始まりでした。その結果にもとづいて書いたのがこの5月29日の記事でした。その後、その近くの方などの依頼も来ていたのですが、その日程を調整中の6月5日、この記事を見た「栗原市のBさん」からメールが届きました。

「昨年度、市の出前測定で、自宅付近を測定してもらい、雨樋1カ所が、0.88μSv出て、子どもが、もうすぐ歩くようになるので、不安もあります。危険と思われる場所を見つける測定をお願いします。」という内容でした。そこで、そちらの要望を先に応えることにしました。その同時期に岩波のブックレット「避難する権利、それぞれの選択」が出ましたので、このこととは全く関係ない意識で6月6日にすぐ注文しました。6月7日になって初めて「栗原市のBさん」の住所が「若柳畑岡」であることが分かりました。ここは栗原市内でも比較的放射線量が低いと思われる地区です。それでも0.88出て、子どもがもうじきその近くを歩くのならば市民出前測定しないわけにはなりません。

事前の連絡などから、Bさんが現在住まわれている若柳畑岡は実家であり、昨年のこの頃、嫁ぎ先の鶯沢で出産したとのこと。その後、そこが高濃度汚染地区だと分かり、同じ市内の比較的低濃度の地区の若柳畑岡の実家に戻られているという事情が分かりました。6月14日(木)の午後に市民出前測定を行い、その結果は、岩ケ崎のAさんの<公開ファイル NO.1>と同様に<公開ファイル NO.2>として記しました。

ただ、この若柳畑岡のBさんのケースを報告する前にブックレットと同じタイトルになりますが、「避難する権利、それぞれの選択」について、私の考えを述べないわけにはなりません。

「避難する権利、それぞれの選択」をどう考えるか 

「放射線量高濃度地域からの避難」というと、まず、あの話題の政治家小沢一郎氏とその秘書の福島原発事故直後の地元奥州市(栗原市からも近く同じ放射性物質重点調査地域になっている)からの逃亡があります。彼らにも「避難する権利」はあるかとは思いますが、政治家としては、失格です。福島県から、それも一律ではないわけですが、同じ県内にととまらず、全国への避難が母子を中心に大規模に行われていることは既によく知られていることです。私は、福島の広範囲で、放射線量が比較的に高ければ勿論「避難する権利」があり、事情が許すならば、出来るだけ避難すべきだと思います。またそのための条件整備をもっと進めて、母子だけでなく、あらゆる人たちが避難するかどうかの選択をスムーズにできるようにすべきだと思っています。つまり、避難だけでなくそこのとどまる論理もあるわけでしょうから、要は、そのそれぞれの選択が自由に行われるようにすべきだと思います。

このブックレットで言っている「一定の線量以上の放射線被曝が予想される地域の住民には,「避難する権利」が認められるべきである」には全く同感です。「そうした地域の住民が行動を選択するために必要な情報を受ける権利が認められること,そして避難を選択した場合には必要な経済的,社会的支援を受ける権利が認められることを意味」することも異存はありません。しかし、このブックレットを書いている法律家の方が考えるのとは少し違う見方もしています。私は、つまり、「必要な経済的,社会的支援を受ける権利」があるかどうかを挙げることはよいのですが、そのことによって「一定の線量以上の放射線被曝が予想される地域の住民」の限定が狭く行われることを危惧するのです。

その地域は、海外の人から見れば日本全体かも知れませんし、日本の中にもそのように考え海外へ避難された方もいます。私個人としては、その地域は、北海道を除く東日本全体と考えたいと思っています。そこにあえて「必要な経済的,社会的支援を受ける権利」があってもなくてもよいのではと思っています。勿論、それが絶対になければならないという地域(福島県の多くの地域と宮城県南部など)があることも確かですが…
 
さて、それでは、ここ栗原市では具体的にどう考えたらよいのでしょう。栗原市の面積は広く宮城県内では最大です。放射線量に関してもその北西部が高く、東南部が低く、中間がその真ん中程度とグラデーションになっています。私自身は、築館黒瀬というその中間の部分の地区に住んでいます。岩ケ崎のAさんが北西部の高濃度(除染計画地区)地域で、若柳畑岡のBさんは東南部の低濃度地域です。放射線管理区域と同程度(4万ベクレル/㎥)のセシウムが地表に沈着しているのはすべて北西部です。そこからどの程度の人たちが避難しているか、私は把握していません。多くの友人、知人、それに少しですが親せきもいます。その家族、子ども孫を含めて避難の動きを感じていません。しかし、それは、私が感じていないだけなのです。鶯沢→若柳畑岡のBさんや子どもを持つ若い人たちと接触が多くなるにつれ、そこから出たくても出られない家族がいることも分かりました。そして、やはりその周りでは、既に出ていった方もいるようです。

一部の学者の言うようにそこから「すぐに避難すべきだ」とは、私は言えません。どちらかと言えば、やはり今の心情は、いろいろな対策、工夫をして、残れたら残って欲しいと思う気持ちの方が強いのです。実家が同じ栗原市の中の低濃度地域にあるBさんの場合は、次善の対策として極めて賢明だと思われました。つまり、ここ栗原市ではどうしたらという問いには、現時点では、私には、明瞭な答えが無い、出ないのです。この答えのない問いに,これから否応なしに向き合うことを余儀なくされてくことを覚悟しています。
                                                
      

まず今回初めて市民出前測定を行った若柳畑岡 Bさん の場合 <公開ファイル> NO. 2 を、続いて、前回、最初に市民出前測定を行った 栗駒岩ケ崎のAさん の場合 <公開ファイル> NO. 1の(追加)-栗原市の出前測定に立ち会って の報告をします。

6月28日には、この2つの<公開ファイル>(その時点では準公開ファイル)を栗原市の危機管理室に報告しながら、対策を相談してきました。それを踏まえての2つのこの<公開ファイル>(一つは追加)となっています。


                                                  
<公開ファイル>    NO. 2   2012.6.28作成

若柳畑岡 Bさん 

<状況と経過>

 主婦、もうじき1歳になる子どもがいる。昨年、嫁ぎ先の鶯沢で出産。放射能汚染の影響を心配して、その後実家(若柳畑岡)で生活。昨年11月に市の出前測定を頼んだが、雨どい下で0.88μ㏜/hの高濃度を検出。(芝生は、0.15)その際、市の担当者より「大したことはありませんよ」と言われてしまったとのことでした。このことを、確か私にメールをしてきたのが始まりでした。それが、公開ファイルNO.1の発表後の6月初め、再び連絡が入りました。「子どもが、もうすぐ歩くようになるので、不安もあります。測定をして、危険と思われる場所を見つけていただくと助かります。」という内容でした。また、畑もあるようで、土壌検査の問い合わせもありました。そこで、私の方から連絡を入れ、6月14日午後2時に訪問して測定する約束をしました。場所等も分からず、よければ6月9日のプレ6月例会に参加してもらい、詳しい場所を教えて下さいと誘いました。当日少し遅れてですが参加していただき、他の同じような事情を抱えた若い人たちとの情報交換や、交流なども少しできたと思います。

<当日

 6月14日(木)の午後2時、天気は曇り。若柳中学校からかなりの距離を南下した彼女の実家を訪ねました。最初に空気清浄器の入っていた居間で、見取り図を描いてもらい、打ち合わせをしました。「測定している間、子どもは、母が2階で面倒を見ています。」とのことでした。子どもは、この居間と隣の座敷が主に居る場所だそうでした。(歩けるようになれば、家の周りにも)建物は、鉄骨プレハブで、密封性も高いと思われました。最初に、屋内、次に外を一回り測り、畑も、問題の雨どい下も測り、最後にもう一度、屋内を空気清浄器をオフにして測定しました。私のロシア製の測定器の欠点は、この時点ではまだはっきりと自覚していませんでしたが、(6月19日のNO.1の出前測定に立ち会って分かってきた)この時点でも、どうもいつもと様子が違う感じがしていました。一部を除いて、この家では比較的に放射線量はそれほど、高くありません。そこで、彼女が持っていたエステーエアーカウンターSでも測ってもらうことにしました。(第4回の栗駒総合運動公園の自主測定でも、私の組は、相方にこの機器を使ってもらい補助をしてもらいました。)

<測定結果>

①庭 0.19 0.18(50㎝) 0.16(1m)        ⑧奥のカーポート横 0.15
②芝生 0.19                    ⑨カーポートの下 0.15
③草土を削った残土の塊 0.27            ⑩手前のカーポート(雨どい下)0.80 0.14(1m)
④コンクリート上 0.13               ⑪入口近く石の間 0.3
⑤畑 0.17                     ⑫居間 0.12 0.12 0.18 (空気清浄器オン)
⑥裏入口(コケ変色水溜り) 0.4 0.11(1m6/18) 0.11 0.11 0.16(オフ)
⑦家の裏 0.2 ⑬座敷 0.14 0.12 0.16 

<評価>

 ①は、外の平均的な濃度。⑤畑もこれが平均。③は、早めに処分の必要アリ(子どもが触らないように)⑥も1㎡ほど削る必要アリ(これも子どもが歩き出して触らないように)⑩が問題の場所で広さはこれも1㎡ほど。ここは家の前面で子どもが歩き出せば常に行ってしまいそうな場所です。除染基準が0.23だとか、1mでとか、いろいろと国からお金を持ってくるには制約はありますが、それが安全基準なわけではありません。大甘な「がまん基準」すぎません。子どもの安全を第一に考えるなら、市単独なり(後で東電に請求を)、自力でも処理を行う必要があります。技術的なこともあり処理方法については危機管理室と相談したいと思います。

⑧と⑩の違いは、カーポートの屋根の材質の違い(⑧は、つるつるでセシウムがもうあまり沈着していないと思われ、⑩は、凸凹があること。)と、雨の落ち方の違い(⑧は、横に一列に落ちてくる。⑩は、その一点に屋根から全て集中して落ちてくる)にあります。このことは、若柳畑岡地区のように、一般的に栗原市内で落ちた放射線量が比較的に少なめな所でさえ、それが集中するとやはりマイクロホットスポットになってしまう、ということを証明しています。

<私の反省>

 実際に依頼者の家を訪問して調べるまで、この若柳畑岡地区は、自分の作成したマップでは、低濃度地帯とした所でしたので、私も、この市の出前測定の担当者のように「大したことはありませんよ」と先入観を、少し持っていました。しかし、訪問すると決めた時点より、この放射能問題では、あらゆる先入観を持つことは止めようと決めていましたので、まず、何よりも放射能被害の事実の把握をすることを優先しました。それも、国の基準は、放射能被害のほんの一部、放射能被害のピラミッド構造の頂点のみしか、対象としていません。私は、「子どもを持つ親が不安(ストレス)を持つこと自体も、放射能被害だ」というとらえ方をする必要があると思うようになってきました。その人によって感じ方、思い、状況が違う。まず、被害を感じている人の気持ちを受容する、それに寄り添うことから始めるべきだと思うようになってきました。案外、そうすると、そこにも根拠があったりし、新しい発見もします。自分の判断基準や考えを修正せざるを得なくなることも多く出てきます。今回も、やはりそうでした。低濃度地帯でもマイクロホットスポットが出てきてしまうのだと分かりました。それに、その家に行って、もうじき歩きそうな、その小さな子どもを見ていると、その子の親の具体的な心配事が分かってくるのです。いい勉強になりました。

<その後は、…>

 6月28日に、市の危機管理室行って、相談してきました。危機管理室長も、この0.88μ㏜/hは、「大したことはありません」としたことは、間違いだと認識しました。このような比較的放射線量が低い市内でも、マイクロホットスポットが出現してしまうメカニズムも分かってもらえました。依頼者のBさんにも、このマイクロホットスポット出現のメカニズムを理解してもらうことでそれへの対処や注意を本人が考えられて、少しは安心に繋がっていったと伝えました。

除染について、優先順位としては、市としては除染対象地区からであること。それでも、いずれ、除染対象地区以外の地区の民家も対象にせざるを得なく、検討をしていくとしていました。

このあたりの回答をしてくることは、私の予想通りでしたので、そこで、自力での除染方法の相談をしました。③と⑥は、きちんと防備をした上で、その部分を取り除き、厚手のビニール袋に入れて、敷地内に穴を掘って一時的に埋めて置く。⑩は、その上からの処置(コンクリートをかぶせるとか)を考えては、ということでした。

あと、最近、このBさんより、網戸などの掃除の相談を受けていることも相談し、私が提案した「高圧洗浄機を使わず、網戸、サッシなどを、普通に丁寧に汚れをふき取るような掃除の徹底で良い」「汚染物は燃えるゴミに出して」という方法で構わないとの見解を伺いました。

ここでも、最後にもうじき歩き出す子どもの話をしてきました。親にとっては、(ジジババもですが)その子のことが一番心配なのです。その子ども動線を考えて危険なところを取り除きたいのです。と伝えました。国の基準がどうであるとか、お金が出る、出ないとかの問題ではないのです。
                                                
             

<公開フャイル>  NO.1(追加)    6月28日作成


6月19日(火)栗駒岩ケ崎のAさん宅の栗原市の出前測定に立ち会う。         
6月初めに申し込んでいた出前測定が19日9時からということになりました。既にその前に私が危機管理室に立ち会うこと通告しておきました。1ヶ月前に測ったのは雨の中であり、記録もおおよそになってしまい、きちんと取れませんでした。この日は曇でした。前回の場所などの確認を少し早めに行っておこなうことにしました。

午前8時半到着。前回の場所を急いで思い出そうとして探しましたが、一部草地で地表0.6μ㏜/hの部分が上手く見つかりませんでした。そのうち、男女2人のペアで市から測定者が来ました。私の名刺を渡し、立ち会うことを了解してもらいました。5カ所の測定を9時15分~35分と結構短い時間で行いました。

①庭 0.262 0.246 0.197 (この家の平均的な場所として)
②家の裏(軒下) 1.485 0.438 0.268 (ここから排水口まで約10m一直線に)
③子供部屋(中央) 0.094 0.096 0.105 
④家の前(軒下) 0.687 0.096 0.174 
⑤灰の上 0.257 0.240 0.259 

 市のサーベイメーター(携帯用放射線測定器)の横に私のロシア製SOEKS-01Mガイガーカウンターの測定器を並べて測定しました。だいたい同じ傾向を示しましたが、0.1~0.3辺りでは、ロシア製は少し高めに出るようです。ところが、0.4~1超ではほとんど変わりません。前に地表×0.95 50㎝・1m×0.75という補修係数を出しましたが、その時のだいたいの地表が確か0.4以上で、50㎝・1mが0.3以下でした。ですから、高さで違ったのではなく、高濃度で整合性が高く、低濃度ではそれが少し低くなる(だから5回測定の平均値を)という特徴があります。

 この出前測定で問題とされたのは、②です。それもかなりの範囲であることを理解されたようでした。ここは、危機管理室に連絡して対応を相談するようにとの指示を受けました。

 ①も確かに平均的なのでしょうが、少しズラせば、1mで0.23以上になることは明らかです。庭の1点だけならこうした数値にもなります。④もポイントは抑えておいたのですが、高くなって数値が下がりました。これももう少し周りまで測定すれば高さでの低減がこれほどでもない所がある筈です。⑤に関しても、ここも問題視すべき数値ですが、1ヶ月前はもっと高く、その周りでも高いところがありました。③に関しては、この結果には少し安心しました。前に部屋の中でも0.23辺りが出たので心配していましたが、今回は私のロシア製でも少しこれよりは高めでしたが、比較的に低く出ました。

今回、ロシア製で0.23辺りを測定するのは少しキツイことが思い知らされました。しかし、市の出前測定の5カ所だけでは絶対に不十分だとも分かりました。

前回、私が測定に来た時、依頼者の彼の話を聞いていて、この放射能汚染がどのようにして来たのか、どんなことに注意したらよいかなどの基礎知識が少し不足しているように感じました。そこで、この日の出前測定後に23分間のDVD「放射線内部被曝から子どもを守るために」をできれば家族と一緒に見て欲しいと前日に連絡しておきました。彼と奥さんと途中からは、お母さんも加わって見てもらいました。私が説明するより(画面を見ながら補足はしますが)やはり随分と説得力がありました。家族が日常的に食べているものも聞きました。栗原市や加美町などの持ち込み食物検査の結果から分かってきた、避けるべき地場の食物を提示しました。子どもは、出来る限り5㏃以下(できればゼロを)大人でもとくに若い人たち(+免疫力が低下している人も)は低目にし、全体でも10㏃以下が望ましいと伝えました。2品目まで持ち込みの食物検査ができるので活用するよう勧めました。お母さんは早速、梅(梅干しを作る前に)をやってみようと言っていました。周りの人たちで手分けすればだいたいのものは分かる筈だと伝えました。結果が出たら、教えて下さいとお願しました。こうしてDVDを見た後に、少し皆さんといろいろ懇談をしました。

また、資料としてプレ6月例会の資料(300円)を買ってもらいました。また、最近出たばかりの柏市の市民向けの除染手引き「子どもと未来のために」(ダウンロードしたもの)を見せて、ネットで見て参考にするよう勧めました。終了したのは、10時半を過ぎていました。(全部で約2時間です。)

<残った課題>

6月28日、市の危機管理室に出かけて行って、②の対策だけでなく、この家の除染全体をどうすべきか、今回の出前測定だけでは不十分であることを危機管理室長に指摘してきました。

出前測定から次の段階へ―子どもがいる家庭(民有地)の具体的な除染へと進み始めるべき段階に来ています。それを前提とした事前の放射線量計測をもっときちんとやって、除染作業範囲と作業方法等に検討し、除染作業計画の作成へと進めることが必要です。その後、除染作業・事後計測の実施と続きます。さらに、除染以外の土壌検査・農作物検査が必要な家庭もあり、食生活や、健康調査などについても相談を受け、市が指導する必要があることも伝えました。

市では、ここは除染対象地区であるため、民家での除染もこれから実施して行く。その際には私の指摘したような方向になること。(「さらに、…」以降は?)全面的な除染はそれで良いだろうが、早目に対処したいならば、自力で②の処理をしてもらうしかない。(きちんと防備して、その部分を取り除き、厚手のビニール袋に入れて、敷地内に穴を掘って一時的に埋めて置くようにとのことでした。)さらにそれを持っていく場所の確保の問題は、地域での話し合いでされるようにしていきたい。こうした内容の話をしてきました。

私は、2度にわたってこの家の測定(自主測定と市の出前測定)に関わりました。そこで、ここの小さな子どもが動き回る様子も伝えて、高濃度汚染地区の子どもがいる家庭での除染を急ぐように強調して要望しました。

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「放射線 リスクを分けて考えよう」に異論。

<原発・環境・エネルギー問題>   2012.6.28

「放射線 リスクを分けて考えよう」(6月26日朝日新聞 記者有論 編集委員 高橋 真理子)に異論。 

 この記者が教えられたという、中西準子さん自体も今、「中西さんによる原発のリスク評価は見当はずれ」として批判されています。記者は、一見、公平な立場でリスク論を展開しているように見えてしまいますが、果たしている役割は違うのではないだろうか。

 中間がICRPでもないし、そこの基準が妥当な基準ととても言えるものではないのではないか。確かにERRCの見方は、厳しいとは思うが…それらが果たしてきた歴史的な役割を見るべきではないだろうか、同様にWHOにしろIAEAにしろ、そこの基準など持ってくる前にその役割(これまでにしてきたこと=歴史)をきちんと見ないと公平でもなんでもないと思います。

 日本の政府、学会、産業界、マスコミもすべて、福島原発事故以前に行ってきたことへの反省なしにあれこれ言っています。まず何を差し置いても、最初に、全面的に原子力開発推進の反省を、責任を取るべきです。それからその反省の上に立って、発言すべきです。そうでなければ発言権はないと思います。

 記者は、公平を装って無反省な彼らを堂々と登場させています。この記者は4月17日にも「女性と放射線 心配しすぎる必要はない」という記事を書いています。ここでもICRPのデータを重用し、安心論を振りまいている。その言い方は、明らかな父権主義(女性であっても)、上から目線です。

 ICRPのデータのみを強調することがどのような意味を持っているのか分かっているのだろうか。表題の「心配しすぎる必要はない」と言えばその通りだが、その前に心配する若い女性たちの気持ちに寄り添っているのだろうか疑問です。彼女たちが心配するのは当然だし、その心配を克服していくには、一方的なデータの提示や、父権主義的、上から目線の言い方ではない筈です。

 これでは、政府や既存の多くの学者・専門家たちがやってきている安心・安全キャンペーンと少しも違いがありません。また、彼女が所属する朝日新聞自体が同様の傾向を持っていることは、言を俟ちません。

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6.9プレ6月例会の反省をします。

<原発・環境・エナルギー問題>          2012.6.13

6月9日のプレ6月例会ー「情報共有」「学習」「つながり」「交流」の広場―の反省をします。

 6.3小出氏講演で200部ほどチラシをまき、その前にもポスターやチラシを持って手分けしてお誘いの案内をしてきました。手ごたえもあったのですが、しかし残念ながら思ったほど多くの方々がまだ参加してきていません。日時の設定(第2土曜の午前)や、まだ本番(「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」7月29日発足)でないということもありますが、6.9プレ6月例会の成果と反省点をまとめ、その到達点を確認し、7.29のネットワーク発足に向けて(その前に7月14日にプレ7月例会があります。)何をしなければならないか整理したいと思います。

① 6.9プレ6月例会の成果―「情報共有」「学習」「つながり」「交流」の芽が生まれてきています。

 この間、栗駒の2施設の測定と緊急申し入れと市の対応、6.4の市長への要請と反応など極めてタイムリーな取り組みをしてきています。食品の持ち込み検査が市民の注目を集め、子どもを持つ若い親たちの関心事も、食べ物からの内部被曝になっている現状での6.9プレ6月例会の内容は決して外れていない、むしろこれもタイムリーなものの筈です。現に、若い人たちの参加が、6.4の市長への要請だけでなく、この例会でもポチポチと出てきました。そして彼らの情報交換、(共有)にもなり、世代の違う私達とも交流、つながり、ができてきています。ただ、それがまだまだ充分に拡がっていないということだけです。
この間の私達の運動は、市民が声を上げることがいかに重要であるか、これを「協同の力で」調査やとりまとめを行い、具体的な提案にして行政などに提起していく。それが行政なども動かして行っていること。そこにはしっかりと確信を持つ必要があります。

② 6.3小出氏講演―皆さん、「消費」はしましたが、まだ消化していません。

 やはりこれを主催した実行委員会の域「学習するだけ」を出ていません。私達との連携を拒否されたので仕方がありませんが、やはり独自に働きかけを強めて行くしかありません。講演を聞いて、さて、皆さん、自分の判断材料を持てたのかな?という点でも疑問があります。確かに小出氏の話を聞いて、「放射能の危険性は何となく分かった」「これからも大変そうだとも分かった」そのように消費はしました。でも明日から具体的にどうすればよいの?東電に測らせ、東電に汚染物を引き取らせる、ある程度のものはガマンして年輩者たちが責任を取って食べる?本当にそれができるのか?犯人を糾弾してスカッとしただけではないだろうか?これでは、具体策がなく現実味がないのです。きちんと彼の言ったことを消化して自分たちでその後の具体策を作っていくしかないのです。それで、「6.9プレ6月例会」のチラシを配ったのですが、まだ効果が出てきていません。

③ 自分を、自分の家族を守るのは、自分自身の判断基準を持つしかありません。

 自分が、何よりも自分の家族がこの放射能にまみれた世界で、それと向き合って、生きていくには、その自分が、また家族の中で最低1人は自分の頭で考える「独自の判断」、自分の判断基準をそれぞれが持つしかないのです。政府や専門家が判断するものでもないし、その他、誰か人がしてくれるものではないのです。

この「6.9プレ6月例会」で私自身が感じたことですが、「この会合に来た方々の動機は何だろうか?」ということです。それぞれ皆さん、個別の事情を抱えているのですが、「皆さんに共通するものは何だろうか?」と考えてみました。それは、多分このことかなと思いました。皆さん、第一義的には、誰か「大切な人を守るため」ではないか、と思いました。それは勿論、自分であっても構わないのですが、それよりももっと大切な人、「家族を守るため」に来ているのだな、と思いました。子どもであったり、孫であったりなどいろいろです。

汚染の比較的低い地域に住む方も、食べ物からの内部被曝の危険性もあるのですが、それにこの栗原では、誰かしら身内や知り合いが汚染の比較的高い地域に住んでいるという事情があるのです。どうも、自分と自分の家族だけでもなさそうなのです。自分一人や、自分の家族だけでない、もっと広く…そう、協同するのです。自分や自分の家族を核として、それを守るためにも、それをより実効あるものにしていくためには、協同するのです。人間の歴史はそれを物語っています。「情報共有」をし「学習」し「つながり」「交流」する、このように助け合っていくのです。自分たちの周りと、この栗原と、宮城で、東北で、日本で、そして世界へとつながっていくのです。そのように自分や家族などを守るためにも、この6.9プレ6月例会に来た皆さんは、つながり、協同しようとして来ていて、そこで自分自身の判断基準を持とうとしているのです。

④ 国の基準がいかに安全対策を怠り被害を拡大させるものかーがまだ理解されてきていません。「国は加害者である」のです。

 国は放射能被害の一部しか認めようとしません。様々な被害の歴史を見れば明らかです。原爆症、水俣、大気汚染公害などでも被害の総体―そのピラミッド構造を見ず、常にそのほんの一部である頂上部分のみの対策や補償でごまかそうとしてきたという歴史があります。今回も全く同様です。除染対策を地上1m(一部50㎝)で0.23μ㏜/毎時という内部被曝の考慮しない適当な線引きをしてきています。食品規制も緩めにする、後回しにする、など今後も、被害の拡大を招きかねないものです。国は東電とともに加害者であり、決して国民の命と健康を守ろうとはしていません。放射能被害の総体を、放射能被害のピラミッド構造をきちんと捉え、その加害者の責任を追及していきましょう。

⑤ 内部被曝の危険性の理解がまだまだ浸透していません。

 それにしても、この放射能被害の広がりー内部被曝の危険性の理解がまだまだ浸透していません。それでも、一年前に比べれば、理解はある程度、進んできてはいるのですが…何しろ日本は、被曝国でありながら、これほどまでに長年、原発推進を許してきてしまったのですから…そのために、この内部被曝の危険性の問題を、これまで政府も、学会も、マスコミも、一貫して、黙殺状態にしてきたのですから、大変です。でも、この「内部被曝の危険性の理解」が逆に、放射能被害をなくしていくこと、脱原発を実現していくこと、のカギであることは確かです。「放射線量に閾値なし」「低線量でも発がんなどのリスクがあり、ゼロベクレルこそ最善」の考えをどう浸透させられるか。現実には、完璧にそれができるわけでなく、どこまで、どの分野で、追求出来るか、などとなってきます。食品や、子ども達の屋外活動といった基本的なことの他にも応用問題として、「汚染土壌の保管場所」「がれきの処理」「汚染稲わら・牧草の処理」「野焼き、焼却、飛灰問題」などがあります。

6.9プレ6月例会では、改めて23分間のDVD「放射線内部被曝から子どもを守るために」を皆さんと一緒に見た(見るのは3回目)のですが、いいですね。23分と短めですが、要点をしっかりと押えています。これをもっと活用していかなければならないと思いました。

⑥ 岡山医師と是非、話をしましょう。

 岡山先生は、宮城県内の各地で、今、講演を精力的にしています。先生と双方向の対話をして、自分自身の判断基準を持ちましょう。この ⑤ の食品や、子ども達の屋外活動といった基本的問題、「汚染土壌の保管場所」「がれきの処理」「汚染稲わら・牧草の処理」「野焼き、焼却、飛灰問題」などの応用問題、これらすべてに一緒になって考えてくれるのが、内科医であり、専門家である、岡山先生です。プレ7月例会(7月14日)では、7月29日に岡山先生に話していただくことの事前の整理、事前の学習を行います。

⑦ 7.29「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」結成に向けてすべきことは、

 3.11以後に作り出された世界、福島からの避難、区域指定やその変更による分断。放射能汚染が拡がり、未だに収束が見えない中で、それをどう見るか、どう対処するかで、様々な所で、空白や矛盾や葛藤、分裂・分断という “分断状況”が起きてきています。福島の中、避難した人達との間。福島以外でも、生産者と消費者、若い世代とそれ以外、権威ある専門家(学会・機関)と一般市民、科学者間での論争、市民の間でも宗教論争に似たやり取り。仮処理地・中間処理地選定問題やがれき問題で現れてきている軋轢・対立の図式。原発再稼働をめぐる地元とそれ以外の反応の違い。などの多種多様な“分断状況”がたくさんあります。勿論このような否定的な“分断状況”一色ではありません。福島で、避難先で、全国各地で、市民や子どもたちを守ったり、生産者を守る連帯した様々な運動も、少なからず前進してきています。しかし、今、このような様々な分断を乗り越えていく後者のような連帯した運動を、もっと、全国各地で、それもそれぞれがネットワークを組みながら前進させ、大きな全国民的な運動、うねりにしていかなければなりません。
 この間、私達が心がけてきて、さらに今回、「放射能から子どもたちを守る栗原ネッットワーク」を結成しようとしていることの意味をその趣意書に次のように記しました。




「そのためには、思いを一つにした市民の横のつながりを強めていかなければなりません。もっと市民の間での協同の取り組みの輪を大きく広げていく必要があります。また、これまでの私達2団体の行政(栗原市)に対するスタンスは、①基本的に信頼する。②情報を共有する。③できるところから協働していく。というものでした。今後も、これを継続していくとともに、会の目的のためには、市民の間でも、この3つを、あらゆる世代にわたり、地域や分野の違いを超えて、生産者と消費者なども一緒になって、取り組んでいかなくてはなりません。そこで,栗原市の団体,グループ,個人のみなさんに,「情報を共有し」「学習し」「つながり」「「交流する」場として,「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」の結成を呼びかけます。」




お互いの認識を共有できるよう努力すること。丁寧に地道にみんなで考え、話し合いを続け、論理を積み重ね、お互いに納得し合い、合意形成をしていくことが求められています。ネットワークの目的を「栗原で,放射能から子どもたちを守るため,生産者も消費者も一体となった健康で安心な暮らしを取り戻す運動をすすめます。」としました。その目的達成のためには、相互信頼(―相手を信頼していく、相手に信頼されるようにする-)し、連携・連帯していくことが必要になってきます。そのように、お互いに、私達は、ここ栗原で、「しばらく長期の間続く放射能汚染の現実と正面から向き合い、自分自身や自分の家族を守り、市民や子どもたちを守るため、最大防御しながら生き続けていくのだ。」という覚悟を決めなければなりません。

 7.29「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」結成に向けて、一人一人とつながり、一つ一つのグループ、団体とのつながりが大切になってきます。丁寧に呼びかけ、誘って、確認していく必要があります。その際、DVDの活用、岡山先生の紹介なども大切だと思います。

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6.4 栗原市への要請と要望書(第5次)の提出の報告。

<原発・環境・エネルギー問題>        2012.6.7

6.4 栗原市への要請と要望書(第5次)の提出の報告。

6月4日、午前10時、栗原市役所に赴きで、栗原市長への要請と「栗原市における放射能対策を求める要望書(第5次)」の提出を行いました。要請は、教育をすすめる栗原市民の会(ジジ友)4人と栗原母親連絡会(ババ友)2人に新たに今回は初めて若いお母さん2人が要請に参加してくれ、計8人で行いました。栗原市側からは、市長、危機管理監、危機管理室長、教育部長などの出席でした。私達の一通りの要請・説明の後、それにこたえての市長の回答と若干の懇談後、途中退席しました。その後は、危機管理室長などから市側の取り組みの説明がされ、私達とのやり取りとなりました。

全体の進行を、市民の会の本田事務局長が担当し、内容を分担して説明をすることにしました。

① 冒頭の前文、今回の要請・要望書提出の主眼点と 1.「屋外での子どもたちの活動について」について、 (担当、市民の会―佐藤)

 今回の要望書では、一番の主眼点は、栗原市が「市民の命と健康を守る」ため「独自の判断」(除染基準を子どもたちのいる学校等施設では、50㎝でなく、地表で0.23μ㏜/hに)に踏み出すようにさせることでした。まえがきにもそのため、放射能被害の総体の把握、被害の構造―「放射能被害のピラミッド構造」(これは、新造語で、資料に解説を付けました。)をきちんと捉えることの必要性を説いていきました。
力を入れて臨んだ、市民の健康を第一に考えての「独自の判断」を、という点では、千葉県東葛地域の自治体―柏、流山、野田、松戸、白井が、国とは違って「独自の判断」をしている背景には、「国の基準自体が内部被曝の危険性を考慮したものでない不十分なものである」ことを把握しているためだと指摘しました。(野田市の広報を資料として提出)さらに、宮城県でも、角田市が最近「国の基準未満でも独自除染」へ踏み出したことも同じ事情であり、栗原市も是非、市民の健康を守る立場から「独自の判断」をする動きに同調することを切望しました。
また、この動きは、1970~80年代の公害・環境問題での地方自治体からの規制強化が、国の施策を変えていったことと、全く同じパターンであり、いずれ国の施策も変わらざるを得なくなると説得しました。
しかし、この点は、「できるだけ下げるようには、…」といいつつ、最後は、財政の問題の壁などを突き破ることができず、栗原市がそこまでするというところまで、残念ながら、現段階では持っていけませんでした。

 1.は、すでに5月15日に緊急に申し入れしたことであり、それに2つ追加したものです。すでに対策はある程度取られ始めていました。この6月4日を待たずに行ったことは大正解でした。しかし、プールの問題では基準値以下でも子どもたちにさせることを控えること、プールそれ自体だけでなくその周り、草地などのチェックの必要性など少し詰切らなかった点が残されました。

② 2、第2次の除染計画策定に入るにあたっての要請、(担当、市民の会―鈴木)

 民有地の出前測定については、ただ測定するだけでなく、取り上げた千葉県東葛地域の自治体のように(流山市の広報を資料として提出)、まず、子どもがいる家庭の除染から早く開始することを求めました。また、その説得材料として、私達が独自に行った民有地測定<公開ファイルNO.1>を示しました。そこから、測定調査―対策案(処方箋)づくりー除染などの実施、など一連の作業の必要性が見えてきたこと、その「除染など」には、除染にとどまらず食事指導、野菜と土壌測定、子どもの健康調査も、本来入れていかなければ健康を守ることは出来ない、千葉でも福島でもまだそこまでやっていないけれども、いずれ必ずその方向へと向かうこと、栗原でもすぐに出来なくともそのための準備を、今からしていくべきだと進言しました。
食べ物の測定はかなり進んできていますが、同時にその元になる土壌の測定がどうしても必要になって来ています。そのあたりはよく分かって来ているようでした。測定機器をさらに増やす手配をしているそうで、その部分で、土壌の市民からの持ち込み測定をする体制を作っていくような手ごたえは感じました。ただ肥料もとは、まだ詰めていません。塩化カリウム散布問題は、まだ問題提起の段階です。

③ 3、健康影響調査について(担当、母親連絡会―菅原)

 先日,鳥矢崎小、幼稚園の75人の子どもたちのホールボディカウンター検査が行われ数値が低く「健康に影響なし」と発表されました。この5分ほどの検査結果の示す数値はあくまで健康影響の一端にすぎず、それだけで「問題なしとまでは言えない」と指摘しました。
3月13日の第4次の要請の時に、私達は、独自に文字地区の子どもたち5人の尿検査を、「福島老朽原発を考える会」の協力でフランスで検査してもらっていると市に知らせておきました。今回その結果が分かりました。尿1㍑中3㏃未満と低めではあるのですが、それでも同じ地区の子ども(食生活に十分に気を付け、食材を九州などから取り寄せ)の尿を山形で検査した結果(0.29㏃の検出限界値)との比較では高かったのです。(詳細は、取材された河北新報の記事を最後に載せました。)
 この栗原市文字分の検査結果は、まだ新しいため入っていませんが、同様の千葉(柏)から岩手(盛岡)までの58件の集計された子ども達の尿検査報告書(「福島老朽原発を考える会」発行)を入手しました(それに栗原分を当てはめれば傾向が分かる)。その報告書では、隣の一関の子どもで、食生活に気を付ければ3か月で体内のセシウムを減らせた例(4.64㏃から1㏃以下に)が載せられていました。栗原市には、この報告書も提供しました。
 また、大崎市では医師会が甲状腺の勉強会をしたようで健康診断時に丁寧に診ていることを知らせ、放射線被害の影響を見る丁寧な健康診断の実施をするよう求めました。ホールボディカウンター検査の他にもこうした丁寧な健康診断の実施や、尿検査、血液検査なども組み合わせるなどして、より有効な健康影響調査を一緒に考えましょうと市に働きかけました。

 今回のホールボディカウンター検査の結果から「他地域からの要望が出るようなことがあれば、対応を…」と、少しトーンダウンして来ていた栗原市の健康影響調査に関しての取り組みに対して、こうした独自の子ども達の尿検査調査結果などを示すことによって、具体的な多面的な健康調査への取り組み必要性をアピールすることが出来ました。

 外部被曝の把握については、千葉県などでは、重点調査自治体でないところ(鎌ヶ谷市など)も含めて、個人線量計の配布が下進んできています。線量が高い地域では、すべての中学生以下の子どもと妊産婦にガラスバッジなどをと求めましたが、栗原市では、まだ検討にも入っていない様子でした。

④ 4、放射線リスクの開示と防護に関する教育の徹底について、(担当、母親連絡会―佐藤)

 この分野での市の取り組みが遅れてしまっていることの問題性を指摘しました。ピンポイント的には対応が行われているのですが、それが全体になっていないのです。学校教育、社会教育、その他の諸行事でも、多くの関係する部署で今までと同じ感覚で取り組みが行われています。例えば乳幼児健診などでも放射線の危険性について何ら注意を促していない状態が今も続いています。
 市民の意識が高まって来ている中で、対応している市職員の意識とのズレが生じてきています。ここは汚染地域であることを前提として、市職員が自分の頭で考え、あらゆることを想定し、全部組み替えていく必要があることを強調しました。
 千葉県柏市の既に昨年9月に出している教育委員会の保護者向けの「小・中学校の放射線対策」を資料として渡しました。ここでは、さらに相談員の配置、除染アドバイザーの増員など先進的な取り組みをしており、参考にして欲しいと提案しました。

⑤ 5、これらを進める市民総ぐるみの体制を確立すること 6、原発震災・防災計画の策定を行うこと。(担当、市民の会―岩谷)

 5、のために、私達2団体の両代表も入っている「環境放射線等対策くりはら市民会議」を早く再開することを求めました。
 また、市民一人一人の声と叡智も結集するには、「情報を共有し」「学習し」「つながり」「交流する」場の設定が重要であり、私達は、この7月29日に「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」を発足させること、その前にもプレ6月例会を6月9日に開くことを知らせました。

 福島第1原発は、前日に小出氏が講演の中でその危険性が継続していることを強調していました。女川原発も同じような危険性を抱えており、その再稼働には反対するよう、また、50㌔の「放射性ヨウ素防護地域」を高清水・瀬峰及び若柳畑岡地区にとどまらず栗原市全域にして、原発震災・防災計画の策定を行うことを求めました。

最後に、(担当、市民の会―鈴木) 

 市と市民との対話をもっと進めて欲しい、「安全」「安心」「大丈夫」という言葉を安易に使わないで欲しい、不検出などという結果だけを知らせるのではなく、その根拠を具体的な数値で示すように、公共施設などでも草地など線量の高いところには、数値と危険性のあることの掲示をお願いしたい。あらゆる所で、市民が分かるよう「見える化」を進めて欲しい。それをどう理解し、判断するかは個人に委ねるようにお願したいと思います。

要請と要望書の提出を終えて、

 多岐にわたる要望は、充分に伝えたつもりですが、まだまだ、すんなり私達の要望どおりにいくには、少し時間がかかりそうです。それでも危機管理室、教育委員会は、「関係各部署と調整・分担して回答する。」としていました。すぐに成果が表れなくともこうした要請を積み重ね、市との対話をして行けば、少しずつ前進していくものと確信しています。

 また、市の幹部自体も内部被曝に関しての見方がまだまだ甘いという印象を持ちました。残された課題は、準備不足もあって、飛灰・焼却問題、汚染稲わら・牧草の処理問題についても突込んだやり取りが全く行われていない(これも内部被曝に危険性をどう位置づけるかが関係してくる)ことです。その他にもまだまだたくさんの積み残しがあります。6月9日のプレ月例会、いよいよの「栗原ネットワーク」を発足で、そのあたりを引き続き相談していきたいと思っています。

 今回、初めて2人の二人の若いお母さんが参加してくれました。発言もして直接、市長にも声を伝えました。ジジババだけでなくこうした若い人たちが一緒になって動いてくれることは、お互いの確信になることでもあり、市民の運動の拡がりを示すこともできました。
                                                
           

子ども6人の尿検査 全員が3ベクレル未満 セシウム検査:栗原の団体公表
 2012年6月5日(火) 河北新報

 栗原市の市民団体「放射能からkどもを守る栗原ネットワーク」準備会(鈴木健三代表)は、4日、同市栗駒文字地区の子ども6人の尿に含まれる放射性セシウムの検査結果を明らかにした。いずれも尿1リットル中3ベクレル未満と低めだったが、食生活に気を付けた子供は検出限界値以下となった。
 検査したのは4歳の女児から12歳の男児で、6人のうち5人は2月に採尿。同準備会が仲介し市民団体「福島老朽原発を考える会」経由でフランスの検査機関に送った。残る1人(7歳男児)は1月に採尿し山形県の検査機関に送った。
 結果は1.69ベクレル、1.71ベクレル、1.85ベクレル、2.28ベクレル、2.49ベクレル。山形で調べた男児は検出限界値(0.29ベクレル)以下だった。
 準備会は食生活を尋ねると、最も高かった男児(9歳)は野菜好きで自家栽培の野菜を多く摂取していた。検出限界値以下の男児は昨年7月から、子ども分の食材だけ九州地方から取り寄せるなどの対応をしている。
 準備会は「子どもの分だけでも食生活に気を付ければ、体内のセシウムを減らすことは可能。品種によっても違うので、自家栽培の野菜などは市などで検査し、選択したらいいのでは」と話している。
                                                
            

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栗原市における放射能対策を求める要望書(第5次)

<原発・環境・エネルギー問題>         2012年6月5日

栗原市における放射能対策を求める要望書(第5次)を提出しました。

 6月4日午前10時に栗原市役所において「栗原市における放射能対策を求める要望書(第5次)」を提出しました。具体的な評価は次に回して、まずは要望書の内容から明かにしていきます。




2012年6月4日

栗原市長 佐藤 勇様
                放 射 能 か ら 子 ど も を 守 る 栗 原ネットワーク(準 備 会)
                 ゆきとどいた教育をすすめる栗原市民の会・代表 鈴木 健三
                 栗 原 母 親 連 絡 会 ・ 代表 佐藤 澄子

栗原市における放射能対策を求める要望書(第5次)

 栗原市は、この間、積極的な放射線量の測定・調査を行い、いち早く学校給食食材の放射能測定を実施し始めました。更に加えて、この4月からは、市民から持ちこもまれた多くの食品の放射線量分析とその公表を行い、子ども達の健康調査も実施しはじめ、先進的に、着実に対策を取ってきています。このことを、私達は、大変心強く思い、高く評価し、更なる前進を期待しています。

これまで私達は、4次にわたって栗原市に要望書を提出してきました。今回の要望書は、第5次になります。除染計画も第2次の策定・実施を前にして、前回の第4次の要望書をベースにしつつ、さらに5月15日緊急に申し入れしたことも再度含めたものになります。

そしてその各項目に入る前に、前回同様に栗原市の放射線対策において「子どもたちと妊産婦を放射能から守る」ことを最優先にしつつ、それに加えて、すべての大前提について、確認をしたいと思います。

 そもそも、今回の福島原発事故に起因する放射能汚染問題をどう捉え、位置づけるか、ということです。加害者は、国と東電、であり、被害者は、国民(市民)です。自治体も原発誘致などしていなければ市民と同じ被害者です。でもその被害は、国境を超え、全世界へ、人間界を超え、自然環境・全地球環境全体へ拡がっていっています。その被害の総体をどう見るのか、その被害の構造をどう捉えるのか、その放射能被害のピラミッド構造をきちんと捉えていくことが重要になってきます。そこから、① 被害を統治者(国)=(東電とともに加害者でもある)の都合の良い範囲に限定してしまう、その範囲で受忍せよとすることは、栗原市であれば、それは「統治」の役割(国の施策に服従せよと)を背負わされるだけになってしまいます。そうではなく、被害の総体を、構造をきちんと捉え、予防原則に従って、予測できることを独自の判断で行い、施策を実行すべきです。(費用は、原因者負担の原則によって国・東電に請求を)自治体が「市民の命と健康を守る」その前面に立つ、「自治」の役割を果たすべきです。

①を見るうえで、これまで被曝者の救済がどのように行われてきたか、日本において、あるいは、チェルノブイリなどでも世界で、被曝者など放射能の被害がどのように扱われてきたか、あるいは、水俣、大気汚染公害等その被害に対して国や加害企業がどのように対処してきたか、どう責任を取ってきたかを見れば明らかです。それに加担する多くの科学者、専門家、学会…(マスコミも)ICRPは、その存在からも基準の考えからも人間の健康を第一に考えているものでありません。内部被曝の影響を一貫して軽視・無視してきています。それは、「経済的・社会的要因(原発による発電の利益等)の両立を考えて限界値を設定」しているものです。このように放射線による犠牲の受忍を強いているものです。そのICRPさえ、「リスクは線量が低くても存在する」と言っているにもかかわらず、日本政府は、ICRPをさらに悪用して、「限界値以下なら安全です」という宣伝さえしています。健康を守るべき政府のすべきことではなく、低線量の晩発性の被害を加速させるようなことをしています。

今回の多くの自治体が決めた除染計画をなかなか承認しない背景にはこうしたことがあり、千葉県の東葛地方の自治体は、国の基準には、内部被曝の影響が考量されていないとして、独自の判断として除染基準を子どもたちのいる学校等施設では、50㎝でなく、地表で0.23μ?/hにしています。


具体的には、以下の事項の第5次の要望をします。ご検討いただき、1か月以内に、ご回答下さいますよう、お願いします。

                         記

 5月15日に提出した「屋外での子どもたちの活動について」(9項目)に2項目を加えた11項目を要望します。

① 除染実施計画区域の学校等施設、公園や公共施設の除染を夏休み終了前に完了させるよう急ぐこと。国の除染基準に適合しない箇所も国の承認待ちではなく、放射能から栗原の子どもたちを守るため、栗原市独自で強力に進めること。費用も、国からの予算が下りる前にでも立て替えてするか、下りなくとも東電に請求すること。

② 子どもたちの屋外、野外活動は、出来うる限り0.23マイクロシーベルト毎時以下の地区で行うようにすること。

③ 除染実施計画区域の栗駒総合運動公園の2施設などでの競技・大会は他区域に振り替えできるよう努めること。

④ 運動会などでの留意事項、体育・部活動等、屋外での活動の際の留意事項を定め、周知徹底すること。

⑤ 該当する学校等施設で砂塵を防ぐため、校庭などへの水まき、スプリンクラーの設置などを行うこと。

⑥ 学校などの管理者や関係者を対象とした放射能関連の勉強会を定期的に開催し、知識の向上を目指すこと。

⑦ 保護者、一般市民を対象にした放射能関連の勉強会などを定期的に開催し、知識の向上を目指すこと。

⑧ 学校等施設、公園や公共施設における「放射線量の数値の見える化」を行うこと。

⑨ 除染前の該当施設などについては、使用上の留意事項が分かるように掲示をすること。

⑩ プールの使用に際して、水の検査、プールの空間線量、周りの草地などの空間線量などきめ細かな測定を行うこと。プールの掃除は、0.23マイクロシーベルト毎時以上の所では勿論、以下の所でも出来るだけ子どもたちにはさせないよう配慮すること。

⑪ 夏休みの子どもたちの活動について、直接、学校等が関わらない活動・行事についても外部被曝を受けそうな事象の把握に努め、保護者等や子どもたちに注意喚起を行うこと。

2 第2次の除染計画策定に入るにあたっての要請をします。

① 除染の基準を狭い範囲に留めようとする国に合わせるのではなく、市民の命と健康を守る立場から予防原則に立って、予測できることを独自の判断で行うことを求めます。具体的には、子どもが生活する施設では、測定の高さが、50㎝ではなく、地表で、0.23μ?/hでの除染を求めます。

② 民有地は、現在、出前測定だけが行われています。ただ、測定するだけでなく、子どもがいる住宅の除染などを優先的に公費で行うよう求めます。また除染対象地域での、子どもがいる家庭では、住宅の除染にとどまらず、子どもの健康チェック、食事の注意、自家野菜の消費をしている場合は、野菜や土壌の測定等も併せて行い、各家庭において、有効な放射能防護策がとることができるよう求めます。

③ 積極的に市民へ情報の公開を行ない、情報の共有を進めて各地域の第2次の除染計画の策定を進めることを求めます。飛灰・焼却問題、汚染稲わら・牧草の処理問題には、丁寧な話し合いを積み重ね、対処していくことを求めます。

④ 米作での塩化カリウム散布に関しては、必ずしも十分な説明がなされたとはいえません。その後の経過、結果の十分な検証が求められます。また、畑地等の土壌調査、野菜などの測定を徹底し、マップを作るなど情報の共有化を図るよう求めます。

 放射線に対する感受性が強く、被曝の影響が深刻であるとして健康被害が懸念されている子どもたちや妊産婦の健康を守るため、健康影響調査を行うことを求めます。

① 一部行われ始めたホールボディカウンターによる内部被曝検査は、数値がしめすのはその一端にすぎません。さらに範囲を広げ、継続的に検査することを求めます。加えて、放射線被害の影響を見る丁寧な健康診断の実施や、尿検査、血液検査なども組み合わせて、より有効な健康影響調査を継続的に行うことを求めます。

② 同時に、線量が高い地域では、すべての中学生以下の子どもと妊産婦にガラスバッジなどをを公費で配布し、個々の外部被曝を自分で見て把握・判断できるように可視化することを求めます。

4 放射線リスクの開示と防護に関する教育の徹底を求めます。

 これは、「教養・広報対策」ということで、既に要望を幾度もしてきているところです。第4次でも次のように要望しました。




市内の測定・調査や除染計画の具体化、実施には市民の協力が欠かせません。それには、市民が汚染状況をもっとよく知ること必要です。広報とホームページなどで知らされていますが、まだまだよく周知されていません。基礎知識の普及や更なる「汚染情報の見える化」などをすること。
 「放射線汚染の危険度の高い食べ物など内部被曝を減らすための食の知識」、「各家庭での食品の取り方・工夫の仕方」、「特に妊産婦が気を付けること、小さな子どもを持つ親が気を付けること」、「高濃度地域での屋外活動などをする場合の外部被曝への注意」などを、市の職員や保健師・教職員・保育士など学校・幼稚園・保育園関係者が、広く市民に周知できるようにすること。また生産者に対する啓蒙も、JAなどと協力して強化することが必要です。
 地域住民が自主的に除染を行う場合の放射能の基礎知識と除染方法、防御上の注意点、資材の提供、汚染土の処理、その費用の負担問題(是非、公費で)などについての情報を手引書などで提供すること。」

啓蒙活動をしていく上で押えていただきたい項目は、

・放射能による健康被害には、「これ以下の被曝量なら安全」という「しきい値」は存在しないというのが科学的知見であり、「外部被曝も、内部被爆も、少なければ少ないほどよい」という予防原則に立った対策が必要であること。

・放射能に汚染された飲食品を摂取すると放射性物質が体内に取り込まれ、それが体内で放射線を出し、遺伝子を損傷し、将来におけるがん発症など内部被曝の危険性があるということ。

・特に子どもは、放射能の影響を受けやすく、リスクが高いこと。未来をになう子どもと胎児(妊産婦)は絶対に守っていかなければならないこと。 などです。




 しかし、残念ながら、この点がこの間、非常に遅れたままだあると言わざるを得ません。この3,4月ごろより市民の放射線被害に対する意識は、それ以前と明らかに違ってきています。そのため、市民と日常的に接している市職員の間に放射線被害に対する意識の温度差が生じてきています。この問題の根本には、そもそも、国や多くの権威ある専門家・学会、それに当初のマスコミも含め、実態と異なる根拠の無い「安全神話」を振り撒いきた、あるいはいまだに振り撒いていることがあります。

 現状は安全ではないのであって、それを十分に市民が知らせることが緊要です。市行政の職員一人一人が、市民を守るために、危機感を持って業務にあたっていただくことを求めます。「教養・広報対策」として進める放射線防護に関する正確な知識の普及を、まずは、教育・医療・行政の現場で徹底し、さらに市民一般に拡げるよう求めます。

5 これらを進める市民総ぐるみの体制を確立することでは、 各地域・地区や各種団体・業種の取り組みに加え、それらを横につなげる「環境放射線等対策くりはら市民会議」の取り組みは重要です。その早期再開と、活発に活動展開していくこと求めます。更に、これらに網羅されない市民一人一人の声と叡智も結集しながら「情報を共有し」「学習し」「つながり」「交流する」場の設定が重要になってきます。栗原市としても、こうした市民の自主的な動きに対して、積極的に協力していくよう求めます。

6 原発震災・防災計画の策定を行うこと。

 女川原発問題では、福島原発事故と紙一重だった女川原発の再稼働については、反対するよう求めます。「放射性ヨウ素防護地域」を高清水・瀬峰及び若柳畑岡地区にとどまらず栗原市全域に独自にすること。福島原発が再び危険状態になること、女川原発での事故も想定した原発震災・防災計画の策定を行うことを求めます。

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盛況だった栗原での「小出裕章講演会」―でも、いろいろと…

<原発・環境・エネルギー問題>     2012.6.5 (6.6一部加筆)

盛況だった栗原での「小出裕章講演会」―でも、いろいろと…

この間の経過や私の感想も少し述べます。

―「知っておきたいホントの放射能のこと、こどもたちにつなぐ命 」―
「震災原発事故をまるでなかったことのようにして」そんな錯覚があふれる今 ニュースでは教えてくれない、原発のこと。賛成、反対、その前にちょっと勉強しませんか? 食のこと農のこと、環境のこと命のこと なによりも「子」や「孫」のために

 こんな案内で、震災で使えなくなっていた栗原文化会館がこの4月より使えるようになっての最初の大きなイベントとして、栗原市民講座実行委員会というところが主催して「小出裕章講演会」が6月4日に開催されました。空き席がほとんどない位ですから900人以上の参加があったと思います。

 昨年からの経過

小出裕章氏に関しては、著名な彼と私達は接点が全くなく、京都から来ていた新谷君より接点を持てるとの申し出があって、小出裕章氏講演会の検討を一度はしましたが、いろいろ躊躇し、断ち切れになっていました。それでも昨年末より、森の映画社・影山事務所制作の小出裕章氏関連のDVDを何本も購入し、その中で特に講演記録「被曝の時代」を中心に普及も行ってきました。2月19日には、「原発震災DVD上映会」を開催し、この講演記録と今中氏、中手氏のものの計3本の一挙上映を行いました。

そうしてこともあって1月に入って小出裕章氏講演会の再度の検討に入った中で、他のグループが、既に6月4日に小出氏を迎えるため栗原文化会館を抑えたという情報が入りました。そこで、主催するグループと接触を図り、既に発足している実行委員会への参加を申し出ました。しかし、参加を拒否されてしまいました。当日の会場でのチラシの配布も拒否されてしまいました。どうも市民運動との関連は一切拒否して、ひたすら「小出氏の話を聞く」という一点、学習だけをすることに限定したいようでした。その気持ちも分からないでもないのですが、それでは個々人の解釈で終わってしまう、個人が勉強し、納得して個人的に対処して行くしかなく、現実の問題解決にはなかなか繋がらないことは初めから明らかでした。それでも「人集めには協力して欲しい」というのです。私達も小出氏を呼ぶことを検討していたくらいですから大勢誘って参加することには、異議はありませんでした。限定された内容、取り組みでも有意義なことには協力は惜しみませんでした。

ただ、いくらシャットアウトされたからといって黙ってそのままにはしませんでした。勿論、実行委員会の意向を無視したりしたのではありません。たまたま私達の役員の一人が、すでに実行委員会に入っていたので、彼を通じて、私達が作った最も重要なマップ2つを展示してもらうことにしました。それが「宮城県北部は放射能ホットエリアです。」「農地土壌の放射性物質調査結果(栗原市分)」マップです。

 当日の様子

当日会場のロビーで様子を見ていると、やはりその2つのマップに多くの参加者が見入っていました。私が説明しては少しまずいと思いそれは遠慮しました。しかし、もう一つどうしても足りないことがその前日に気が付きました。それは、学習することで留まっている方に、その後の方向性を提案することです。そこで急いで「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」 (準備会)からのお知らせ (最後に載せました)のチラシを300部ほど作り7月29日の私達のネットワーク発会の案内チラシと一緒のセットにしました。私達は、それを会場内で手分けして、それぞれ個人的に手渡しすることにしました。その約300部は、ほとんどさばけました。しかし、小出氏は恐らくこの2つのマップもこのチラシもご覧になっていないと思われます。

 講演の内容に市長は憤慨して

 翌日(6月4日)は、私達が、午前10時から栗原市役所で、第5次の要望書を提出することになっていました。私達の説明の後に、挨拶・応答をした佐藤 勇市長は、冒頭に前日の小出裕章講演会での小出氏の話になり、かなり憤慨しているようでした。「栗原市が努力していることを少しも評価していない。」「栗原をただ上の方からの測定だけで、その全部が放射線管理区域で危険だ、自分の研究室に避難すべきだ、などと言う。」などその感想を述べていました。

 実は、私も市長の気持ちも分からないでもないのです。参加して小出氏に話を聞いた多くの若い人たちの反応は、「よくぞ言ってくれた」と言うことのようでした。しかし、私は、小出氏は、やはり、研究者の上から目線が強いと感じました。確かに、放射能のこと、原発のこと、それが今後どうなって行くのか、責任問題など、的確な指摘をたくさんされていました。その点は、さすがに今の日本における第一人者だと思いました。しかし、残念ながら、そこに日々、日常的に暮らす人たち、そこを離れては生産ができない人たちの気持ちの矛盾・葛藤にも思いが至っていないと感じられました。

 口では「第一次産業を守る」こと強調されていましたが、実際には、役に立つこと(それは、そこの実情に合ったきめ細かなことになる筈です)は、何もおっしゃっていません。それに、対話が少なすぎる、もっと地元のことを良く知ってもらいたいのです。自治体や市民がしている測定(空間も、食品も)を評価しないことは、全くおかしなことです。測定が大学並みでなくてもその活用によっては、かなり範囲で市民を守ることが出来るし、出来てきているのです。そうした地元の努力も全く見ていません。それは、小出氏の問題であると同時に、準備してきた主催者の自体の問題でもあると思いました。

 もっと事前に地元の情報を提供し、理解していてもらう必要があったのです。理解し、その上で専門家として責任を持って、ここ、栗原に暮らす人たちにとって良い方策を提案して欲しかったのです。「そもそも栗原などに住むべきでない。」「そこのものを子どもたちに食べさせるべきでない。」「東電に全て測定もさせ、汚染物も持っていかせるべき。」というのは、一面では全くその通りなのですが、実際には、それだけでは、事態は何も進んでいきません。30禁、40禁、50禁、60禁というのも一見正しいと思われますが、落とし穴があります。(これは、また別の機会に述べます。)

 小出裕章氏を”消費する“から、行動へ

 もっと丁寧に議論を積み重ねていって、もっと実現可能なことを提案して欲しいのです。全国で、また海外へも行かれて発言されていますが、それはそれとして結構なことでそうして役割の方がいることは重要です。しかし、全く同じような話だけをして回るというのも少し残念なことです。

 すべての地域に関わっていくことなどできないかとは思います。しかし、それでも、それをできるだけ自分の所に関わらせて行くのが、呼んだ主催者の役割ではないでしょうか。その方が実は、専門家にとっても有益なはずなのです。これでは、双方にとって講演内容をただ”消費している”に過ぎないと思い、もったいないことだと感じました。その点は、全国講師の安齋育郎氏なども同様のように思われます。でも、彼はいろいろその地元に配慮した言い方をしていました。しかし矢ケ崎克馬氏はちょっと違っていました。かなりその地元の情報を得ようとし、そこの人たちの考えを聞いて、疑問に丁寧に答えて、交流しようとする、双方向のやり取りをしていました。それでもやはり問題となる共通点はあるのです。(これも別の機会にのべます。)
 
小出裕章氏を”消費する“から、次にそれを消化し、生かしていくには、行動・運動へと進むことが必要となってくるのではないでしょうか。私達は、それは全てここに載せました、というのが前に紹介した次のチラシー「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」 (準備会)からのお知らせ ―なのです。



  
「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」 (準備会) か ら の お 知 ら せ  (7月29日結成の前にプレ6月例会を持ちます。)

  
「情報共有」「学習」「つながり」「交流」の広場
プレ6月例会 6 月 9 日 (土) 午前10時~12時 栗原市市民活動支援センター

① DVD「放射線内部被曝から子どもを守るために」(23分)を 上映 します。
内容は、福島第一原発事故の各地の汚染状況 (児玉龍彦氏) ヒロシマから始まった内部被曝 (肥田舜太郎氏)
チェルノブイリ原発事故・子どもたちへの影響、低線量内部被曝から子どもを守る生活の工夫 (菅谷 昭氏)
内部被曝から命を守る食生活の知恵(家庭栄養研究会)9・19さようなら原発集会 (落合恵子氏の発言) などです。
② 小出裕章さん講演会感想 を出し合いませんか。
③ 6月4日に栗原市長への要望書(第5次)を提出します。その 報告 をします。
内容は、・ 屋外での子どもたちの活動について ・ 第2次除染計画策定にあたって ・ 子どもたちなどの健康調査 ・ 放射線リスクの開示と防護に関する教育 などです。
④ 意見交換をします。
テーマは、「内部被曝と外部被曝の危険性について、 栗原の食べ物・飲み物は大丈夫か?子どもたちの屋外活動はどうすべきか」です。

この1ヶ月の間、多くの市民のみなさんが、栗原市の持ち込みによる食品の放射性物質測定を利用しています (701件)。その内、放射性セシウムが100ベクレル/㎏を超えたのが173件にもなっています。 (広報くりはら6月号) この他 独自に、土壌や水、牛乳などを検査に出している方々もいます。
これらの情報の交換をして、意見交換をしてみませんか。 また、暑くなってくる中での子どもたちの屋外での活動が活発になって来ています。放射線量の高い場所での活動は、どうしたらよいか、一緒に考えませんか。
そして、内部被曝と外部被曝の危険性についても学習しましょう。
      
          これから 毎 月 第2土曜日 午前10時~12時に、
栗原市市民活動支援センターで、 月 例 会 を持ちます。(出入り自由です。)


* 参加費:300円(資料代として)
* 会場には資料、汚染マップなどいろいろな展示を用意しています。
* お子さん連れの方も歓迎します。(託児コーナーもあります。)



「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」(準備会)  

 連絡先/本田敏夫 TEL・FAX 0228-23-7707 E‐mail gsbjj525@yahoo.co.jp
  「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」のブログ http://kuriharasimin.blog.fc2.com/

* ゆきとどいた教育をすすめる栗原市民の会 連絡先/ 鈴木健三 TEL・FAX 0228-47-2932
* 栗 原 母 親 連 絡 会    連絡先/ 佐藤澄子 TEL・FAX 0228-22-7412

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「放射能被害のピラミッド構造」について


<原発・環境・エネルギー問題>         2012.6.2


「放射能被害のピラミッド構造」についての解説をします。

放射能被害のピラミッド構造(その1-原爆被爆者)

原爆症認定制度 
 認定には、原爆の放射線が原因で発病した(放射線起因性)、治療が必要な状態にある(要医療性)という2要件を満たす必要がある。
 認定者数は手帳所持者約25万人の1%未満にとどまっており、認定されない被爆者は、原爆症認定申請をしたにもかかわらず、厚生労働省から放射線が原因ではないとして原爆症の認定を却下されたことに対して、その却下処分の取り消しを求める裁判(原爆症認定訴訟)を起こしている。
 これにより、認定を求める被爆者の集団訴訟で相次ぎ敗訴した国は基準を緩和し、爆心地から約3.5キロ以内で被爆した人や、原爆投下後約100時間内に同約2キロ以内に入った人などの一定の条件で、がん、白血病、心筋梗塞(こうそく)、副甲状腺機能高進症、白内障 の5つの疾病にかかった場合は積極認定する新基準を導入している。( 原爆症認定制度 マネー辞典09.12.22更新 )

 集団訴訟で原告勝訴が相次いだのは、爆発後一分以内の初期放射線被爆だけを認定の判断材料にし、放射線降下物や残留放射線などの外部ないし内部被ばくの影響をほとんど無視した改定前の認定基準が断罪され、この基準で切り捨てられてきた遠距離被爆者や入市被爆者、幅広い病気が原爆症と認められたからです。 しかし、未だに国は、この流れに逆行し、従来の審査方針に固執し続け幅広く認定するという姿勢を採っていません。2008年の改定、2009年の一部再改訂のもかかわらず、17700件を超える審査の内件認定件数は8,800人程度までしか到達していません。3.5%にすぎません。毎年多くの被曝者が亡くなっていく中では、認定被爆者の総数の増加は微々たるものでしかありません。このように国は、相変わらず被爆実態・被爆者の苦しみと正面から向き合おうとしていません。被爆者はこのままでは集団訴訟を終わらせることはできない状況です。残された時間との勝負となってきています。

 このように原爆被爆者約25万人のうち、戦後から最近までは、その1%だけ、相次ぐ原爆症認定訴訟敗訴によっても3.5%までしか国は認定してきていません。こうして、国が被害補償をしているのは、氷山の一角、原爆被爆―放射能被害のピラミッド構造の、その一番上だけなのです。


放射能被害のピラミッド構造(その2-環境被害)

「環境ストック概念を用いた公害地域再生の理論的検討」清水万由子 2008 P8の「図1環境被害のピラミッド構造」を援用してみます。(作成は、佐藤 茂雄)

0262放射能ピラミッド


                
                

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栗原市長への要望書(第5次)の内容 ,皆さんのご意見を

<原発・環境・エネルギー問題>        2012.6.1

6月4日に行う栗原市長への要請内容(骨子)と要望書(第5次)の内容ポイントを紹介します。皆さんのご意見を求めます。

担当:放射能から子どもを守る栗原ネットワーク(準備会) 事務局チーム佐藤 茂雄

 第5次となる栗原市長へ要望書は、6月4日(月)午前10時に栗原市役所で、佐藤 勇市長に手渡し申し入れを行います。その後、市長はじめ危機管理室、教育委員会などとの懇談を行います。そのための事前に、要請内容(骨子)と要望書(第5次)の内容ポイントをまとめてみました。これは、5月24日のネットワーク準備会役員会、5月31日の代表・副代表、事務局チーム会議で論議され、佐藤が文章化を任されたものです。6月1日には、代表・副代表の承認をえて発表する段取りとなりました。最終的には、6月3日の小出裕章氏の講演会後に開かれる(小出氏の講演を聞いての修正もアリ)代表・副代表、事務局チーム会議(4時半ごろから、栗原市市民活動支援センターロビー)で、要望書内容の細部まで最終決定されます。

 本日、その細部(案)の作成を、NHKの夜7時半からの宮城県における放射能問題の番組を見ながら進めていました。石井氏も村井知事も言っていることに全く説得力を持っていませんでした。あれでは、県民の疑問に答えていることには全くならず、不安解消どころか、混迷を深めさせただけです。人選も偏っていますし、視聴者からの声にも的確に答えるものにはなっていません。

 こうした間にも事態は進行しています。栗原ではこのような不味い展開はしないよう、子どもたちと妊産婦を放射能から守る有効な対策をとっていこうと考えています。

 6月3日午前中まででしたらFAX,メールでご意見をお寄せいただければ、これに反映できると思いますので、今回もよろしくお願いします。また、時間がありましたら、講演会会場(栗原文化会館)で私や役員事務局チームに伝えていただくなり、4時半からの会合に顔を出していただければ幸いです。4時半からは、小出氏の講演の感想会も兼ねています。また、プレ6月例会(土)午前10時~12時栗原市市民活動支援センターでも、感想会も兼ねると思います。

ご意見の送り先は、事務局チーム佐藤 茂雄 まで

連絡先 :TEL・FAX 0228-22-7412
     E-mail fa43725@yb3.so-net.ne.jp





                          2012年6月1日

6月4日に行う栗原市長への要請内容(骨子)
と要望書(第5次)の内容のポイント

             
       放射能から子どもを守る栗原ネットワーク(準備会)
       ゆきとどいた教育をすすめる栗原市民の会・栗原母親連絡会


 市長さんへの要請では、除染計画の承認問題、食品の放射線量分析とその公表、一部ですが子ども達への健康調査の実施など、まずこの間の栗原市の先進的な取り組みを評価し、更なる前進を期待します。今回の要望書は、第5次になります。除染計画も第2次の策定・実施を前にして、前回の第4次の要望書をベースにしつつ、さらに5月15日緊急に申し入れしたことも再度含めたものになります。

 そしてその各項目に入る前に、前回同様に栗原市の放射線対策において「子どもたちと妊産婦を放射能から守る」ことを最優先にしつつ、それに加えて、すべての大前提について、少し話させていただきます。

 そもそも、今回の福島原発事故に起因する放射能汚染問題をどう捉え、位置づけるか、といことです。加害者は、国と東電、であり、被害者は、国民(市民)です。自治体も原発誘致などしていなければ市民と同じ被害者です。でもその被害は、国境を超え、全世界へ、人間界を超え、自然環境・全地球環境全体へ拡がっていっています。その被害の総体をどう見るのか、その被害の構造をどう捉えるのか、その放射能被害のピラミッド構造をきちんと捉えていくことが重要になってきます。そこから、① 被害を統治者(国)=(東電とともに加害者でもある)の都合の良い範囲に限定してしまう、その範囲で受忍せよとすることは、栗原市であれば、それは「統治」の役割(国の施策に服従せよと)を背負わされるだけになってしまいます。そうではなく、被害の総体を、構造をきちんと捉え、予防原則に従って、予測できることを独自の判断で行い、施策を実行すべきです。(費用は、原因者負担の原則によって請求を)自治体が「市民の命と健康を守る」その前面に立つ、「自治」の役割を果たすべきです。

 ①を見るうえで、これまで被曝者の救済がどのように行われてきたか、日本において、あるいは、チェルノブイリなどでも世界で、被曝者など放射能の被害がどのように扱われてきたか、あるいは、水俣、大気汚染公害等その被害に対して国や加害企業がどのように対処してきたか、どう責任を取ってきたかを見れば明らかです。それに加担する多くの科学者、専門家、学会…(マスコミも)ICRPは、その存在からも基準の考えからも人間の健康を第一に考えているものでありません。内部被曝の影響を一貫して軽視・無視してきています。それは、「経済的・社会的要因(原発による発電の利益等)の両立を考えて限界値を設定」しているものです。このように放射線による犠牲の受忍を強いているものです。そのICRPさえ、「リスクは線量が低くても存在する」と言っているにもかかわらず、日本政府は、ICRPをさらに悪用して、「限界値以下なら安全です」という宣伝さえしています。健康を守るべき政府のすべきことではなく、低線量の晩発性の被害を加速させるようなことをしています。

 今回の多くの自治体の決めた除染計画をなかなか承認しない背景にはこうしたことがあり、千葉県の東葛地方の自治体は、国の基準には、内部被曝の影響が考量されていないとして、独自の判断として除染基準を子どもたちのいる学校等施設では、50㎝でなく、地表で0.23μ㏜/hにしています。(「まえがき」が長くなってしまいました。)

具体的な項目では

1 5月15日に提出した「屋外での子どもたちの活動について」の補足をさせていただきます。
緊急申し入れをした11項目に加え、プールの使用、夏休み中の活動などについて加えます。

2 市の除染計画(第1次)が、5月28日にようやく国に了承されました。今後の第2次の計画策定に入るにあたっての要請をします。まず、除染の基準を狭い範囲に留めようとする国に合わせるのではなく、市民の命と健康を守る立場から予防原則に立って、独自の判断で行うことを求めます。
具体的には、子どもが生活する施設では、測定の高さが、50㎝ではなく、地表で、0.23μ㏜/hでの除染を求めます。民有地は、現在、出前測定だけが行われています。ただ、測定するだけでなく、子どもがいる住宅の除染などを優先的に公費で行うよう求めます。
積極的に市民へ情報の公開を行ない、情報の共有を進め、飛灰・焼却問題、汚染稲わら・牧草の処理問題に、丁寧な話し合いを積み重ね、対処していくことを求めます。

3 放射線に対する感受性が強く、被曝の影響が深刻であると懸念される子どもたちや妊産婦の健康を守るために
  健康影響調査を行うことを求めます。一部行われ始めたホールボディカウンターによる内部被曝検査は、数値がしめすのはその一端にすぎません。継続的な検査にする必要と、放射線被害の影響を見る丁寧な健康診断の継続的な実施や、尿検査、血液検査などの組み合わせを含めてより有効な健康影響調査を行うことを求めます。
   また、同時に、線量が高い地域では、すべての中学生以下の子どもと妊産婦にガラスバッジを公費で配布し、個々の外部被曝を把握できるようにすること。

4 放射線リスクの開示と防護に関する教育の徹底を求めます。
 これは、「教養・広報対策」ということで、既に要望は、幾度もしてきているところです。しかし、残念ながら、この点がこの間、非常に遅れたままだあると言わざるを得ません。この3,4月ごろより市民の放射線被害に対する意識は、それ以前と明らかに違ってきています。そのため、市民と市職員の間に放射線被害に対する意識の温度差が生じてきています。この問題の根本には、そもそも、国や多くの権威ある専門家・学会、それに当初のマスコミも含め、実態と異なる根拠の無い「安全神話」を振り撒いきた、あるいはいまだに振り撒いていることがあります。現状は安全ではないのであって、それを十分に市民が知らせることが緊要です。市行政の職員一人一人が、危機感を持って市民に日常的に接しているとまでいっていません。「教養・広報対策」として進める放射線防護に関する正確な知識を、まずは、教育・医療・行政の現場で徹底し、さらに市民一般に拡げるよう求めます。

5 その他

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