触媒生活

セカンドライフに入っての日常生活を文章、日記などで表現します。「触媒」のような役割を果したいというのが私のモットーです。コメント等をブログでも受けますが、連絡はメールでfa43725@yb3.so-net.ne.jp まで。

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宮城県北部では、放射能ホットエリアが拡大しています。

<原発・環境・エネルギー問題>          2013.1.29

宮城県北部では、
放射能ホットエリアが拡大しています。


特に、土壌濃度(土壌表層中の放射性セシウムの沈着状況)では、汚染が、広範囲で、移動・拡大しています。

  「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」放射能測定チーム 佐藤 茂雄

 文科省によって、第5次航空機モニタリング(平成24年6月28日実施、11月30日発表)が行われたことを最近になってネット上で知りました。
 文科省による宮城県北部の放射線量マップは、最初の1回目は、平成23年7月2日(宮城県測定)に行われました。その後、2回目が、第4次の航空機モニタリング(平成23年11月5日実施)に、宮城県も入ってきました。今回のこの第5次航空機モニタリングは、宮城県分に関しては、3回目に当たります。
 そこで、早速チェックしたところ、「空間線量率マップ」「土壌マップ」とも2回目より、放射能ホットエリア=放射能(放射線量)の高濃度汚染の範囲・程度が着実に減少しているものと思い込んでいましたが、とんでもない結果になっていたことが分かりました。減少どころか、広範囲で、移動・拡大していたのです。

 文科省の担当者に聞いてみました。

 そこで、1月21日、文科省の担当者に直接、電話で聞いてみました。
 
 「最初、平成23年7月2日に宮城県の分が発表になって、その後、11月5日に第4次の発表がされて、もうそれがMAXで、あとは、少しずつ減少するものと思っていました。それが1年以上経過した段階の第5次では、ここ宮城県北部では、逆に移動・拡大しているではありませんか。原因は、何なのですか?」
答え 「ウェザリング効果です。ウェザリング効果によって変化(移動・拡大)いたのです。ウェザリング効果では、減少だけでなく移動・拡大することもあります。」
 「次に調査する予定は、どうなっていますか?」
答え 「当面は、積雪のため、出来ません…」
(どうも、1年後の今年6月あたりに、また、調査するような感じを受けました。)

「ウェザリング効果」と言われても、いろいろと疑問が生じましたので、少し調べてみました。

 ウェザリング効果

 放射性物質が流れ出したり飛んでいったり、雨・風などによる出入りの影響を「ウェザリング効果」と言います。しかし、このウェザリングで放射線量自体が減少することはありません。セシウム134の半減期は、2年、セシウム137の半減期は、30年です。これを入れた政府の対策本部の試算でも、物理的半減期だけとほとんど変わりません。「ウェザリング効果」によって半減期で期待されるよりも放射線量が早く減ると期待されていますが、そう簡単ではありません。
 減少が加速している場合、その原因は、①住宅、田畑などで除染(移染)をした、②この「ウェザリング効果」があって移動した、③田畑など、そこからの収穫物に取り込まれ出された、など考えられます。逆に、住宅、田畑が森林に囲まれている環境では、地域一帯で見ると減少が少ないか、逆に増える場合も出てきています。森林では、そこから収穫物が取り出されて減るルートがありません。落ち葉などは腐葉土化して再び吸収され循環しています。雨水が腐葉土化した土壌を通過し、その際に水にて移行したセシウム、川の流れとともに流れ出すルートからの減少が森林での主な「ウェザリング効果」です。
 現に、事故から25年以上が経ったウクライナのチェルノブイリ付近の土壌に含まれるセシウム137(半減期30年)の量は、およそそんなペースでは減少していなことが明らかになって来ています。ウクライナの研究チームは、セシウムの半量が周辺の環境から消失するまでの期間(研究チームはこれを「環境的半減期」と呼んでいる)を、180〜320年と算定しています。
ウクライナの研究チーム

<次に、文科省のこの調査のことを紹介します。> 


文部科学省放射線量等分布マップ.(航空機モニタリングマップ)
 文部科学省放射線量等分布マップ

 文部科学省放射線量等分布マップは、福島第一原発から放出された放射性物質の影響を詳細に確認できるようにすることを目的として作成されたものです。航空機モニタリングマップは、平成23年4月6日以降、文部科学省が米国エネルギー省等と連携して実施してきた航空機モニタリングの結果等に基づき、各時点における地表面から1m高さの空間線量率及び地表面への放射性物質の沈着状況をマップ上に示したものです。地表面に沈着した放射性物質の影響の概要を知ることが可能です。
(※航空機モニタリングは、地表面への放射性物質の蓄積状況を確認するため、航空機に高感度の大型の放射線検出器を搭載し、地上に蓄積した放射性物質からのガンマ線を広範囲かつ迅速に測定する手法。)

福島第一原子力発電所から80km圏外の航空機モニタリングの測定結果

○福島第一原子力発電所から80km圏外の航空機モニタリングの測定結果を基に、福島第一原子力発電所から80km圏外における地表面から1m高さの空間線量率の分布状況を示した「空間線量率マップ」と福島第一原子力発電所から80km圏外における土壌表層中の放射性セシウムの沈着状況を示した「土壌濃度マップ」を作成。

今回の調査結果に関する考察

○空間線量率の変化傾向を確認するため、第4次航空機モニタリングの測定結果(空間線量率)(平成23年11月5日時点)と第5次航空機モニタリングの測定結果(空間線量率)(平成24年6月28日時点)を比較したところ、測定地域における空間線量率の変化状況に違いはあるものの、第4次航空機モニタリングと第5次航空機モニタリングとの間の期間(8ヶ月弱)において空間線量率が約23%減少している傾向にあることが確認された。この期間における放射性セシウムの物理的減衰に伴う空間線量率の減少は約14%であることから、福島第一原子力発電所から80km圏内における空間線量率の減少傾向は、放射性セシウムの物理的減衰に伴う空間線量率の減少よりも大きいことが確認された。この要因としては、第4次航空機モニタリングと第5次航空機モニタリングとの間の期間における降雨等の自然環境の影響が考えられるが、各モニタリングにおける空間線量率の換算係数の差や飛行軌跡、飛行高度の違いの影響も考えられることから、空間線量率の減少傾向の詳細を確認していくため、今後も継続的に航空機モニタリングを実施していくことが必要である。

今後の予定

○福島第一原子力発電所から80km圏内について、引き続き、航空機モニタリングを実施し、季節ごとの放射性物質の影響の変化の状況を確認する。また、福島第一原子力発電所から80km圏外については、台風期以降に再度、航空機モニタリングを実施し台風の影響に伴う放射性物質の影響の変化の状況を確認する。
<担当> 文部科学省 原子力災害対策支援本部 加藤(かとう)電話:03-5253-4111(内線4604、4605)



 各地区の除染の前に、更にきめ細かい空間線量と、土壌濃度の調査を

 栗原市北部から西部にかけてなどは、高濃度の放射線管理区域設定基準(4万ベクレル/㎡以上)と同程度のセシウムの沈着地域(3~6万ベクレル/㎡)の高濃度地帯が広範囲に拡がっています。ここは、放射能汚染のホットスポットというよりホットエリアと呼んだ方がピッタリです。それが、金成、栗駒、鶯沢、花山、一迫で、拡大しています。比較的高濃度(1万~3万ベクレル/㎡)の地域も、金成、若柳、築館、志波姫、高清水、瀬峰まで拡大してしまっています。それ以上の、かなり危険な高濃度の6万~10万ベクレル/㎡の地点は、当初(1回目)は、ほぼ萩野の山林のみにあったものが、一時かなり縮小しました(2回目の第4次)。ところが、最近の第5次では、それが、萩野地区全域(有壁地区は市街地のほぼ全域に)にかけて拡がってしまっています。栗駒の鳥沢地区(山田、山子など)でも、新たに出現しています。
 空間線量(1m)では、0.2~0.5μ㏜/hの高濃度は、当初(1回目)、萩野、栗駒、花山、一迫に見られました。それが2回目では、少し縮小し、分散しました。今回(3回目)は、萩野と栗駒の二つの大きな塊が二つとも拡大し、再びつながってしまいました。一方で、花山は、約半分に、一迫は、ほぼ消滅しました。0.1~0.2μ㏜/hの比較的高濃度は、 栗駒、金成地区で少し南下し、栗原(くりばら)沢辺などが新たに含まれてきて(土壌濃度でも同様に)きています。
 第4次(2回目)と第5次(3回目)の調査の比較考察(文科省)を見ると、「空間線量率が、物理的減衰による減少の約14%を上回る、約23%も減少している」とし、「ウェザリング効果」にもよっても、少し早く減少しているとしています。ところが、宮城県北部に関しては、逆の結果が出ています。
 このホットエリア(高濃度地帯+超高濃度地帯+ウルトラ高濃度地帯)の特徴は、放射線管理区域相当の高濃度以上の地帯であり、要注意です。ホットエリアのどこでも、空間線量は、雨樋がない軒下、雨水が溜まる場所などでは、最高値が地表で、3.0μ㏜/h近く、50㎝で、1.0μ㏜/h前後、1mで、0.6μ㏜/hくらいは出てもおかしくありません。各戸の敷地内にホットスポットがあるということです。そこで、各戸ごとのホットスポットのチェックが必要となってきます。(その後、除染=隔離も必要になります。)
 また、このホットエリアでは、土壌中の放射性セシウム(Cs)ですと、だいたい500ベクレル/㎏以上(1000ベクレル/㎏を超えることも)は出てきます。その農地からの野菜やコメなどもある程度以上のセシウム(Cs)は検出されます。
 栗原市におけるこの間、除染がおこなわれたのは、保育施設、教育施設と一部の公共施設のみです。確かに一定の効果は出ていますが、一部では、高圧洗浄機を使い、ただ洗い流すなど、福島での除染の手抜き問題に類似する問題点もあります。これからの民有地などの除染に入る前に、これまでの除染のチェック、検証が求められます。また、栗原市の各地区の放射線量調査は、この文科省の第5次調査の以前でしたので、各地区の除染に入るにあたっては、この結果も反映し、更にきめ細かい空間線量と、土壌濃度の調査をするよう要望します。同時に、この間,私たちが、指摘してきた市街地に多く見られる「黒い土」問題への対応もしっかり取っていただきたいと思います。

 マップは、近日中に完成予定です。

 現在、マップ作りをしています。ネット上に載せるのは、少し後になります。2月例会(2月9日)までには、完成させて、そこで配布します。栗原市市民活動支援センターなどにも置きます。

<資料>
 
<4万ベクレル/㎡以上は放射線管理区域>

「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」の放射線管理区域設定基準 3項によれば、部外者以外立ち入り禁止となる放射線管理区域設定基準は4万ベクレル/㎡です。
この放射線管理区域は、本来ごく特殊な人間しか入ってはいけない区域です。放射線治療を行なう医療関係者(医療法)、放射線研究施設・原子力発電(処理)施設などの従事者(労働安全衛生法)などだけが対象とされていました。
 そこでは、放射線による被害を防ぐための注意事項の提示、遮へい壁、防護つい立てなどの設置や、常時立ち入る場所における外部放射線と内部被ばくによる線量の測定。女性の放射線業務従事者への配慮など必要とされています。
 京都大学原子炉助教の小出裕章先生は「私が働いている放射線管理区域の内部であっても、1万ベクレル/㎡(=150Bq/kg位)を超えている場所は、ほとんどありません。」と発言されています。

ウルトラ高濃度地帯(UA) 空間線量(1m)0.2~0.5μ㏜/h 土壌濃度Cs134+1376~10万㏃/㎡
超高濃度地帯(A)    空間線量(1m)0.2~0.5μ㏜/h 土壌濃度Cs134+137 3~6万㏃/㎡
高濃度地帯(B)     空間線量(1m)0.1~0.2μ㏜/h 土壌濃度Cs134+137 3~6万㏃/㎡
比較的高濃度地帯(C)  空間線量(1m)0.1~0.2μ㏜/h 土壌濃度Cs134+1371~3万㏃/㎡
中濃度地帯(D)     空間線量(1m) ~0.1μ㏜/h 
             空間線量(50㎝)0.1~0.2μ㏜/h 土壌濃度Cs134+137 ~1万㏃/㎡
低濃度地帯(E) 空間線量(1m)~0.1μ㏜/h 土壌濃度Cs134+137 ~1万㏃/㎡

 放射能(放射線量)のホットエリア
             =高濃度地帯+超高濃度地帯+ウルトラ高濃度地帯

                空間線量(1m)0.1~、 土壌濃度Cs134+137  3万㏃/㎡~

(このウルトラ高濃度地帯などの名称は独自につけました。)

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「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」  2月例会

<原発・環境・エネルギー問題>          2013.1.28

「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」  
    か ら
 2 月 例 会  の ご 案 内


 今年こそ、放射能から子どもたちを守るためにも、脱原発への道を決定づける年に。
 1月はお休みしましたが、2月例会から再開します。
 政権が代わり、原発推進への動きが出てくるなど、これまでの不十分な政策すら後退しかねない状況です。除染作業にしても民有地などはこれからですし、これまでのものもチェックが必要です。健康調査では、ホールボディカウンターの実施が決まりましたが、その他の総合的な対策も要望し、本当に役に立つものにしていかなければなりません。放射性廃棄物処理問題は、いよいよこれから動きが出てきます。食品の放射能測定検査で栗原米(沢辺)も基準値超が出ました。正確な検査と正確な公表・発表(情報の発信)が求められていることが改めて明らかになりました。
 今年も課題が山積しています。市民のみなさん、各方面の叡智を集めながら、今年もしっかりとやっていきたいと思います。

「情報共有」「学習」「つながり」「交流」の広場

2月 例 会 2月9日 (土) 午前10時~12時 

・栗原市市民活動支援センター 
(栗原市築館伊豆2-6-1 ℡:0228-21-2060)

① 学 習 
 昨年末BS朝日で放送された「明日への教訓~広島・チェルノブイリから福島へ」の後半部分(25分)を上映します。

② 情報共有、意見交換・集約 
 11月30日に栗原市長に提出した「栗原市における放射能対策を求める要望書(第6次)」(・除染実施計画について、・食品等の放射線量測定について、・「原発事故子ども・被災者支援法」と健康調査等の実施について、・注意喚起のリーフレットの作成)についての回答書を検討します。12月28日に行われた危機管理室・市民生活部との懇談も報告します。

③ つながり、交流 
 3月例会では、「いのちと未来のための放射線教育とは?」というテーマを取り上げたいと思っています。
 その前段階としての課題整理をしたいと思います。これは、学校などの教育現場の問題だけでなく、各家庭で、どのように子どもたちに伝えるか?という視点で取り組みたいと思います。

④ その他
 この間、栗原市に市民からの土壌測定の受付を要望しています。しかし、まだ実現できていません。ネットワークでは、簡易の自主土壌測定を続けています。2月例会でも会場で受け付けます。詳細は、事務局まで問い合わせをお願いします。

「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」は、どなたでも参加できます。できれば会員になっていただき活動へ協力願います。(年会費500円)

            こ の 後 も 毎 月 ( 第 2 土 曜 日 午 前 10 時 ~ 12 時 )
栗原市市民活動支援センターで、 月 例 会 を持ちます。(出入り自由です。)

* 参加費:300円(資料代として)
* 会場には資料、汚染マップなどいろいろな展示を用意しています。     
* お子さん連れの方も歓迎します。(託児コーナーもあります)

「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」 
連絡先/本田敏夫 TEL・FAX 0228-23-7707 E‐mail gsbjj525@yahoo.co.jp
「放射能から子どもたちを守る栗原ネットワーク」のブログ http://kuriharasimin.blog.fc2.com/

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今年こそ、脱原発への道を決定づける年に。(その2)

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今年こそ、脱原発への道を決定づける年に。(その1)

<原発・環境・エネルギー問題>             2013.1.16 

 今年こそ、脱原発(即時原発廃止がベスト)
     への道を決定づける年に。
(その1)

 あけましておめでとうございます。月例会は、1月はお休みしましたが、2月例会(2月9日)から再開します。

 政権が代わり、原発推進への動きが出てくるなど、これまでの不十分な政策すら後退しかねない状況です。除染作業にしても民有地などはこれからですし、これまでのものもチェックが必要です。健康調査では、ホールボディカウンターの実施が決まりましたが、その他の総合的な対策(尿検査、甲状腺検査など)も要望し、本当に役に立つものにしていかなければなりません。放射性廃棄物処理問題は、いよいよこれから動きが出てきます。食品の放射能測定検査で栗原米(沢辺)も基準値超が出ました。正確な検査と正確な公表・発表(情報の発信)が求められていることが改めて明らかになりました。

 今年も課題が山積しています。市民のみなさん、各方面の叡智を集めながら、今年もしっかりとやっていきたいと思います。

 私は、昨年末より国民の7割以上が原発ゼロを望みながら、選挙結果で、それを示せなかったのは何故か、日本において、脱原発への道を決定づけるにはどうしたらよいか、をいろいろ考え続けています。そのためにいろいろな情報・資料も見て検討してきています。その一部は、年末にも仲間に知らせはじめました。脱原発で先行するドイツの経験を見ると長い時間をかけて論争があり、議論の深まりがあった中での決断でした。それに比べて日本においては、まだまだ議論は浅い状況です。この辺りのことは、北海道大の吉田文和氏が「脱原発の理論化を。総選挙結果で考える
」で、詳しく述べています。彼が言っているように、ドイツの経験から「持続可能性」「責任」「世代内と世代内の正義」「受益と被害」という環境問題を論じる基本的な概念を駆使する視野の広さと、諸課題を、バランスを取りながら解決していく視点を、学びながら、日本における脱原発の理論化を急ぎたいと考えています。

 年明けとともに本格的に進めようとしていましたが、風邪と食あたりでこの間ダウンしてしまっていました。ようやく体調も戻り始めましたので、少しづつ再開します。

 昨年末から私は、2つの文章を広めています。一つが金子勝氏(慶応大学教授)の金子勝さんに聞いた 脱原発こそが、日本を救う経済政策(マガジン9http://www.magazine9.jp/interv/kaneko/)です。


「財界と政界の無責任体制が3.11以後も連続している。それが経済もダメにし、失敗のツケが弱者にきている。」「原発産業に代表されるような、集中メインフレーム型の経済システムはもう断末魔の状況にあります。脱原発は、単に地球環境のことだけではなくて、経済や社会も持続可能にするもの。地域分散ネットワーク型にすることでビジネス、イノベーションが生まれる。スマートシティ構想など、創エネ・省エネ・蓄エネと結びついたシステムが、点や面で徐々に広がっていく。そこは電機産業、IT産業、住宅産業などが新しく伸びていけるし、そこで食べていける若い人が増える。」「環境か経済かの二者選択ではなく、原発をやめることは、21世紀型の経済や社会システムを作っていく転換なのです。」


 もう一つは、田坂広志氏(多摩大学大学院教授・元内閣参与)の「脱原発は選択の問題ではなく、不可避の現実である田坂広志氏11/2自由報道協会会見http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2504.html)です。                   


 「原発ゼロ社会など選んだら、経済がおかしくなる。」「電力料金が2倍に、雇用は減る、企業は海外へ」と推進の立場の人は言うが、「今、この時点の状況は、脱原発は、選択の問題ではなく、もはや避けることのできない現実」になっている。財界や行政が、この直視しなければならない現実を見ていない。彼らには、「原発の未来をめぐる7つの誤解」がある。① 原発の安全性とは、技術的なことだけでなく人的・組織的・制度的・文化的安全性のことも(人災であった)② 原発の安全性とは、原子炉の安全性の事だけでなく、核燃料全体の安全性。使用済み燃料の最終処分問題がいまだに解決できない。③ 高レベル廃棄物は、地層処分できるだろうとしてきたが、10万年の安全は証明できない。④ 日本学術会議は、この地層処分をすべきでない=暫定保管(長期貯蔵)すべきということと、総量規制を提言したが、総量規制を行うことは、原発を稼働させることに限界がやってくるということ。(もはや政策的な選択の余地はない)⑤ 「宇宙処分」「消滅処理」もできないこと。⑥ 「科学・技術の発達で、未来の世代が解決してくれる」とし、原発推進することは世代間倫理の問題となり、してはいけないこと。⑦ 「廃棄物処分は無責任になればできてしまう政策的課題」というのも未来の世代に非常に難しい問題を先送りすることに。
 放射能の人間に対する影響について、政府・行政は、被害を受けられた方々の苦悩への認識が「甘い」。被害について健康的被害というレベルしか議論されていない。心理的被害もある。基準値より下であろうが 何であろうが、自分の意図せざる、そして全く、受け入れるつもりなど全くない 被ばくを受けた方にとって、それから後の何十年というのは、極めて重い心の重荷を背負う事になる。間違っても、「あなたは、 基準値が これ位だから発がんの確率は非常に低いですから 心配しなくてもいい」と言って済ませられる話では無いのです。(彼自身、専門家として被曝してしまっている)
 放射性廃棄物問題は、「暫定保管施設」でも「長期保存の施設をどこにつくるか」。一番軽微なものも貯蔵施設ですら今、日本中で受け入れるところがなかなか無い。その事で政策が行き詰る。国民的な議論にしっかりと付するしかない。国民の意識の成熟が問われる問題に。その問題で、行政とか政策が動かないのは、原子力に於いて最も大切なものは何か?という事を行政が理解していないから。それは、「信頼」です。信頼できないとなった瞬間に物事は一歩も動きません。
 福島の原発の廃炉だけでも、30年でもとても無理、あれは普通の廃炉とは全く違う概念で、高レベル廃棄物のかたまりをどうするか?という問題ですので、その問題だけ見ても数10年、50年近い歳月は、最初から覚悟せざるを得ない。…


 次に、今年に入ってからは、加えて、月刊誌「世界」の最新号(2月)より、舩橋晴俊氏(法政大教授)の「高レベル放射性廃棄物という難問への応答」を紹介しています。

 舩橋晴俊氏は、学術会議の「回答」の検討委員であり、高レベル放射性廃棄物問題に取り組むため、どのような視点が大切か、論点をまとめ提起しています。私は、これがこの問題解決に向けてのすべての土台になっていくものと考えています。よく「最終処分地の選定」が政府の責任でなされていないことが、「最大の問題」としてきましたが、この文章をよく理解すると全く違ったものになってきます。

 舩橋氏は、政策の行き詰まりを分析した上で、現時点での「最終処分地の選定」とは異なる別の政策を選択することを要請しています。それは、①科学的知見の適正な取り扱い、②暫定保管、③総量規制、④多段階意思決定という提案です。①科学的知見の適正な取り扱いは、数万年単位の長期間にわたって安定的な地層が存在し、長期にわたって高レベル放射性廃棄物を隔離できるかは、専門家でも合意はできていない、としている(学術会議委員会の判断)科学的知見の現状がそうであるならば、それを重視した政策選択を、と求めています。②暫定保管は、ならば、現時点で採用すべき政策選択肢として、最終処分ではなく、安全性に責任を持った「暫定保管」(数十年~数百年)をし、その間に技術開発や科学的知見を洗練するとともにより長期の対処についての選択肢を十分に検討することが可能になる。③総量規制は、「総量の上限の確定」という厳しい意味にとれば、それは、なんらかのテンポで脱原発政策を採用することを含意している、という。(ここが、最初のせめぎ合いになることは明らかです。)④多段階意思決定とは、最終処分場の立地点選定という個別的問題に取り組む前に、大局的な政策の方向や、重視すべき判断基準や対処原則について、段階的に合意を形成していくこと。まず、総量管理や、暫定保管という大局的方針について合意を形成すべき。また、政策選択に当たっては、判断基準・科学的知見の自立性・住民合意の手続きなどの諸問題についても合意形成を。そのような政策の基本的枠組みとなるような諸条件、諸原則について合意を形成した上で、その後に、暫定保管施設の立地点選定に取り組むべき。としています。

 その上で、この学術会議の回答は、現時点でただちに高レベル放射性廃棄物問題について最終的解決を与えるものではないが、現時点で可能な「最善の対処」だとしています。そして、この方向で高レベル放射性廃棄物問題に取り組むとき、二つの問題について提起しています。ひとつは、科学的検討の場と政策的判断の場の区別と再編の問題で、もう一つが暫定保管施設の数と規模をどのように選択したらよいかと言う問題、としています。(前者は、科学的知見の自律性を保証すると同時に、科学の限界を自覚するという二つの意味で「科学的知見の適正な取り扱い」ができるかどうかという重要な問題ですが、ここではひとまず紹介を省略させていただきます。)

 後者については、私は、「自圏域内対処の原則」を打ち出していることに驚きました。

ーこれまでの日本では、危険の負担についての二重基準が、電力の大消費地である大都市と原発立地地域(福島県や新潟県)の間に、また原発立地地域と放射性廃棄物の受け入れ先(青森県)の間に、連鎖的に構造化されていたが、その延長上に最終処分地を建設しようとするものであった。これに対して、暫定保管施設の立地にあたり、道理性の実現を重視し、「負担の公平」という倫理的基準に基づくのであれば、そのような一箇所集中型ではなく、各電力会社の圏域ごとに少なくとも一つ建設するという考え方が出発点として必要。-

 また、暫定保管施設の各電力会社圏内での建設は、核燃料サイクル政策からの撤退とも整合的。としています。理由として、六ヶ所村再処理工場の下に活断層がある、技術的な不可能性、経済的合理性を欠き浪費的、核武装可能性という国際的批判と疑念などをあげています。脱原発と核燃料サイクル政策の中止を選択するならば、青森県知事の主張は筋が通っている。使用済み核燃料を各電力供給圏内に戻して安全に管理する必要が生じるのであって、そのような政策転換は、高レベル放射性廃棄物の暫定保管を各電力供給圏域で行うという考え方と整合的である。としています。

 最後に、舩橋氏は、この二つの問題(条件)を欠如した場合、暫定保管と総量管理という政策理念によっても社会的対立の壁を乗り越えることは困難。としています。私は、昨年末の段階までは、学術会議「回答」の②暫定保管と③総量規制を少し紹介しただけでした。やはり、もっとよく全体を理解し、紹介しなければと反省しています。この「回答」提言を活用し、高レベル放射性廃棄物問題にとどまらず、すべての放射性廃棄物問題へのより的確な対処ができるよう、より広範な社会的な合意形成を働きかけていきたいと思います。

 この舩橋氏の提起との関連で1月5日付の東京新聞に「核のごみ 地方に負担 東京、鳥取の55倍排出 」という記事が出ました。その内容が舩橋氏の指摘にピッタリ合いますので紹介します。


1.5 核のごみ 地方に負担 東京、鳥取の55倍排出 東京新聞

 原発で使い終わった燃料のごみ(使用済み核燃料)を、各都道府県がどれだけ出しているかを試算すると、2007~11年の5年間では、最も多い東京は最も少ない鳥取の55倍にのぼることが分かった。原発を持つ電力10社への取材を基に、都道府県ごとの家庭などの使用電力量の多少に当てはめて、燃料のごみの想定排出量を算出した。 (望月衣塑子)
 想定排出量は大阪、名古屋など大都市を抱える上位6都府県で全体の約41%を占めている。電力の大消費地が大量の燃料のごみを出す一方、燃料のごみを施設内で保管する原発立地自治体や、ごみが全国から運び込まれる青森県・六ケ所村に負担を強いている現状を浮き上がらせた。ふだん実感しにくいが、電力消費の多い自治体は排出量も多くなる。
 10電力会社の総排出量は5年間の合計で約3639トン(ウラン換算)。これを都道府県ごとの家庭などの使用電力量に応じて当てはめると、想定排出量は東京が359.1トン、次いで大阪は339.5トンと算出される。一方で、最も少ない鳥取は6.5トン、次いで島根が8.1トンにとどまる。 六ケ所村に再処理施設を持つ青森の想定排出量は計算上、27.5トンだ。しかし、日本原燃によると、実際に六ケ所村に搬入された全国の燃料のごみは5年間で計1074トン。青森が排出する量の約40倍が、全国から運び込まれていることになる。 最大の原発立地県である福井をみると、使用電力量から試算した想定排出量は41.3トンにとどまる。福井は関西、北陸両電力から供給を受けているが、福井に原発を持つ関西電力は、ここで5年間に計799トンの燃料のごみを出している。福井はその約半分を原発施設内に保管したままだ。 本来、排出量が少ないはずの福井や青森などの自治体が、燃料のごみの保管で大きな負担を強いられる現状には、これまでも不満の声が上がってきた。 福井は「電力消費地の自治体にも、中間貯蔵を含めた保管の在り方を検討してほしい」と国に繰り返し要望した。経済産業省は昨年11月26日付で、全国の自治体へ「使用済み核燃料対策協議会」への参加を求める文書を送った。燃料のごみの保管や、再処理する核燃料サイクルの問題に関して、消費地の自治体も加えて話し合う見込みだった。しかし、年末の政権交代を経て、協議会の先行きは不確かな情勢だ。
 最大消費地の東京は「政権交代で国の方針が見えず、都知事が交代したいま、協議会への参加の是非は未定だ」と回答。大阪も同様で、協議会への参加意思を国に示した自治体は現在、原発関連施設を持つ福井と茨城の二県にとどまる。
 原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「安全性を考慮した場合、使用済み核燃料を原発関連施設のある自治体で保管するのは、現実的ともいえるが、不公平感は否めない。大都市をはじめ電力消費地の自治体は今後、排出した燃料への対応を真剣に考えるべきで、新たに集中貯蔵施設を建てる場合は、都市部も含めて候補地の検討が必要だ」と指摘する。
<想定排出量> 原発を運転すると必ず出る使用済み核燃料を、各都道府県がどれだけ想定上、排出しているかを示す。各電力会社が実際に出した使用済み核燃料の量を、各電力管内の都道府県がそれぞれの使用電力量の比率に応じて排出したとみて、排出量を割り当てた。


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