触媒生活

セカンドライフに入っての日常生活を文章、日記などで表現します。「触媒」のような役割を果したいというのが私のモットーです。コメント等をブログでも受けますが、連絡はメールでfa43725@yb3.so-net.ne.jp まで。

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「子どもの貧困」シリーズーその3

<BOOKS> (23) 「子どもの貧困」シリーズーその3
「週刊ダイヤモンド 特集 あなたの知らない貧困」を読んで                
2009.3.27
ダイヤモンド社 2009.3.21発行

内容紹介(表紙・目次)

年収200万円以下の人口1032万人生活苦で自殺1990年1272人→2007年7318人ホームレス1万6018人相対的貧困率先進国ワースト4位昨年10月~今年3月に失業する非正規労働者15万7806人最低賃金水準先進国ワースト4位子ども7人に1人が貧困完全失業者5人に4人は失業給付をもらえないひとり親家庭の貧困率先進国ワースト2位生活保護を受けられない困窮者最低600万人(表紙より)
目に見えない貧困が日本を蝕んでいる。生活保護受給者が急増し、派遣切り・雇い止めに遭った非正規労働者が路頭に迷い、子どもの7人に1人が貧困状態にある。今そこにある貧困を直視し、対策を講じなければ、数年後、数十年後には社会が壊れる。(目次の全体の紹介より)

<目次>

Part 1 生活保護破産日本に取り憑いた「貧困」
Column 保護率を急低下させた北九州市の成功と失敗
Manual 本当に困った人のための生活保護受給マニュアル
「貧困」を読み解く!
Part 2 非正規の壁「1800万人の貧困」の実像
Interview 東京大学社会学研究所教授●玄田有史
Part 3 子どもの貧困7人に1人が苦しむ「日本病」
Column 国民健康保険料の不払いで自らの首を締めた八街市民
Column 政府と国民の無知が生んだ「官製貧困」の知られざる罪
Part 4 貧困ビジネス
社会的弱者の敵か、味方か
Column 貧困ビジネスが生む「ネットカフェ住民」
Diagram 貧困が貧困を生む負の連鎖
Part 5 反貧困の処方箋中間層の無関心が社会を壊す
Interview NPO法人自立生活サポートセンターもやい事務局長●湯浅 誠
Interview 三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長●中谷 巌
Interview 経済評論家・上武大学大学院教授●池田信夫
Interview 起訴休職外務事務官・作家●佐藤 優
Interview 津田塾大学国際関係学科准教授●萱野稔人

内容から

Part 1 生活保護破産 より

 表紙にも大きく強調している「生活保護を受けられない困窮者最低600万人」というのは、生活保護がもらえるはずなのにもれえない「漏給者」のこと。生活保護は「申請主義」のため、多くの研究者の試算による「補足率」は10~20%しかないという。678万人から1557万人までのばらつきがあり、600万人というのはあくまで控えめな数字にすぎない。現代に受給者が161万人だから生活保護費は年間2億8000万円(08年度予算)が13兆円以上に跳ね上がる。しかも、現在進行中の世界同時不況と若年層に貧困加速と相まって30年後には約20兆円に膨らむという試算もあるという。

Part 2 非正規の壁 より

1999年以降の労働者派遣法の改正によって、非正規労働者は急増。かつてのブルーカラーだけだった日雇い・派遣労働が、ホワイトカラーまで非正規化し、1800万人に。全労働者の3人に1人に。若年層が急激に増え、15~24歳の非正規労働者の比率は50%近い。低賃金に加え、収入や生活が安定せず、常に将来に対する不安が…最も深刻な悩みは衣食住の「住」。今、未曾有の不況を受け、企業の雇用調整がすさまじい勢いで進んでいる。この半年で15万7806人の非正規労働者が職を失うという。職を失えば路頭に迷う非正規労働者が急増するのは確実。

 玄田有史へのインタビュー「高卒若者に深刻な労働事情―貧困の本質は「孤独」にある」より ―かつて企業と結びついて就職の斡旋をし、その後の駆け込み寺的存在だった学校が機能しなくなっている。今の時代を生き残る「知恵」を与える人がいなくなったことが、若者の貧困に拍車をかけている。まずはできる限り簡単に会社を辞めないことだと若者に教える「知恵」を与えていくことが求められている。厚生労働省の「総合労働相談コーナー」の活用を。

Part 3 子どもの貧困 より

 OECD加盟国の相対的貧困(日本では、親2人・子ども1人世帯で年収手取り239万円、親1人・子ども1人世帯で195万円以下)にもとづく「子ども貧困リーグ」によると、日本の子どもの貧困率は14.3%(2000年)。この収入以上でも、所得には閾値(それを下回ると子どもに必需品を与えられない)があり、日本の場合、400万~500万円以下で、この水準でも「貧困リスク」はある。子どもの貧困を看過してはならないのは、①子どもの貧困は、子どもの責任でないから。②子どもの貧困が、教育格差を通じて再生産されるため。貧困が固定化され、連鎖していく。子どもの貧困は、物質的なものだけでなく、社会的孤立感、精神的に追い詰められ、希望をなくしてしまう。子どもの貧困は、今そこにある危機であると同時に、社会から活力をなくし、将来にわたって大きな禍根を残しかねない問題。

 ひとり親世帯の貧困率は、先進国の中でワースト二位。深刻化した大きな要素は母子家庭の増加10年間で1.5倍に。(17人に1人)親2人・子ども1人世帯の貧困率は11%、母子世帯では66%にもなる。

 ところが、OECD主要各国における所得再分配の前後による子どもの貧困率比較で、唯一、日本だけが政策によって悪化している。(貧困層を救うべき政府が、逆に問題を深刻化させている。)

 「官製貧困」を生み出した責任の一端は国民にもある。―今、貧困対策をマニフェストとして盛り込んでいるのは、共産党と社民党ぐらい。自民党、民主党の低所得者政策は腰が引けている。各政党が政権公約として貧困対策を掲げ、目標値を明確化し政策を競い合う、そして、国民がその中身で評価するような社会に変わらない限り、貧困はなくならない。

Part 5 反貧困の処方箋 より

 労働市場の改善。―最低賃金の見直し(生活保護受給者よりマシに)、労働派遣法の改正(労働条件の見直し、派遣業者の参入資格厳格化・責任強化)、雇用規制(緩和による労働力の流動化)、雇用のミスマッチの解消。

 社会保障の充実(セーフティネットの構築)。―生活保護(年金、生活保護の役割分担の明確化をし、ワーキングプアの自立を助ける)雇用保険(加入の制限緩和、罰則強化等による未加入問題の解消)税制(消費税引き上げ+課税最低所得の引き上げ、「ベーシック・インカム」の概念導入)住宅補助(公的住宅のストックを増やし、申請制限を緩和する)

 貧困対策は、国係の総力戦。行政として打てる手段は総動員を。同時にNPOを中心とする民間との役割分担を。すべり台から落ちるのを食い止めるのが行政の役割、貧困層の社会復帰等、サポートを担うのは民間が。

 問題は、貧困に陥っている人たちにあるのではなく、貧困を直視しない社会にある。

私の感想

 この特集は全部で約40ページ。それほど長くもなく、図、グラフを多用して非常に見やすいものになっています。私は、「反貧困の処方箋」等の部分的なところではこの編集部とは意見が異なりますが、現状認識や問題点については共通の認識であり、対策の多くにおいても同感するところが多くあります。何よりも最後の From Editors(編集後記)で述べていることには全面的に賛同します。―「貧困は、…なぜあるのか。根底にあるには社会の無関心…世論の高まりが政策をつくり、社会を変えていきます。」「なんの罪のない子どもを無保険の状態においてしまう国家とは、いったいどういう国…加えて、低所得の非正規雇用者をどんどん生産し、彼らをないがしろにするような政策を続けていくとしたら、日本の将来に大きな禍根を残す…この国が世界に誇ってきた国民皆保険や皆年金制度は事実上崩壊してしまった。…日本はそういう国でいいのか。崩壊した制度を立て直すには、従来と同じ議論をしていてもできません。」―

 3月25日、共同通信の「日本、無保険失業者の比率77%先進国で最悪、ILO報告書」というニュースが入ってきました。内容は、-日本で失業保険の給付を受けていない失業者の割合は77%に上り、先進国の中で最悪の水準にあることが、国際労働機関(ILO)が24日発表した報告書で分かった。派遣労働の規制緩和などを急速に進める一方、非正規雇用者のセーフティーネット整備がおろそかなため、日本の労働者が国際的にも極めて厳しい状況に置かれている事情が浮き彫りになった。 報告書は新興市場国を含む主要8カ国を取り上げた。このうち最も「無保険失業者」の比率が高いのはブラジルで93%、次いで中国が84%で日本は両国に続く高さ。4位の米国は57%にとどまり、ドイツやフランスは10%台。主な先進国で日本の突出ぶりは明らかだ。 ILOは先進国が加盟する経済協力開発機構(OECD)諸国のうち「半数の国で50%以上に上る」とも指摘。ILO幹部は日本の突出ぶりについて「失業保険の受給まで待たされる期間が長く、受給できる期間が短いことが影響している可能性がある」との見方を示した。-

 本日09年度の予算案が成立したことによって、今後、この状態は少しは改善されるでしょうが抜本的な対策には程遠い内容のものです。今、この国の政策を大きく転換しなければならない時を迎えています。
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失業保険給付&退職マニュアル 2009年03月28日(Sat) 15:57


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