触媒生活

セカンドライフに入っての日常生活を文章、日記などで表現します。「触媒」のような役割を果したいというのが私のモットーです。コメント等をブログでも受けますが、連絡はメールでfa43725@yb3.so-net.ne.jp まで。

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<子どもの本 シリーズ12>

<子どもの本 シリーズ12>
定例のおはなし会(6月6日)                                
                                    2009.6.11

(NO.26) ロバのシルベスターとまほうのこいし 

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 ウィリアム・スタイグ さく/せた ていじ やく 評論社
 関連するリンク先― 絵本ナビ「ロバのシルベスターとまほうのこいし」  ウィリアム・スタイグ 

あらすじ

  ロバのシルベスター・ダンカンは、とうさん、かあさんと一緒に住んでいました。変わった形や色の小石を集めるのが楽しみだったシルベスターはある日、願ったことがかなう魔法の赤い小石を手に入れます。「なんてうんがいいんだろう。これからは、のぞみがなんでもかなうぞ。」何を願おうか考えながら歩いているところに、腹をすかせたライオンが現われ、シルベスターは、たまげてしまい、あろうことか「ぼくはいわになりたい」といって岩になってしまったのです。岩になったシルベスターは考えました。どうすれば元に戻れるかを・・・

 元の自分に戻れるチャンスはただひとつ、誰かが、自分のそばにころがっている赤い小石を見つけて、となりの岩よ、ロバになれ、といってくれることだけです。でもそんなことは奇跡でも起きない限り無理なことでした。

 ダンカン夫妻は、帰って来ないシルベスターを心配して駆け回り、自分たちにできる精一杯のことをします。そして訳もわからぬままに、辛い毎日を過ごさなければならないふたりですが、辛いながらも前向きに生きようとする姿勢が、最後には、奇跡を生みます。

みどころ

 岩になってしまったシルベスターが希望を失い、心を閉ざしていく様が丁寧に描かれています。その一方で、必死にシルベスターを探すダンカン夫妻の姿が印象的です。子どもたちは物語の大半を悲しい気持ちで聞くことになりますが、最後に起こる奇跡でとても晴れやかな気持ちになります。

 この絵本には、様々な要素が盛り込まれています。まず、「魔法の使われ方と解け方」です。魔法をかけるには、手(ひずめ)に持たねばなりませんが、魔法は一瞬にして、天候を変えてしまうほどの力を持っています。しかし、そのための特別の呪文や能力は必要なく、ただ、願いを言えばいいだけです。この魔法は、そのように容易くできるものですから、その魔法の危険性を見落とすことになってしまったのです。シルベスターもライオンを前にして、冷静に考えれば、ライオンを消すことも、蝶々やたんぽぽや、おけらに変えることができたはずなのに、「ぼくは、いわになりたい」と言ってしまいました。昔話に出てくる魔法は、とても安易に見える場合にも、そこには深い意味が隠されています。例えば、魔法によって動物に変えられていた王子が美しい若者に戻れるには、それを解かす特別な存在や何かが必要となってきます。この絵本では、ダンカン夫妻の息子を思う愛情でしょうか?春になると、二人は引き寄せられるようにして、いちご山の岩のところへ、ピクニックにやってきます。かあさんは岩の側に来ると、不思議な胸騒ぎを覚えます。とうさんはあの魔法の赤い小石を見つけ、岩の上に置きます。かあさんは「ここにシルベスターがいてくれたら…」と強く願いました。「ほんとのぼくにもどりたい!」とシルベスターも真剣に思いました。その双方の思いが、最後に奇跡を起こしたのでした。

 次に、この絵本は、読み手(聞き手)によって、主人公が変わってきます。子ども達からすれば、この本は、間違いなく、小石あつめが大好きなロバのシルベスターが主人公のお話です。宝物のような綺麗な小石集めは、ほとんどの子どもの習性ともいうべきものです。後から考えると、もっと良い方法があったのに、とっさに慌てて取った方法のせいで泥沼に入り込んでしまう。(これは、子どもに限らず私たち大人でもそうですが…)そんな、シルベスターに、子ども達は、主人公そのままか、もしくは、「何とかしてあげて!」と感情移入します。一方、大人、親達は、この本は、両親のダンカンさんご夫婦が、主人公になってしまいます。スペース的にも出かけたきり帰ってこない息子を心配する両親の様子がこの本の大部分です。私自身も、おはなし会でこの絵本を読み聞かせをするということで、久しぶりに読みました。ストーリーはその詳細まですっかり頭に入っているのですが、その最初の読みで、クライマックスに来ると、思わず、グッグッ と来てしまいました。ダンカン夫妻の方にすっかり自分の気持ちが入ってしまったのですね。さすがに、本番では、子どもたちの反応を確かめながらという余裕を持って読み聞かせをしました。

余談1

 この本は、1969年発行ということです。それまでにウィリアムスタイグは、漫画・挿絵は描いていても、子どもの本はこの頃からのようです。1968年に、「CDB!」、「ぶたのめいかしゅローランド」を出し、この本が3作目であり、1970年のコールデコット賞を受賞しました。年齢が61~62歳といったところですから、今の私と同じ位です。後年の1990年に発表した『みにくいシュレック』(Shrek!)は、映画『シュレック』の原作となったということです。そういえば、作風が似てるなと納得しました。

余談2

 私の所有しているこの本は、日本での第2版1984年版です。(第1版は1975年版)2006年に新版(原画に忠実な色合いに再現、タイトルの「こいし」を「小石」に)で再登場。25年も前ですから、それ以後、我が家の2人の子ども、文庫に来ていた子ども達等に愛されてきました。最近では、この5月、妻が4月から講師で行っている古川の小学校の4年生に。担任は、新任の教師で学級崩壊気味。妻に「荒れている4年生を、読み聞かせをして落ち着かせたいのだけど、いい本無い?」と問われ、この本を真っ先に挙げました。結果は上々。一番の問題児を含め30数人、全員を集中させることが出来たと報告されました。
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