触媒生活

セカンドライフに入っての日常生活を文章、日記などで表現します。「触媒」のような役割を果したいというのが私のモットーです。コメント等をブログでも受けますが、連絡はメールでfa43725@yb3.so-net.ne.jp まで。

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残り12本、まずスザンネ・ビア監督の作品2本。

MOVIES- 
残り12本、まずスザンネ・ビア監督の作品2本。                

 2009.7.28

 来週からは、娘夫婦と孫(今度は2人とも動きまくる)がやってきて、またもやジジ親家業の再開です。MOVIESの記事アップを再開してもしばらく書けなくなる可能性があります。それまでに残りの12本の内、出来るところまで記事にしてみたいと思っています。8月にも新たに「私のお勧め」の基準、4(5点満点)に到達する映画に出会えるかもしれませんが、とりあえず始めます。まずは、デンマークの女性監督スザンネ・ピアの2作品。「ある愛の風景」と「アフター・ウエディング」からです。

ある愛の風景                                                
2009.7.24

 製作年度2004年 117分のデンマーク映画
関連するリンク先―Yahoo映画 ある愛の風景

あらすじ

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 美しい妻サラ(コニー・ニールセン)と2人の娘を持つ国連軍のエリート兵士ミカエル(ウルリッヒ・トムセン)は、良き夫、良き父として幸せな日々を送っていまいた。しかし、戦渦のアフガニスタンへ赴いた彼は、敵の捕虜となってしまいます。

 一方、サラの元にはミカエルは、作戦中にヘリもろとも撃墜され死亡したとの訃報が届きます。彼の妻子や親兄弟は、戦死の知らせによって喪失感に苛まれます。そして、捕虜になったミカエルは、想像を絶する苦境に立たされていきます。やがて彼は帰還を果たすものの、その苦悩と狂気は、家族の絆を確実に蝕んでいき、主人公たちは、極めて深刻な状況に追いやられていきます。

私の感想

 デンマーク・アカデミー賞で最優秀主演女優賞を獲得し、ハリウッドでのリメイク企画も進行しているそうです。原題は「Brother」弟(ヤニック)は、優秀な主人公の兄と違って、親にとって頭の痛い存在です。罪を犯して、服役し、出所して来たところ。ところが、このヤニックが壊れていく家族を救っていきます。ですから原題のままでもいいのでしょうが邦題もラストまで見ると頷けるものがあります。

 このデンマークの女性監督スザンネ・ピアは、昨年「アフター・ウエディング」でアカデミー外国映画賞にノミネートされて、現在その作品全てが注目されているようです。女性監督らしく、見ていて、一人ひとり登場人物の心情がとても深く丁寧に描かれていています。この映画は、男性と女性の両方の特徴を非常によく捉えた映画でもあります。環境の劇的変化に適応しやすいのは、やはり女性なのであり、この映画の主人公の男も、帰国後も真実を周囲に打ち明けられず、自分ひとりで抱え込んでしまったがために余計に苦しむ(「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」を患ってしまう)わけです。男は地位や名誉、財産など、プライドをかけて守ってきたものを壊されると、割合に脆さや弱さを露呈する事がよく分かります。

 昨年紹介したアメリカ映画でイラク戦争の銃後を描いた「さよなら、いつかわかること」と共通するものがあります。深遠な家族の物語と、根底に流れる反戦のテーマです。しかも、反戦―悲劇に終わらせるだけでなく、ラストでは、「一筋の光―救い」を当てています。Yhoo!映画の解説で「スサンネ・ビアが描き出すのは、必ずしも悲劇ではない。もし彼らが現在の不安定な世界と繋がることがなければ、身の回りの安全だけを確保しようとする社会のなかで、敷かれたレールの上を歩み、画一化された幸福を求めていたかもしれない。彼らは世界と向き合うことで、それぞれに自分の道を見出し、より深い愛に目覚めていくのだ。(大場正明)」とありました。アメリカ、デンマークとそこの国民は戦争に深くかかわらざるを得なくなっています。まだ充分に知られていませんが、日本でも、すでにイラク派遣で自衛隊隊員の間でPTSDは出ているようです。私たちは、他人事でない状況に進んできているのだと思います。

アフター・ウェディング                                      
2009.7.27

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製作年度2006年 119分のデンマーク映画
関連するリンク先―Yahoo映画 アフター・ウェディング

あらすじ

 インドで孤児たちの援助活動に従事するデンマーク人のヤコブ(マッツ・ミケルセン)のもとに、デンマーク人の実業家ヨルゲン(ロルフ・ラッスゴル)から巨額の寄付金の申し出が舞い込みます。寄付にあたり一つだけ条件を求められましたが、それは直接会って話をする、という事でした。そこでヤコブは、久しぶりに故郷デンマークへと戻りました。ヨルゲンとの面談後、その週末に彼の娘アナ(スティーネ・フィッシャー・クリステンセン)の結婚式に出席するように強引に誘われ、断りきれずに出席すると、そこで思いがけずに昔の恋人で今はヨルゲンの妻となっているヘレナ(サイズ・バベット・クヌッセン)と再会します。困惑するヤコブ。そしてさらに結婚パーティーでは、両親に向けてスピーチをするアナの話からアナがヨルゲンとは血の繋がりがなく、ヘレネの昔の恋人との子どもであることが分かります。ヤコブと別れた直後に妊娠がわかり、その後ヨルゲンに出会ったというヘレナに、20年間娘の存在を知らされずにいた彼は怒りが抑えられません。

 そして、ヨルゲンはヤコブに、1年毎の寄付ではなく、アナの名を付けた基金を設立し、2人で使い道を決めればいいと提案します。1200万ドルもの額になる基金に「あなたのメリットは?」と問いかけますが、「何もない、普通の暮らしができればいい」と答えるヨルゲン。ヤコブが基金の契約書を確認していると、自分がデンマークに住むことが条件になっている事に気付きます。反発するヤコブはヨルゲンと口論になるが、やがて彼は全てを仕組んだヨルゲンの秘密と、彼の本当の望みを知ることになります。

私の感想

 インドで孤児たちの援助活動に従事するデンマーク人のヤコブ。彼を祖国に呼び寄せ、巨額の寄付と引き換えにその人生を支配しようとする実業家ヨルゲン。スザンネ・ピア監督は、映画でこのふたりを対照的な存在にしています。富と力を持つヨルゲンは、自分の手が届かない未来までコントロールしようとし、喪失を背負うヤコブは、理想に救いを求めようとします。しかし、彼らは、どちらも本質的に西洋人であり、父親としての愛に突き動かされて行動しているところは同じです。西洋対非西洋の構図は、関連する舞台が今回インドになっただけで、「ある愛の風景」でアフガニスタンが登場してきたのと同じです。また、今回は、後半で、主人公たちの位置づけに大きな変化をもたらします。スザンネ・ピア監督は、余命いくばくも無いと分かり、愛する家族のためにとったヨルダンの行動によって、予期せぬ悲劇に翻弄されていく家族や男女を描いていきます。その善悪で単純に割り切ることができない複雑な感情や関係を、一定の距離を保ちながら、繊細にして冷徹な眼差しで描き出していきます。これは、予定調和のハッピーエンドとは違うけれども、何かとても不思議な後味の良さを私は感じました。

 主人公のヤコブを「どこかで見た顔だなあ」と思って見ていたのだが、「007カジノロワイヤル」の悪役でしたね。全く印象の違う役どころですが、なかなかの熱演で、複雑で繊細なヤコブの心境を見事に演じていました。

 このところ、立て続けに2作品を見た、このデンマークの女性監督のスザンネ・ピア監督。その作風がとても私は気に入りました。他の作品、2002年の「しあわせの孤独」ハイウッド進出の2008年「悲しみが乾くまで」も、機会があれば是非見たいと思いました。
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