触媒生活

セカンドライフに入っての日常生活を文章、日記などで表現します。「触媒」のような役割を果したいというのが私のモットーです。コメント等をブログでも受けますが、連絡はメールでfa43725@yb3.so-net.ne.jp まで。

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「しのびよる貧困 子どもたちを救えるか」を見て 

<TV> NHKスペシャル
セーフティーネット・クライシスvol.3
「しのびよる貧困 子どもたちを救えるか」を見て 
                                        2009.10.5 

待ったなしの「子どもの貧困」根絶

10月4日午後9時~10時半まで、NHK総合で表題の生放送がありました。事前に「民主教育をすすめる宮城の会ニュース」で知らせが入っていました。そこで、この記事の最後に掲載した「番組の案内から」と「番組の内容から」をチェックした上で放送を見ました。

私自身も昨年来より「子どもの貧困」問題にはずっと注視してきました。9月26日の「ゆきとどいた教育をすすめる栗原市民の会」発会総会でも「「子どもの貧困」を教育環境から考えるための指標の把握について」というレポート(9月25日記事)を出し、そこで栗原市の就学援助受給者数などについての考察をしています。(9月28日記事)その直後の10月1日の朝日新聞に「病院にいけぬ子 貧困、健康でも格差 治すのは学校の保健室…」という見出しの記事が出ました。このNHKの放送でも、ちょうどその実態が映像で映し出されていました。

この私たちの発会総会でも、高校生の貧困や卒業までの授業料徴収にまわる教師の苦悩が出されました。教育講演会では、前宮城高教組委員長の菊池英行さんが、「教育費の無償化は世界の流れ。日本の遅れは深刻であり、多くの高校生たちは、未来を奪われている」と。「教育費は「受益者負担」「自己責任」ではなく、公費負担・社会的責任で!」とし、無償を授業料(直接の費用)のみならず、間接の費用や制服代などまでを求めていました。

放送でも関西の生徒数約600人の公立高校の例が映し出されていました。ここでは不況下で親が授業料を納められない家庭が続出。減免が40%を超えているという。授業料は、11万2千円。さらにその他の学校徴収が23万2千円も。来年4月から無償化といっても12万円だけ。教師が高校生を前にしてアルバイトを勧め,授業料等の回収にアルバイト先まで行くこともあるという。親が働けなくなり子どもが家計を支えるために働かざるを得ないケースも出ているという。1学年200人の内もう10人がドロップアウトした。高校2年生を前にして教師は、来年の10.11月には、大学、短大、専門学校に行くには80~100万円用意しなければならない。」という現実を話す。今、多くの高校生が家庭の経済事情で、未来の希望を奪われかねない状況にあるといいます。

こうした「子どもの貧困」問題の背景には、「子育て世代の貧困」があるといいます。非正規雇用の労働者の増加、その平均賃金の低さ、彼らへの医療保険、住まいなどのセーフティネットのほころびや無機能化。親が子育ての責任を背負いきれなくなってきている日本の現状。奪われる子どもの将来の可能性。日本の将来を担う子どもたちのその学び、育つ環境の劣悪化。

もう、この「子どもの貧困」問題の根絶は、一刻の猶予も許されない待ったなしの状況になっていると思いました。

教育機会の平等があってこそ社会に活力
―スタジオでの論議を聞いて
 

 スタジオ出演者の4氏と司会者の論議を聞いていて、「子どもの貧困の現状を直ぐにでも何とか克服していかないと日本の将来は最悪になる。」という認識では立場の違いを超えて一致していました。違いは重点の置き方ぐらいしかありませんでした。出席していた財界関係者の新浪氏が重厚長大型産業からではなくサービス流通業からだったからかも知れません。最賃を800円、1000円と引き上げることを否定はしないものの、それ以前の「雇用対策と新しい産業の創出を重視しないと日本の経済がなり行かなくなるところまで来ている。」と強調していました。それに対して湯浅氏は、「雇用の量だけでなくその質も重要で、同時に高めていかないと企業にとっても優良な消費者にはなっていかない。」としていました。打開策として、フィンランドや北欧・イギリスの例が出されていました。国の規模が違うとか、歴史や置かれている状況が違うなどと言ってこれらの国から学ぼうとしない傾向がありますが、この論議ではそうしたことは一切出てきませんでした。高福祉・高負担の現状とその国の国民の意識。福祉立国というよりむしろ教育立国と言っていいほどの「教育は、人への投資・未来への投資」という戦略がきちんとあること。

最後の方で、神野氏が「胎内から墓場まで」の北欧の国民的コンセンサスを次のようにまとめていました。「子どもは、社会の宝物で、子育ては社会の共同責任。教育・子育ては三つを同時に達成できる。①経済成長、②雇用の確保、③社会的正義、これらによってすべての国民の貧困・格差もなくなる。という確固たる信念がある。」と。実際には増え続ける移民問題、宗教問題など日本では考えられない困難なことが多くあると思います。しかし、これらの国々では、政府が国民から基本的に信頼を得ています。

この政府の問題については、司会者が財界関係者の新浪氏に「経済界への負担もこれから大きくなるが…」と問うと、「「教育にもっとお金を」は大賛成、教育費を全部無償にしてもよいのでは、教育の質も問題にして欲しいが…政府がこれまでのしがらみを早く精算して、中長期の展望を出して欲しい。政府の信頼回復が先であり、それがあれば経済界の負担増はやぶさかではない。教育機会の平等があってこそ社会に活力が生まれる。」と政権が変わったからこんなことまで言うのかなと感心しました。


政府の信頼性と国民・市民の意識変革の必要性

政府の信頼性に関しては、貧困対策について、湯浅氏も「これまでの政府があまりにもひどい。政権が変わっても、まだスタートラインに立ったばかり。貧困率を減らすため、貧困率の測定から」と求め、政府の山井氏も貧困率を出し、削減目標を出すと確約しました。信頼性については、私は、政府も問題でしょうが、むしろこれからは、地方政府(自治体)と地方議会の方が問題だと考えています。このあたりのことについては9月21日の私のブログ記事「教育と貧困問題―「ナショナルミニマムと地方分権」について考える。」に詳しく述べました。

この論議でも「政府が長期のビジョンを明らかにすると同時に、子ども手当てと高校授業料無償化が来年4月からのように、それだけでは、現在の持ったなしの子どもの貧困の現状打破には間に合わない。」「今の高2・高3がどうなるのかという直近の問題、緊急の手当てを」「待機児童の問題、小児科医療の問題などのサービス面も早急に」と出されました。政府も優先順位を「子どもたちから」としてやるとしていました。

その中で、神野氏が言っていた「声なき声の民主主義の確立」ということは、非常に大事なことだと思いました。9月25日の私のブログで「子ども貧困白書」のことに触れました。そこから「「子どもの貧困」ですから、本来的には第一に聴かれるべきなのは、子どもたち自身の<声>です。…「その「声にならない声」は、子どもたちへの共感的理解と状況批判を軸とした広義のソウシャルワーカーの<声>を媒介にしてこそ、社会に向かって開示されうる回路が見出せる。」という引用をしました。私は、この間、学校統廃合問題や学校図書館問題に関わってきて、地方政府や議会は、そうした子どもたちの声なき声を聞いてきているのかという疑問をずっと感じてきました。

10月4日の朝日新聞の経済コラムに「公共事業削減 鉄筋コンクリ国家と決別を」という編集委員の記事が出ました。そこでは、「狭い日本の国土が世界に稀に見る鉄筋コンクリ漬けになっている。そのために巨額債務ができ、そのツケが子どもたちに引き継がれる。子どもたちの明るい「未来」を奪っている。」「責任を問われるべきは、…「公共事業複合体」につらなる族議員や官僚、一部の産業界のはずだ。」と言っています。そして、鳩山新政権は、温室効果ガスを「世界に公約した「2020年までに25%削減」実現のためには、ここに切り込まなければならないとしています。最後に、民主党マニフェストには、鳩山代表の言葉として「私はコンクリートではなく、人間を大事にする政治にしたい」とあると紹介しています。鳩山首相には資金管理団体を巡る偽装献金問題があるにも拘らず、内閣支持率は71%と高水準を維持しています。(10月4日読売新聞)これは、個々の政策などへの支持よりも国民の期待感の強さの表れではないかと思います。子ども手当てにしても支持は60%を切っています。前述の私の9月21日のブログでも強調しましたが、「公共事業から、人への配分、人の配置」には、国民、市民の意識変革、考え方の切り替えが必要になってきます。この放送の論議でも出されましたが、今、国民、市民の間で議論を大いに巻き起こしていくことが求められています。私は、特に地方のレベルでの意識変革がそのカギになるのではないかと思っています。

番組の案内から(NHKホームページより)


経済危機が深刻化する中、大量解雇の波は、非正規労働者ばかりか正社員にまで及んでいる。世帯主の失職の影響から、いま「子どもたちのセーフティーネット」が危機に瀕している。

 OECDは、日本の「子どもの貧困」が際立って加速していると警告した。給食費や教材費が払えず小中学校への通学も難しくなったり、貧困から高校を中退せざるを得ない子どもが急増している。背景には、日本の社会保障制度が「正社員」を前提に設計されたまま、抜本的な見直しが行われていない点がある。子育て世代に当たる20代~40代の、4割近くが低所得の非正規労働者であるにもかかわらず、子どもの医療費、教育費、住宅費、食費等の負担は、正社員家庭と同じく一律に求められ、貧困に拍車をかけているのだ。

 子どもたちの「健全な育ち」を保証する「人生前半の社会保障」を築くには、どのようにセーフティーネットを張り替えていけば良いのか。番組では、日本の子どもたちの現状を検証し、さらにフィンランドなどの先進的な取り組みも紹介しながら、子どもたちのための社会保障・セーフティーネットのあり方について考えていく。

番組の内容から(これも事前の案内です。)

今、日本の子どもの7人にひとりが「貧困」に苦しんでいます。

日本は今や、先進各国の中で最も「相対的貧困率」が高い国のひとつであり、アメリカと並ぶ”貧困大国”となっているのです。

入浴やおむつ替えの回数を減らされる幼児。病院に行けない、学用品を買ってもらえない小学生。学費のみならず、一家の生活費まで稼がなければならない高校生。取材を通して、数多くのそうした子ども達に出会いました。

 戦後、豊かさの一途を辿ってきたはずの日本で、なぜ、そうした事態が生まれてしまったのでしょうか。

 8月の衆議院総選挙で、民主党は、子どもへの支援の強化を謳い、未曾有の308議席を獲得しました。

マニフェストの目玉として上げた「子ども手当」や「高校の授業料実質無償化」は、そうした子ども達の厳しい現状を救う、特効薬たり得るのでしょうか。

 番組では、新政権から、”子ども支援”を担う、山井和則・厚生労働政務官、貧困の現場を深く知る、湯浅誠・反貧困ネットワーク事務局長らをスタジオに迎え、90分の生放送で議論を行います。

 声を上げることのできない子どもたちの間に、深く静かに蔓延する貧困。

 その実情を伝えると共に、充実した子育て・教育政策をとる、フィンランドでの取り組みも紹介しながら、子どもの育ちを守る、新たな社会保障制度のあり方を探ります。

<スタジオ出演者>※順不同

 政府関係者 山井和則氏(厚生労働政務官)
 財界関係者 新浪剛史氏(株式会社ローソン代表取締役社長)
 支援者   湯浅誠氏 (反貧困ネットワーク事務局長)
 学者    神野直彦氏(関西学院大学教授)
 ・司会:町永俊雄アナウンサー









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