触媒生活

セカンドライフに入っての日常生活を文章、日記などで表現します。「触媒」のような役割を果したいというのが私のモットーです。コメント等をブログでも受けますが、連絡はメールでfa43725@yb3.so-net.ne.jp まで。

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「人間力」の育て方

<BOOKS> ③ 
「人間力」の育て方 (堀田 力著)を読んで
 
 今回取り上げるのは、「人間力」の育て方 (堀田 力著)集英社新書 です。この本は、2007年11月21日第1版、12月26日第3版となっていますからかなり新しいものです。この頃、私は、本はネットで(アマゾン、楽天、7-11)購入することが多くなっています。しかし、これは例外でくりこま高原駅の近くにできたスーパー内の書店で立ち読みしていて気になって買い求めました。「人間力」がということではなく、目次をパラパラとめくると、教育問題を扱っていること、このところ少し調べているフィンランドとかイギリスの教育にふれていること等が気になってです。ところで、この記事を書き始めた途中でまたもやTV。1月31日PM7時30分~のNHKのクローズアップ現代「ヨーロッパからの“新しい風”【4】」教育で国の未来を切り開けが私の目に飛び込んできました。今回も、本「人間力…」とTVクローズアップ現代の難しい組み合わせになります。
 
 堀田 力氏(著者)の紹介

 1934年生まれ。ロッキード事件担当の検事、退官後はさわやか法律事務所、さわやか福祉財団開設。犯罪と福祉の両極端の社会を見据える。
 詳しくは 堀田 力 Wikipedia 及び 堀田 力 ホームページ をご覧ください。 

   ~この本の内容より~ 

 時代が求める人間像は


 現代は「心の豊かさを求める時代」に入っており、そうした社会にするには「さまざまな分野でその特定の価値を実現したい人が、それぞれの知恵と能力とエネルギーを投入して、頑張って作り出していくしかない」と著者は言っています。そして新しい段階の日本が求めるのは「自分の頭で考え、自分で目標を実現できる行動力のある人」=「人間力のある人」だとしています。

 求められている人間力とは

 著者は「人間力は、自分を肯定してよりよく生きようとする自助の意欲、他者を尊重して助け合おうとする共助の意欲、自己をとりまくさまざまな事象(人、社会、自然など)を知覚するための知性と感性(情操)を含む、総合的な力」としています。そして、政府の教育再生会議はエリート教育にこだわり今の子どもたちの心を破壊し、日本の未来の力を奪っているとしています。これに対抗して著者らは教育再生民間会議を作っています。そこが出した 2007年6月22日の  提言から(求められる人材) は「人間力」の詳しい内容です。そして、「早く時代に合った教育、子どもたちに個性を認め、その主体性を育み、いきいきとし課題に取り組み考え、解決に挑む教育を」と求めています。

 「人間力」の育て方

 私たちもよく教育の目的として「生きる力」をあげます。それは今の子どもたちにそれが弱くなっていると感じるからであり、文部科学省もいっていることは知っていました。それが本書によれば最近、「人間力」ともいい出していたというのです。(人間力向上のための教育改革 人間力戦略ビジョン) 著者は「生きる力」というと、「自助」の意欲と能力だけで「共助」の意欲と能力が含まれないのではとし、それでは教育の目的として不十分だとしています。自助と共助の両方の意欲と能力を伸ばしてはじめて人間社会のなかでその人らしい生きる力を育てたといえるので「生きる力」に代えて「人間力」を育てることを教育の目的にしてはと提案しています。「教育基本法」第一条は、教育の最終目標として「教育は、人格の完成を目指し」といっていますが、著者はこれはいい換えれば「人間力をつける」ということだとしています。
 この後、本書では少子化と教育について、失われゆく兄弟、仲間との環境に代わるものを作り出すべきとし、地域の再生もからめ、取り組みの具体例が示されています。

 子どもを伸ばす教育

 この後、ケーススタディ1 注目を集めるフィンランド教育について 中嶋 博氏との対談。ケーススタディ2 試行錯誤を続けるイギリスの教育 野口 徹氏との対談 と続きますがそれほど目新しく思われることもないため、この記事の追記ーTVクローズアップ現代を取り上げる中で触れます。二つの対談の間に「教育再生の方向」という章があり、政府の「教育再生」が強引なこと、逆行していること、これに対して「ゆとり教育」、「総合学習」、「少人数教育」、知識教科の「習熟度別クラス編成」などを重視することを提起しています。

 子育ての基本の基本

 著者は、教育や子育てが成功するための基本の基本は、子どもの自尊感情ーその子どもの存在そのものを肯定することー「自己存在の肯定」だとしています。子育ては子どもを自立させるために行い、教育は子どもの人間力を育てるために行うー基本。そして、そのためにはこうしたことが基本の基本。ということでした。
 それによって、子どもは、自分が受け入れられているという「安心感」をもち、人間を「信頼」し、人との「交流」を喜び、人に褒められたことに「誇り」と「自信」をもつようになる。そして、人に認められ、喜ばれる「快感」を求め、さらに自分の「長所を伸ばす」努力をし、人に疎まれる「欠点を是正」しようとする。と著者は語ります。

 追記ークローズアップ現代「教育で国の未来を切り開け」の内容

 1月31日(木)放送
ヨーロッパからの“新しい風”【4】教育で国の未来を切り開け

 グローバル競争社会で通用する人材をどう育てるか。この課題に「教育」という戦略で立ち向かってきたのが、一足早く安定成長時代に突入したヨーロッパの国々だ。「2010年までにEUを世界で最もダイナミックで競争力のある"知識基盤経済"にする」という野心的なビジョンの元、各国が独自の教育改革を行ってきた。教育に競争原理を導入することで学力の向上を図り停滞する経済の立て直しを目指してきたイギリス。一方、北欧のフィンランドは情報通信などの新しい産業を担う人材を育成するため「考える力」を重視する教育を実践、OECD(経済協力開発機構)のPISA(学習到達度調査)で"学力世界一"と評されるようになった。次世代を担う子どもたちをどう育てるか、考えていく。
(NO.2530)

ゲスト : アンドレア・シュライヒャーさん
    (OECD教育局指標分析課長)

                             -NHKオンラインより転載ー

 放送では2006年のPISA調査の結果、日本の子どもたちに「考える力が身についていない」と指摘されていることを受け、EUの教育の最前線としてイギリスとフィンランドの取材の報告がされました。
 まずイギリスでは、20年前、イギリス病といわれ国が停滞している中、サッチャー首相が競争原理を導入する教育改革に乗り出し、全国学力テスト、学校選択制などを実施。それによって、社会に活力は戻り経済成長も上向しましたが、子どもたちの学力格差が拡大しました。ブレア首相になってこれを修正。底上げのため教育予算の2倍化、教師の大幅増員と基礎学力向上戦略を取り、学校、教師を手厚く支援しました。 ただ私が見ていても、まだまだイギリスの場合、問題は山積していると思いました。本の中で堀田氏がいっているように「イギリスの教育から学ぶべきは、子どもたちの可能性を見つめ、しっかりと大人たちが付き合っていくことの大切さ」だと思いました。
 一方フィンランドの方は、16年前、1991年のソ連の崩壊でそれまでソ連に経済的に大きく依存していたために深刻な不況に。失業率は20%を超えました。国家の危機を乗り切るために「教育は投資」「人という資本に投資するのが一番」と大胆な教育改革に着手しました。教育予算を大幅に増額する一方、権限(カリキュラム、教科書などの決定)を現場(子どもたち、校長、教師)に移しました。(それまでは今の日本と同じでした。)と同時に教師の質を大学院修了、半年間の教育実習などで高めました。教師は知識を教えるのではなく一人ひとりの子どもの能力、やる気を把握し、それにあった教育を、子どもたちが自ら発見し、考え、行動するのを手助けする。子どもたちに考える力を身につけさせるのは、将来、問題が起きた時、それを解決する能力を持っていることであり、国の未来を切り開くことだとしています。本の中で堀田氏は「フィンランドの評価は、競争・序列化とは無縁で、一人ひとりの子どもを励まし、伸ばすためのものであることを理解すべき」としていることにも私は同感です。
 最後にOECDの担当者は次のようにいっていました。
 「教育システムがうまく機能している国では、子どもにどのような能力を持たせるかというビジョン、政策が定まっています。そしてその教育改革の鍵は、三つ。 ①教師まかせにするのではなく、行政がきちんと現場を支援する体制が大切。 ②権限が、学校現場に移されていること。 ③子どもたちの進む方向、門戸が広く開かれていること。(子どもたち一人ひとりに対する支援体制が出来ていること。) この三つの要素が整うことが現在のグローバル競争時代には必要であり、それぞれの国において教育の役割はかつてなく重要になってきている。」と答えていました。

 さいごにー今後の課題

 文部科学省もいい出しているこの「人間力」が、「生きる力」に代わって定着するかどうかはまだ分かりません。この「人間力」でいっている内容が、私には、「PISA型学力観」に近いもの、両者に共通するものがあるように思われます。しかし、この「PISA型学力」についての理解が、現在、日本では少し混乱しているように思われます。調査の結果だけ、表面だけしか見ていない反応が多く見られます。フィンランドの教育事情についても同様です。私自身も、これらをもう少し整理することを今後の課題にしたいと思っています。まず今は、とりあえず「PISA」を正確に理解する手がかりとしてネット上で見つけた PISA型学力とはINT を紹介するにとどめます。
 この記事は本とTVの紹介が主で、私の感想等は僅かになってしまいました。それは、今後の課題としたことを後日改めて展開する中でもう少し充実させていきます。
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