触媒生活

セカンドライフに入っての日常生活を文章、日記などで表現します。「触媒」のような役割を果したいというのが私のモットーです。コメント等をブログでも受けますが、連絡はメールでfa43725@yb3.so-net.ne.jp まで。

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ウェブ進化論、ウェブ時代をゆく

<BOOKS> ④
  「ウェブ進化論」と「ウェブ時代をゆく」を読んで

 「ウェブ進化論」   2006年2月第1版 
 「ウェブ時代をゆく」 2007年11月第1版 ともに梅田望夫著(ちくま新書)

梅田望夫 氏(著者)の紹介
 1960年生まれ。94年よりシリコンバレー在住。97年コンサルティング会社創業。2000年ベンチャーキャピタル設立。05年(株)はてな取締役。経営コンサルタント。
 詳しくは、梅田望夫Wikipedia、 梅田望夫ブログ を参照のこと。

 「本との出会い」の大切さ

 「ウェブ進化論」を本屋で立ち読みしていて気になって(当時ベストセラーとして続いていていたか?)買ったのは1年以上前。その後、その他の本と同じツンドク(積読)に。それが第2弾の「ウェブ時代をゆく」は、昨年末出て、このブログを始めたこともあって今年1月には購入。さて読もうかなと思ったけれど、ここはやはり、第1弾からに。1冊目、2冊目と読み進めるうちに、今この時期にこの2冊の本を読むということがいかに私自身にとってタイムリーなものか実感しました。「本との出合い」の大切さ、その「本を何時読むか」の重要性を感じました。そう、私にとっては「ウェブ進化論」は1年前でなく、「ウェブ時代をゆく」と一緒に今、ちょうど読むべきタイミングだったのです。

 本をどのように読むのか

 本の紹介や批評・感想に入る前にまたまた寄り道ですが少しお付き合い願います。実は著者が昨年11月14日に丸の内にある丸善で リアルの世界に生きる人は、ウェブ時代をどういきたらいいのか という講演会を行っているのですが、その中で、 「本を頭で読むのか、心で読むか」 ということをいっています。梅田氏は「ウェブ進化論」は頭で読む人でもOK,しかし、「ウェブ時代をゆく」は心で読む人に届くものがあると…「ウェブ進化論」では「ウェブってこうなっている」と頭で読む人に。心はネット時代を切り開いている最先端の若い人に。「ウェブ時代をゆく」はネットベンチャーでもITエンジニアでもない、残りの人たち全部に向けたもの。全ての老若男女がウェブ時代にどう生きるかを、生きていくエネルギーや答えを得るために心でこの本を読んで欲しいとしています。

 さて私は「ウェブ進化論」は少し、頭で、少し、心で読ましてもらいました。「ウェブ時代をゆく」は確かに私なども対象にしているようなのでほとんどは心では読みましたが、頭で読んだ部分もあります。つまり、全てを二分法で振り分けるには無理があると思います。私などはこれらに加え、 「体で読む」 とでもいうものを加えたいぐらいです。趣味としている水泳とか、必要性からしている健康法やトレーニングなどに関する本は、読んで体を動かしているので文字どおり「体で読む」ようなことになります。そして、そうした本の中からでも生き方に関わることが出てきます。つまり、心で読む部分もあるのです。

 「ウェブ進化論」の内容について

 2年前に書かれたこの本のサブタイトルは「本当の大変化はこれから始まる」というもの。それから2年が経った現在、著者が「長い時間をかけて緩やかに起こる。」といっていた「大変化」は、私にはこの短い間にも急速に進んでいると思われます。それは、著者がこの本の中で紹介しているウェブに関するテクノロジーについて ブログロングテールオープンソースウェブ2.0などの現象の解説の適切さ、、その他この本で行われた様々な概念のまとめの一般への浸透にも現れています。

 著者は、ウェブ世界での潮流として、仮想空間上でコストゼロで通信できる「インターネット」、技術革新によるIT関連コストの劇的な低下=「チープ革命」、一つの仕事を複数の人が無償で行う「オープンソース」の3つを挙げています。これらの3大潮流の結果、「神の視座(全体を俯瞰する視点)からの世界理解」、「ネットに作った分身(ウェブサイト)による新しい経済圏」、「無価値と思われていたものも塵も積もれば高付加価値に」のネット世界の3大法則に基づき発展し始めているとしています。

 そしてこうした流れを最大限体現しているのがグーグルだとしています。グーグルは「世界中の知を再編成する」という壮大な構想を実現するために情報やそれを処理するシステムをインターネットの「あちら側」に構築したこと「アドセンス」事業を構想・実装し「富の再配分システムまで構築しようとしていることを採り上げています。こうしたことをするためグーグルは技術をひたすら信奉し、「人間の介在」なしに自動的に事を成して行き、そのことによって「世界はより良い場所になる」と信じているとしています。

 ブログ人口は2005年にアメリカで2000万人、日本で500万人,2006年3月で868万人なので現在は1000万人位?急速に増加しています。このように社会現象化したのは一つは「量が質に転化した」からと二つ目にITの成熟-グーグルによって達成された検索エンジンの進歩とブログの周辺で生まれた自動編集技術-があるといいます。文章、写真、語り、音楽、絵画、映像…と表現の範囲の可能性が広がって「総表現社会」が訪れていると。(私は、まだ初めの方だけ、娘は既に最後まで)ブログは、個人にとって信用創造装置・舞台装置となり、また「知的生産の道具」となるといいます。(このあたりは今、私も大変感じているところ)

 オープンソース現象はそれがソフトウェアー世界を超え、世の中全体に応用できる考え方ではないかとし、リアル世界での具体例として ブッククロッシング を挙げています。「街中を図書館に」、「世界が一つの大きな図書館に」という発想は、私には興味を引くものですが、リアル世界ならではの物理的制約があるためその発展のスピードは遅いと。一方、ネット空間は全く違うといいます。「コストゼロの空間」であるため「誰でも参加できる百科事典」 ウィキペディア は「そこそこ」の信頼で「完壁」ではないが、急速な発展、日々、進化を続けているといいます。

 私たち一人ひとりの力は知れています。しかし、これがマスコラボレーションとなった時、大きな力を発揮します。それを著者は「不特定多数の参加するネット社会では、ネット全体が賢くなる。」と考えています。(http://www.asahi.com/digital/column/column03_2.html)彼は、スロウィッキーの「「みんなの意見」は案外正しい」という本からの仮説「「個」が十分に分散していて、しかも多様性と独立性が担保されているとき、そんな無数の「個」の意見を集約するシステムがうまくできれば集団としての価値判断のほうが正しくなる可能性がある。」をネット空間が正にそれにあてはまるとしています。不特定多数無限大の良質な部分にテクノロジーを組み合わせることで、今のネット世界の混沌を良い方向にかえていけるはずとしています。彼は自分でも楽天主義としていますが前向き、行動的です。

 最後に「あとがき」で著者は「ウェブ進化」の語り口に、「楽天主義」「共通言語」を挙げています。共通言語のほうですが、はじめの方の「本をどのように読むのか」のところで触れたように「心で」が若い人に、それに対し「頭で」はどうも私のような者を対象にしていてのことらしい。二つの別世界があるのでそれを架橋するその共通言語としての本書を書いたといったところか?本書が出版されて2年。私に関してはようやく著者の意図が実現したのではと思いました。

 「ウェブ時代をゆく」の内容について

  ウェブに関するテクノロジーを解説した「ウェブ進化論」に続く第2弾のこの「ウェブ時代をゆく」は、主に若い人たちに向けたウェブ時代の生き方、働き方を書いています。大変化の始まっている現在を、著者は、「21世紀の最初の何十年かをかけてネット空間は「知と情報」に関しては「リアルな地球」と同じくらい大きな「もうひとつの地球」とも言うべき存在へと発展する。」としています。既に不可避となったウェブ進化の中でこのネット空間は様々な矛盾、難題を抱え混沌としている。そしてその解決には楽天主義を貫き、「好きを貫き」、この大変化の現在を「混沌として面白い時代」としてとらえる心構えをするよう呼びかけています。

 次に再びグーグルについて採り上げています。グーグルは「パブリックでオープンでフリーな」インターネットの世界(もうひとつの地球)の中心を、インターネットの意志を実現する(「こちら側」のパソコンに情報やアプリケーションを持たずとも「あちら側」から提供されるようになるのが「コンピューター・サイエンスの進化のあるべき姿」でありそう進化させること)という信念を持って担っているとしています。しかし同時に営利企業でもあるグーグルは「検索連動広告」という奇跡的な組み合わせでその矛盾を解決していると。そしてこの「もうひとつの地球」と言うほどの「知と情報」の広大な空間構築は、これからも広告収入だけで賄われるとしています。ウェブ2.0(ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者ではなき能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢)において重要なことは、そのサービスが無償あるいはそれに限りなく近い形で提供されることだとしています。

 そしてウェブ進化は、経済や産業に及ぼすインパクト以上に私たち一人ひとりの生き方に大きな影響を及ぼすとしています。本書では「「知と情報のゲーム」がこれから本格的に始まる。」と。「豊かな時代の究極の楽しみは「クリエイトすること」、それがWeb2.0」(海部美和)というような引用もして「もうひとつの地球」が「人生のインフラ」になる時代に入ってきているとしています。そしてこれからの時代に、与えられる利便性や自由の代償として「新しい強さ」を身にきつけることが必要としています。その強さについて「新しいリーダーシップ」について、この時代の生き方と働き方について「「高速道路」と「けものみち」」を書いて「けももみち」を歩むヒントに「ロールモデル思考法」を書いています。自分の総合力が生かせて何でもアリという「けものみち」については、そこで必要な「けものみち力」=「人間の総合力」の内容が何と21項目も挙げられています。私に言わせればこれも現在整理中のPISA型学力に近いものであると思われます。

 「手ぶらの知的生活」で、これからの知的生活には資産より時間が重要になってくるとしています。ネット上にアレキサンドリアの理想どおりの万能図書館が誰にでも無償で開かれる時代になるとしています。グーグルはすべての本をコピーして巨大な書籍検索エンジンを作ろうと、マイクロソフトも大英図書館等と組んで大規模に始めています。(アジアではまだ慶応大学が応じただけ)英語圏では10年後(遅くとも20年後)には「人類の過去の叡智」に誰もが自由にアクセルできる最高の環境ができあがるとしています。(日本語圏は遅ている。)このことに加え、「ネットは知恵を預けると利子をつけて返す銀行」ということは、 トラックバック のことをいっているわけですが、著者はさらに「脳を預けたらそれが膨らんで戻ってくる」と表現し、「脳をネットに預け、他者の脳と接近したことによって得られた知的興奮の連鎖=新しい「ダイナミックな知の創造のプロセス」を実感した。」としています。
 また著者は別のところ、中央公論(2008.1)で「脳の限界を取り払うもの、能力の増幅器と考えてウェブを使いこなす」ともいっています。このことは私が5年前に「本のある広場」第4号で発表した 人類の進化と脳・図書館・コンピューター の中でいったことに通じるものがあります。(その2年後に書いた第7号で「栗原市における図書館システムの現状と課題ー図書館=脳の視点から考えるー」は現在うまくウェブ上に出ません。)インターネットと図書館、そして人間の脳。これから、これらがどの様な関連性を持って進化していくのか、私たちは、これらをどう使いこなしていくのか、このことを今後も注視していきたいと思います。

 この後、前作と同じにオープンソース勃興が組織の仕事に及ぼす影響を「大組織 vs.小組織」で展開しています。この中で「情報共有の持つ深い意味、情報共有できる基盤としての信頼の意味を、もっと真剣に考えるべき時期に来ている。」として、オープンソース勃興が組織につきつける本質的問いを=「不特定多数無限大を信頼し情報共有できるものなら、そもそも一定の信頼が存在する「組織を構成する特定の人々」を対象に同じような考え方が導入できるのではないか。」としています。そして、グーグルを「情報の流通によって個の自由を徹底的に追求する」という思想をもとにした「組織と個の新しい関係」を模索している。としています。ここから著者は若い人たちに向けて会社、職業、働き方、などについてのアドバイスが続いていきます。しかし、私はこれとは別のことを考えます。これまでの私のブログの中で、BOOKS「考えないヒト」と「ヒトデはクモよりなぜ強い」の最後で、「個人と組織について」を課題として残したように、私にとってこの問題は、ボランティア、NPO、市民運動等から始まって、地域、自治体、国、世界と広がるものです。

 さて著者は、この本のまとめ?特に若い人たちに言いたかったことは「これからの時代にウェブ・リテラシーを持ち、サバイバルの意思を持って、リアルとネットを創造的に行き来しながら努力すれば、きっと道は開ける。ウェブは、「志」を持つ人にとって大いなる味方たる存在なのだ。」(P239)ということだと思いました。しかし、ここでも私、(あまり対象とされていないことを僻んでいる訳ではないのですが…)は、この「ウェブ・リテラシー」なるものに引っかかるのです。本書ではこれを次の4点にまとめています。
 ①ネット世界の仕組み、原理をよく理解している。②ウェブ上での表現ができるサイト構築能力がある。③「バーチャル経済圏」の仕組みを理解しウェブ上で新しい技術でサイト実験ができる。④ウェブ上の新しい技術を独学できるレベルまでITやウェブの理解とプログラミング能力を持つ。(ただ、ウェブ・リテラシーの定義はまだ定まっていないらしいです。)
 私などはせいぜい①と②が少しだけの程度です。これからも少しは勉強していくつもりですが正直言ってかなり厳しいです。
 今、私の手元に読みかけの本 「ITがつくる全員参加社会」 (NTT出版2007.12.27発行)があります。その中に 平成18年通信利用動向調査があり、世代別のインターネット利用状況が出ています。40歳代で90%超、50歳代で75%、60~64歳で60%、65~69歳で48%、70歳代で32%、80歳代で16%となっています。そして「50歳代の利用率はほぼ一定で、60歳代前半も4ポイント弱の改善に過ぎないから、このままのペースでは、5年先でも利用率は75%程度が精一杯で、高齢者の1/4はパソコンとは接触しないまま生活を送っているだろうと、推測できる。」とし、この本では、高齢者に対しての 情報アクセシビリティ(情報格差も参照のこと)の改善を提起しています。
 しかし、私は現実にはもっと情報格差があるのではないかと思っています。この本では男女差には少し触れていますが、地域差、職業差についてはほとんど触れていません。私の住む東北の農村では各世代ともこの数値よりさらに20ポイント減が私の実感です。(80歳代ではマイナス?ーほぼゼロです。)またパソコンに接触しても、受身のままで自ら情報の発信ができなければ、ウェブ時代では殆んど意味を成しません。こうした現状を踏まえて何ができるか、私自身に何が求められるかを考えてみたいと思いました。このことはもうこの方30年近く図書館づくり運動をしてきたことと共通性があると思われてきました。

最後に…二冊の本を読んで、私はどうするのか?

 この二冊の本を私は、それぞれ少しずつ違いますが「頭と心」で読みました。読んでみてこのウェブ時代を生きる答えを出せるまでにはまだなっていません。しかし、そのためのヒントぐらいは得られたのではと思っています。それで具体的にはどうするか、まずは、情報のインプットについて。ブログを始める前からグーグルなどは活用していましたが、始めてからはそれに拍車がかかりました。しかし、まだまだ不十分。グーグルを使い倒すくらいに効率よく、かつ広範囲に進めていく必要性を感じました。他のブログからの吸収も同様です。それからアウトプットについて。数年前のホームページに続き今度のブログとFC2ブログをネット活用で12月末からバタバタと始めたのはいいけれど試行錯誤の連続です。詳しい娘はもう既に四国に帰ってしまい、これからきちんと自分で勉強し直すしかありません。多分、実名にする、トラックバック等を入れ双方向にするなどの変更をして、近日中に「改装開店」の運びとなると思います。(乞う、ご期待!)その他、本に書かれていた「手ぶらの知的生活」にどれだけ近づけるか、これはだいぶ時間がかかるように思いますができるところから試してみようと思います。
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