触媒生活

セカンドライフに入っての日常生活を文章、日記などで表現します。「触媒」のような役割を果したいというのが私のモットーです。コメント等をブログでも受けますが、連絡はメールでfa43725@yb3.so-net.ne.jp まで。

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体で読む本-①

<BOOKS> ⑤
 「泳ぐことの科学」を体で読む-体で読む本-①

 「泳ぐことの科学」 吉村 豊(吉村 豊氏の紹介)・小菅達男(共著)
                                   NHKブックス 2008.1.30第1版

 「本を頭で読む、心で読む」ということに付け加え、自分で勝手に「体で読む」というのもアリとした手前、ちょうど昨日読み終わったばかりの本、「泳ぐことの科学」を紹介します。この本はつい最近、新聞広告で見つけすぐ、アマゾンで注文。それでも例のごとくツンドクになりかけていた矢先、「体で読む」などと言ってしまったために結構早く日の目を見ることになりました。

 本の内容の紹介

 この本は、まず水泳というものを根本から 「泳ぐとはどういうことか」(第1章) と考え直し、さらに科学的知見を用いて泳ぎのメカニズムについて 「各泳法を分析する」(第2章) として解析しています。そしてさらに、泳ぎを動作ごとに分節化して練習し、各動作を再構築して泳ぎを創り直し、そのことによって理想的な泳法に近づけるように修正しようという 「ビルド」(BLD) という新しいトレーニング方法について解説しています。「ビルドとは何か」(第3章)

 この「分節化」を何故するかについて次のように言っています。-「私たちが一般にクロールや平泳ぎと思っている泳ぎには、実はいろいろな泳ぎがあり、その個人に適した泳ぎを取り入れることが一番大切だからです。短・中・長距離の違いによって、また個人の筋肉の付き方や太さ、体組成および関節の柔軟性などによっても泳ぎ方は異なってきます。」

 さらにビルドでは、「水感や体感などの水中における泳者の感性を磨くと同時に、繰り返し行う練習によって脳や神経系を刺激し、自在に最適な泳ぎを創ることができる。」としています。この脳や神経系に働きかけることの効用について、「…何度も何度も同じ動作を反復していくうちに、脳がその動きを覚えはじめて、最終的には意識せずともオートマチックに動けるようになる」(市川繁之氏の PNF理論 から著書「脳を鍛える筋トレ」より) としています。このようにビルドは、考えている動作(脳動作)と、実際に行う動作(実動作)を近づけていくことができる練習方法だということです。この後、「ビルドを体感する」とし、クロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライの4泳法についてそれぞれのビルドについて図入りで解説しています。

 第4章「世界水泳の舞台裏」では、世界水泳などの第一線で活躍する水泳選手を支える舞台裏について、第1節では、チームで勝利をつかむ は泳ぎの進化を支えるコーチングや組織力、選手を支える環境作りについて。第2節では著者が関わった科学的なトレーニングについて説明しています。特に「科学的トレーニング」の節は、主に選手育成について水泳界の発展のためには、組織的かつ科学的な取り組みが欠かせないことがよく分かります。さらにこれが、一般化され拡がれば、私たち一般の水泳愛好者にも水泳教室等で教わったり、自分で参考にしたりして取り入れることができると思います。

 最後の第5章「中高年のための水泳教室」は、まさに私などにはピッタリのところ。第1節、「中高年の身体変化と運動」では、中高年に必要な運動として、有酸素運動、筋力運動、バランス、ストレッチの四種類のタイプが大切としています。持久力を高め、健康増進に適した有酸素運動として水泳をする場合は、「自分のレベルに合わせたスピードでゆっくり泳ぐことがとても大切」「理にかなった泳ぎ方とは、決して頑張って早く泳ぐことではなく、基本を身につけスムーズに、効率よく泳ぐことができる状態で」としています。また「水泳を30分以上、長く楽しくゆっくり行うことによって心身の健康にもよいヒーリング・スポーツになっていく可能性がある」としています。この後、第2節で「水泳プログラムをやってみよう」と具体的な練習メニューと効果が紹介されています。

 私はこの本をどのように体で読んだか

 私は、健康増進のため水泳を栗駒のプールを使い始めてから10年近くになります。初めは”カナヅチ”といってもいい位の程度。当時は仕事が忙しい時期には行けなくて上達も遅く、クロール一つとっても息継ぎがきちんとできてまともに泳げるようになるのに4~5年もかかっています。その後、通年なんとか通って他の泳法にも取り組み、クロールでは1500m、他も25mはこなせる程度にはなっています。ここまで上達したのは栗駒のプールでの水泳教室のおかげと思っています。

 ここで最初から私が指導を受けているのが、 菅原流水健康塾 の菅原敏幸氏です。先生のトレーニングの指導方法は「ビルド」という名称は言っていませんが実際には同じようなことのように思われます。(まだ確認してませんが)動作ごとの「分節化」は常にしていることで、これを何度もドリルとしてこなし、そして組み合わせ、最後に完成した泳ぎにする。つまり、ビルドしているわけです。この本に出てくる各泳法の「ビルド」も同一ではないもののかなり近いことを指導されてきました。この本でも「泳ぎ自体を客観視することが重要」とし、水中映像を使っての分析を紹介していますが、水泳教室でもそれは何度か行いました。

 この本を、この水泳教室での先生方の指導を思い出し、自分で少し手や足を動かして、頭の中でイメージを作りながら、確認しながら読んでいきました。水泳教室は時にはホワイトボードを使っての文字を書いての説明もありますが、プール内で自ら見本を示す他は、当たり前ですが殆んど全て言葉掛けによる指導です。ですからこうした指導とピッタリ合う、この本のような文章は大歓迎です。

 ですから、私の場合、少し説明不足だったと思いますが、「体で読む」とは、「体の身体感覚を動員して頭(と心)で読む」ということです。簡単に言えば「頭で」とは、「知識として、HOW TOとして」ということで、「心で」とは、「生き方、あり方、などに係わるように」読むということではないかと思います。それでは、一般によく出回っている水泳に関するHOW TO本と、この本はどこが違うか、ということについて述べます。一般のHOW TO本は、「頭で読む」+「体で読む」。(「心で読む」はあってもほんの僅か)その「体で読む」も「体の身体感覚を動員して頭で読む」のであって、(心)はありません。 それでは、この本はどうなのか?実は「体の身体感覚を動員して心で読んだ」と明確化できるところは、はっきりしないのです。「ビルドを体感する」となっているところの殆んどは「心で」ではなく「頭で」読んでいます。(「心も関係する」位か?)しかし、その他の本全体に「心で読む」ところがいくつもあるため、やはり一般のHOW TO本とは大分違うということになるのです。

  私が「心で読む」を一番感じたのは、P138~「プロのコーチとは何か」のところ。著者の吉村氏がアメリカのコーチでも科学者でもある恩師マグリスコ氏との出会いから科学的トレーニングの必要性を強く感じる件です。吉村氏がマグリスコ氏から学んだこと-「研究や文献から得た新しい情報を選手に活用するために積極的に取り入れていく姿勢、コーチが選手に接する姿勢、しっかりした説明と具体的な目標を提示して、やる気を出させるために科学を大いに利用する姿勢など」。この本は一般向けに書かれたものですが、この本全体に吉村氏のマグリスコ氏と同じ姿勢が感じられるのです。また吉村氏は水泳の歴史を紹介し、それが今の形にどのように繋がったのか、そして、泳法は(トレーニング方法も)現在も進化し続けているという。「あとがき」でも「これからのコーチングは、従来のプールサイドから水に入らないで、一方的な指導をしたり、優秀な選手の一本釣りなどの「不自由な時代」から、選手とコーチが双方向に頭で考えながらお互いに納得し合って成長していく「自由な時代」へと生まれ変わろうとしています。」としています。
 こうした姿勢で書かれた本書は、水泳を科学的に分析した最先端の成果を、一般の水泳愛好家である私などにも本当に分かりやすく紹介しています。そして、私は、本書を「体で読む」と同時に「頭で読む」ことも「心で読む」こともできました。
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