触媒生活

セカンドライフに入っての日常生活を文章、日記などで表現します。「触媒」のような役割を果したいというのが私のモットーです。コメント等をブログでも受けますが、連絡はメールでfa43725@yb3.so-net.ne.jp まで。

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政府は必ず嘘をつく

<BOOKS> 46           2012.8.26 

政府は必ず嘘をつく  アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること

出版社: 角川マガジンズ(角川新書) (2012/2/25)

<著者> 堤/未果 

ジャーナリスト。東京都生まれ。ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連婦人開発基金(UNIFEM)、アムネスティ・インターナショナル・NY支局員を経て、米国野村證券に勤務中、9・11同時多発テロに遭遇。以後、ジャーナリストとして各種メディアで発言、取材・執筆・講演活動を精力的に続けている。主な著書に『ルポ・貧困大国アメリカI・II』(岩波新書)、『アメリカから自由が消える』(扶桑社新書)など。

<内容紹介> 

3・11以降、原発事故・放射能問題からTPPまで、政府や東電、大手マスコミの報道は隠ぺいされたり、偏った見方が蔓延るなど、国民に真実が知らされない中で、洪水のように情報が発信されている。アメリカでは9・11の同時多発テロ以降、大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義「ショック・ドクトリン」によって貧困格差が拡大し続けている。 何が本当なのかが信じられなくなった今、どうすれば私たちは真実を手にできるのか。
 著者は日本国内の状況を追いながら、並行して貧困大国化するアメリカに何度も足を運び取材した。アメリカで目にした惨状、日本に帰るたびに抱く違和感は、やがて1本の線としてつながる。それは、3・11後の日本の状況が、9・11後に格差が拡大していったアメリカの姿に酷似し始めているということだ。そして、その背景にあるものは、中東の春やTPPなどと、同一線上にあるものだった。「情報が操作され、市場化の名の下に国民が虐げられているアメリカの惨状を見るにつれ、このままでは日本が二の舞になる」と警告。今こそ、自らが考え、行動し、真実を見抜く目を持つことの意義を問いかける。

<目次>

プロローグ 「ウォール街のデモが意味するもの」
第1章 「政府や権力は嘘をつくものです」(「ただちに健康に影響はない」には気をつけろ―9・11作業員の警告―、
「情報隠ぺい」が作ってきた世界の原発の歴史、御用学者の作り方、スリーマイル島がん発事故後のがん増加はストレス!?
ノーベル平和賞を受賞した国際機関IAEAは原発推進、WHOがチェルノブイリの被ばくを過小評価するわけ、<風評被害防止>という大義名分の下政府がネットを監視する、「復興特区」の名の下に市場化されつくしたニューオリンズ、TPPでも政府は嘘をつく)
第2章 「違和感」という直感を見逃すな(「民主党と共和党、どっちが貧困を悪化させますか?」、「民主化革命」という名の新しい侵略、報道されなかったもうひとつのリビア、これは「メディア戦争」です、嘘と真実を見分けるのは年々難しくなっている、
従順な人間を作る教育ファシズム、客観性を奪うテレビ個人情報が売られるネットなど)
第3章 真実の情報にたどりつく方法(市場化を導入するための国民“洗脳”ステップ、腑に落ちないニュースは、資本のピラミッドを見る、ニュースに登場する国際機関の裏をチェック! 、日本のTPP加盟はアメリカの陰謀だという誤解、グローバリゼーションは世界に何をもたらしたのか?、顔のない消費者でなく人間らしく生きる
エピローグ 「3.11から未来へ」

<内容からの要約メモ(私が注目したところ)

WHOがチェルノブイリの被ばくを過小評価するわけ

チェルノブイリ出身のジャーナリスト、ジプシー・トープ-「IAEA、WHO、ICRP,UNSCEARといった国際機関は、チェルノブイリ原発事故について非常に過小評価した報告を出し続けている」「彼らはみな原発推進の機関…」「世界唯一の被曝国として半世紀もの間、核廃絶を訴えている日本の国民が、なぜこんなにも放射能について無知なのか。そして、地震大国でありながら54基もの原発と共に生きる子供たちに、なぜ大人は放射能に関する教育をしないのか?」 福島原発事故を<人災>にしたものとは何だろうか。<教育>というセクターもまた、<原子力村>の闇を支える一因になっている。(P55)

TPPでも政府は嘘をつく

 TPP全加盟国の中でアメリカだけが、自国内法と異なるルールが検討事項に挙がった際、議会の承認が得られないことを理由に拒否できるのだ。これはTPPが自由貿易ではなく、アメリカ政府が要求するルールに支配されるものであることを示している。(P79)
歴史学者のハワード・ジンがイラク戦争真っ只中の学生たちに繰り返し伝えた「政府や権力は嘘をつくものです。」という言葉。それは単なる政府批判ではなく、未来を創る際の選択肢を他人任せにするなという、力強いメッセージだ。(原子力村)を肥大化させ、無責任な政府や選択肢を提供しないマスコミを野放しにしてきたものの存在が、アメリカの<失われた10年>を通して私たちを揺さぶってくる。問われているのは、私たち自身のだと。(P91)

「民主化革命」という名の新しい侵略

 戦争の大義名分が「大量破壊兵器」から「独裁者を倒してイラク民主化を支援」に変わったイラクも、分かりやすい例のひとつだ。投資家や金融機関のための大幅な規制撤廃と民営化が行われ、国内企業が次々と倒産する中で、外資が巨額の利益を手に入れている。仕掛けているのは誰なのか、何のための<民主化>なのか、体制転覆に利益を得ているのは誰なのか。…「民主化」「市民運動」という言葉のイメージに騙されず、背景や利害関係を見て判断しなければならない。(P112)

報道されなかったもうひとつのリビア

 どんな戦争にもその背景には<資源>や<通貨>といった巨大な利権に対する、各プレイヤーの思惑が絡んでいるのだ。豊かな国有資源を持つイラクが、フセイン転覆後に大資本の“特売場”と化したように、リビアの富もまた開かれた市場に”新商品“として並べられるだろうか。(シリアでも同様なことが…)(P125)

従順な人間を作る教育ファシズム

「アメリカの<失われた10年>で最も打撃を受けたのは、<公教育>です」「9.11以降、政府が進めてきた教育改革は、強力に規格化された点数至上主義と厳罰化による教育現場の締め付けでした。<恐怖>は国民を委縮させ、統制するのに有効なツールです。テストでいい点数を取らなければ、生徒は学校から切り捨てられ、教師は無能だとして処罰される。効果はあったようです。その結果、皆が怖がってモノを言わなくなってきましたから」(P137)
 イギリス、日本でも…大阪府が出した<教育基本条例>がこれと同じ路線の教育改革を掲げています。「教育を<商品>に、子供たちや保護者を<消費者>にし、テストの点数というサービスを提供できない教師は処分され、結果が出せない学校は売り上げの悪い店舗のようにつぶされていく。アメリカのあらゆる分野で行われていることと同じです。」…ファシズムを産み育てるのはいつだって大衆の無知と無関心だ。(P140)

腑に落ちないニュースは、資本のピラミッドを見る

 「どうしても腑に落ちないニュースがあったら、カネの流れをチェックしろ」(恩師ブドロー教授の言葉)
なぜ、東京都は都民の反対を無視して、瓦礫の受け入れと焼却をすることになっているのか。入札とはいえ、条件を備えた業者は1社のみ。東電の出資先(95.5%)の子会社が受託することになっている。東電は、瓦礫処理にかかる費用を一切負担しなくていいどころか、汚染瓦礫の処理で利益を、さらに瓦礫焼却による発電からも利益を。東電に天下りした官僚の約半数を、東京都幹部が占めている。そして東京都は、東電の大株主。
 除染事業でも同じ構図が。除染作業も日本原子力機構が受注など、巨額のお金が、事故後も「原子力村」の中でぐるぐる回っている様子が説明されています。<原子力村>とイラク戦争、共通しているのは、閉じられた世界の中で巨額の利益が効率よく回り、いのちが軽視される構図だ。(P168)
グローバリゼーションは世界に何をもたらしたのか?
 「<グローバル化>が途方もない豊かさをもたらすというのは本当でした。その繁栄を謳歌したのが、1%と呼ばれる、ほんの一握りの人だけだったということを除いては」「アメリカはグローバリゼーションと<コーポラティズム(政府と企業の癒着)>の二つによって国家が内部崩壊したモデル。多国籍企業は市場にとって最も邪魔な国家の規制を、自由貿易という旗を掲げながら、国家間の枠組みを次々に緩めていった。アメリカでは多国籍企業は政治を買い、メディアを手に入れ、<コーポラティズム>が社会のあらゆる場所に、市場原理支配を浸透させてきた。金融の大幅な規制緩和で引き起こされたリーマン・ショックをはじめ、教育や医療、環境や雇用、メディアや福祉など、あらゆる分野の“商品化”が進んでいる。(P185)
 「非正規社員、正社員ときたら、次のターゲットは公務員…」 初めは教育、…次に財政難になった自治体に資本の手が伸びた。(自治体民営化) 住民の公民権が剥奪されようとし、多くの公務員が解雇され、…多くの公共サービスが次々に廃止。コスト削減?結果は逆で、今後は税金がうなぎのぼりに上がる。(P187)

顔のない消費者でなく人間らしく生きる

 点のニュースに騙されないために最も大事なことは、歴史をしっかりと見ること。
 <アメリカ型独裁資本主義>の最大の功罪は、国民を市民でなく消費者にしてしまったこと。顔があり名前があり、生きる選択肢を持つことを根底に置いた市民と、単に生産を支える数として位置づけられることは、天地ほど違う。(P200)
 TPP,FTA,格差と貧困の拡大、商品化した医療と教育。情報統制に<原子力村>、切り捨てられる被災地。未来に希望を持てない若者と高齢者、<革命>という言葉の裏に別な力が見え隠れする<アラブの春>。それらの点と点をつなぎ、一本の線を描いた時、浮かんでくるのは… 国境を越えて世界を飲み込むこのシステムに対する99%側の問いかけー<誰が民主主義を作るのか?>
 顔のない消費者から、名前や生きてきた歴史、将来の夢や健やかな暮らしを手にする権利を持つ「市民」になることと決めること。失望した政治を見捨てる代わりに、誰もが人間として尊厳を持って生きられる参加型民主主義の枠組みを作るために自分の行動に責任を持つこと。もう一つのグローバリゼーションは国境を超え、このシステムの中、さまざまな形でバラバラにされた私たちを、再びつなげる力に。(P201)

エピローグ 「3.11から未来へ」

 <原子力村>と<戦争ビジネス>。どちらもシステム維持のための強力なプレイヤーは、政・官・民・学とマスコミ、そして私たち国民の思考停止。(P.208)。推進する業界や癒着したマスコミ以上に、それを長い間支えてきたのは、私たちの無関心と、利益と効率至上主義の価値観。私たちの生活やこの社会を覆っている、歪んだ価値観そのものを問い直さない限りアメリカの二の舞になる。
 大切なのはひとつの情報を鵜呑みにせず、多角的に集めて比較し、過去を紐解き、自分自身で結論を出すことだ。震災をきっかけに多くの人にもたらされた、大切なものの優先順位や<自分自身にとって本当の幸せとは何か>という問いの答えが、生き延びるための情報を選り分ける、自分だけのものさしになるだろう。溢れかえる情報の中から、そうやって見つけ出した<真実>を手にした時,私たちはモノではなく人間になる。(P212)

<感想を少し> 

本書を読んでみて、著者が言っている「3.11後の日本政府の対応は、9.11後の米国政府とそっくりだ」「1%の人間が、99%の人間の尊厳を踏みにじる、その流れは「確実に」日本へ迫って来る」というのが頷けました。原発問題で<原子力村>に関心を持ちましたがそれが世界中にあること、この<コーポラティズム(政府と企業の癒着)>はかなり手強く今回も政府によって温存されているだけでなく、焼け太りにすらなりかねないことが分かりました。日本と世界の仕組みを変えていく長期のたたかいになりそうです。「日米だけで世界をみていては見誤る」という著者のメッセージも分かりました。私たちは、著者自身の言っていることも含めて多角的に情報を入手し、真実を見抜き、自分たち自身で判断しなければなりません。参加型民主主義のことも含め、今、進めている月例会の継続的な開催で、仲間とともにそれをやっていきたいと思っています。
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