触媒生活

セカンドライフに入っての日常生活を文章、日記などで表現します。「触媒」のような役割を果したいというのが私のモットーです。コメント等をブログでも受けますが、連絡はメールでfa43725@yb3.so-net.ne.jp まで。

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子どもの貧困・格差の問題

子どもの貧困・格差の問題ー読書環境から考える
                                     2008.6.22 
                       佐藤 茂雄(図書館をもっと大きく育てる会(栗原市)

 教育費の負担増が格差を増大
 
 現在の日本の広がる貧困と格差、その中で育つ子どもたちの問題。ここでは、貧困ライン(夫婦と子ども1人の世帯、年収240万円)以下の状態にある子どもたちが増えている問題も含みますが、もう少し、広い範囲で、貧困ラインより少し上であってもより一般的にある、子どもたちを取り巻く貧困と格差の問題を「読書環境」という側面から捉えてみます。
 子どもたちを取り巻く環境の問題には、健康、住まい、生活水準等もありますが、もっとも大きいのは、教育です。世界的に見ても日本は、親の教育費の負担が大きいです。小学校から「よりよい」教育環境を求めて私立を狙う「お受験」。さらに中学、高校と受験に対する意識の地域間格差も大きいものがあります。私立と公立の差、その公立の学費の値上げ、さらに塾等の費用が加わります。所得階層別に進学率の差が生じています。湯水のようにお金をつぎ込む親がいる一方、大学進学を経済的理由からあきらめざるを得ない家庭があり、それが増加しています。そして、現在の日本にはこの層には不安定雇用が多くなっています。ここから、社会に絶望や不満を持つ労働者、ニートの層が増えていっています。教育機会の不平等が子どもの将来の格差を生み出し、そしてその格差が今、まさに現在進行形で世代を超えて継承されていっています。

 栗原市の学校図書費予算化問題

 図書館をもっと大きく育てる会は、会報「本のあるくりはら」第9号で、「栗原市の学校図書費予算化問題」を取り上げています。全国で毎年200億円出ている学校図書費の2割超が他の目的に流用されていることが分かり、栗原市の分を調べてみたところ、2割どころか、6割以上、今年は3分の1しか措置していないことが判明しました。額にして、本来1772万円必要なところ、たったの600万円が、30小学校と10中学校に配られているに過ぎません。小学校の一校平均が約17万円、中学校のそれが18万円。全国比較すると、小学校は、平均で約43万円、最高が東京都の89万円、最低が島根県の約18万円。中学校は、平均で約60万円、最高が愛知県の約107万円、最低が高知県の29万円。どれをとっても栗原市は、それら全てを下回ります。子どもの読書環境の地域間格差は歴然としています。しかも、この学校図書費の流用は、今年だけでなくかなり前より常態化しているため、事態は深刻です。
 子どもたちの読書環境を整備するため、国は2001年に「子どもの読書活動推進法」を、宮城県も2004年に「みやぎ子ども読書活動推進計画」を策定しています。現在、各自治体での策定が進められていますが、栗原市は、ここ2年ほど策定を検討中と回答しているものの実際には、何も進めていません。2004年公表の「OECD生徒の学習到達度調査」で日本の子どもたちの読解力が低下していると指摘されています。「読む力」は「書く力」や「考える力」に関連し、全ての学力の基礎になるものです。学校図書館の充実計画を盛り込んだ「子どもの読書活動推進計画」を栗原市でも早急に策定することが求められています。

 栗原市立図書館の現状と問題点

 また、図書館をもっと大きく育てる会は、会報「本のあるくりはら」第8号で「栗原市立図書館の現状と問題点」も取り上げています。その中で、特に図書館資料費が、栗原市になって、市民一人当たり、100円前後と全国平均256円の半分以下の低水準のままであることを取り上げています。図書の不足がちな学校図書館への支援も図書館は行っていますが、資料、体制からいってもそれが一部にしかできない現状があります。合併後の2年間、図書館は急激に利用が伸びましたがこれは、車利用のものだけです。交通手段のない、子どもたち、老人等にはほとんど広がっていません。図書館と、より身近にある公民館図書室等とのネットワークが組まれておらず、公民館図書室の資料費も減らされてきています。子どもたちを含む全ての市民が平等に、充分な図書館サービスを受けられ状態になるには程遠いものがあります。市民が居住する地域で利用できるようにする、図書館整備計画の策定が必要です。

 図書館は子どもたちにとってのセーフティーネット

 格差を生み出すのが現実には教育です。高学歴、就職、出世、高収入をもたらすもの、そのために親の財力がものをいう時代になってしまっています。現在の子どもたちは、スタートラインから違っています。しかし、その格差を埋めるのも教育でなくてはなりません。公教育がしっかり再構築されること。そして、学校図書館と公立図書館は子どもたちにとって、もっとも身近にある“知”のセーフティーネットです。ここを子どもたちの誰もが充分に利用・活用できるようにすることこそが、子どもたちの将来を希望に導くと思います。

 秋葉原の無差別殺傷事件と有害なメディアの氾濫 
 
 加藤という容疑者についてまだ十分には、分かりません。しかし、その育ち、働いてきた背景として、不安定雇用、社会に対する絶望や不満があったと思われます。それとともに、有害なメディアの氾濫の中にどっぷりと浸かってしまっていた、つまり、しっかりしたメディア教育を受けてこなかったことが大きな問題だと思いました。これは、現代の多くの子どもたちから青年まで含めて言えることでもあります。学校図書館ではその情報化は不可欠になっています。その際、子どもたちに対してしっかりしたメディア教育ができるかどうかが重要になっています。ITだけでなく人類の“知”の蓄積でもある本を併せ持ちそれらを結び付けられる、学校図書館と図書館こそがその役割を果たすべきだと思います。


 この報告は、本日午後から開催される「栗原地域をみんなで考えるつどい」(格差シンポジウム)に提出するものです。
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