触媒生活

セカンドライフに入っての日常生活を文章、日記などで表現します。「触媒」のような役割を果したいというのが私のモットーです。コメント等をブログでも受けますが、連絡はメールでfa43725@yb3.so-net.ne.jp まで。

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MOVIESー邦画2本に、イスラエル映画1本。

MOVIES-邦画2本に、イスラエル映画1本。         
                                     2008.9.21

ALWAYS続・三丁目の夕日        2008.5.25

ldr
 
 製作年度2007年、146分の邦画。 関連するリンク先 ALWAYS続・三丁目の夕日

あらすじー昭和34年、東京オリンピックの開催が決定し、日本では高度経済成長期が始まろうとしていた。黙って去ったヒロミ(小雪)を思い続けながら淳之介(須賀健太)と暮らす茶川(吉岡秀隆)のもとに、実父が再び淳之介を連れ戻しに来た。売れない作家・茶川は、相変わらず小料理店の元おかみ・ヒロミと、身寄りのない少年・淳之介と3人で幸せに暮らすことを夢みて、芥川賞目指して奮起する。この3人のドラマを軸に、登場人物もエピソードも増えている。鈴木オートの長男・一平(小清水一揮)は、親が破産し、しばらく鈴木家で預かることになった生意気な親戚の子に「破産したクセに~」と現実を見せるが、最後には…茶川は、芥川賞の候補にはなるものの、結局また落選。それでも近隣のごく普通の人たちのお節介だけど温かい励ましの中で何とか3人は一緒に暮らすことになるのです。
 
 前作は、映画館で見ました。淳之介と丁度同じ世代のためかどうしてもその視点でこの映画を見てしまいます。私は、12歳、中学生になった時に名古屋から、東京に移り住みましたが、その2年ほど前に一度東京に出てきていますからまさにその時です。そんなこともあって、CGを多く使っているとはいえ当時の様子を極めて忠実に再現していることに前作同様驚きとても懐かしさを感じました。この辺りが団塊ジュニアの娘のこの映画の評価と私のとの違いが出てくるところかも知れません。特に好きになったシーンは、―茶川に賞を取らせるために騙される「鈴木オート」(堤真一)をはじめとする近隣の普通の人たち(無学な下町の庶民)が、約束どおり淳之介を引き取りにきた実父(社会的成功者)に対し、茶川の作品を読んでいないように見せながら実は皆が読んでいた。それもその作品の温かい内容とともにそれをしっかりと理解していて、茶川を皆が擁護する。ーというところです。人の心の温かさとともに、庶民の知的レベルもまんざらではないなと思いました。もう一つは、「鈴木オート」の母子と美加ちゃんというお嬢様育ちの親戚の子のからみ。彼女は、この三丁目に住み、周りを見て人の情けに触れて成長していく。一平とは、初めは素直になれない男の子と女の子。そして切ない別れと最後に一平が彼女に貯めておいた貯金で色鉛筆をプレゼントする。別れのその時、母(薬師丸ひろ子)は、彼女にクリームを渡し、かけた言葉「本当にお母さんのつもりでいていいのよ。」とーというこちらの方も結構良かったです。なんだかんだと言っても私は、こうした心温まる作品が好きなんだなと思いました。

 迷子の警察音楽隊       2008.7.5 

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製作年度2007年、87分のイスラエル映画。 関連するリンク先ー迷子の警察音楽隊

あらすじー文化交流のため、イスラエルにやって来たエジプトのアレキサンドリア警察音楽隊のメンバー8人。しかし、空港には迎えもなく、団長(サッソン・ガーベイ)は自力で目的地を目指すが、なぜか別の街に到着してしまう。途方に暮れる彼らを、カフェの女店主ディナ(ロニ・エルカベッツ)がホームステイさせてくれることになり、国家だって容易になしえない両国民の対話と友好を生み出していく。

 映画の冒頭で「この国で、エジプトの警察音楽隊が演奏会を開いたことがあった」という字幕が出る、隣国同士でありながら、長い間敵対してきたイスラエルとエジプトの市民が音楽を通じて交流を深める夢のような一夜の物語です。1990年代のイスラエルを舞台に、ユダヤの地に迷い込んだエジプト人と、現地のユダヤ人の英語しか言葉は通じない中でのほのぼのとしたやりとりをじっくりと見せる。エジプトの映画とドラマを観て育ったイスラエルの新人監督が撮ったイスラエル映画です。カンヌ国際映画祭の「ある視点部門“一目惚れ賞”」受賞のこの作品に、なるほど賞の名称がピッタリと私も一目惚れしてしまった心温まる作品です。

 路頭に迷った音楽隊の一行は、女店主の気配りと心遣いで数ヵ所に分かれ、三者三様にそれぞれの夜を迎えます。女主人と音楽隊の団長がドラマ話で心を通わせるきっかけを作る。指揮を執る瞬間がさぞ素晴らしいのだろうと尋ねると「いや、魚釣りのほうが楽しいよ」と団長。「あんなの何にも起こらないじゃない!」と女店主。彼は、一日中川に立って魚を釣る。ただそれだけのことがどんなに楽しいかを説明する。最後には彼の家族の痛ましい過去も告白する。別の隊員たちは奥さんの誕生日なのにどこかぎこちない家族の家に。噛み合わない会話。ぎこちない応対。そんな中でも彼らを音楽が繋ぎ、少しずつ触れ合い、人生を語り出します。また隊員の中でただ一人の若い色男はデートもしたことのない地元の若者に女性への接し方をレクチャー。隣に座って何かと世話を焼く、そのスリーショットが面白いし、温かい。このように、全編が何の変哲もないシンプルなシーンの連続です。時間もゆっくりと流れ、のどかで、人はのんびりしています。民族や、言葉が違っても心を通わせることができる(音楽が重要な役割を持ってきますが…)というメッセージが伝わってきました。

母べえ              2008.8.2 

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製作年度2007年、132分の邦画。 関連するリンク先ー 母べい

あらすじー世界情勢が緊張を帯びてきた昭和15年。ドイツ文学者の父・野上滋(坂東三津五郎)が、反戦を唱えたとして逮捕されてしまう。悲しみにくれる母・佳代(吉永小百合)と2人の娘―初代、照代(志田未来、佐藤未来)だったが、父の教え子や親類、近所の人たちに支えられ、明るく力強く生きていこうとする。この父は優れたドイツ文学者でありながら、その著作が国家転覆を目論むとして、治安維持法違反のかどで逮捕されたのです。この父親の逮捕後、不自由さを増していく市民生活、そして頼りにしていた父の教え子・山崎さん(浅野忠信)までが出征していき、帰らぬ人になってしまう。

 山田洋次監督が昭和初期につつましく生きる家族の姿をとらえて、現代の家族へのメッセージとしてつづった故黒澤明監督のスプリプター(後にプロダクションマネージャー等も)を務めてきた野上照代原作の感動の家族ドラマです。戦争の悲劇を描きながらも、平和や家族の大切さ、幸せとは何かを、改めて思い出させてくれる作品です。

 この父べえの悲劇は決して特殊な例ではなく、治安維持法違反で逮捕され、獄中で亡くなった人は1000人を大きく超えています。これまで戦争の悲惨さをダイレクトに描く映画は多くありましたが、思想弾圧の恐ろしさをこのように庶民の生活の中から真っ向から描く作品は数少なかったと思います。

 母べえの静かな怒りは、主に国家権力に向けられます。太平洋戦争が始まるや「ぜいたくは敵だ」のキャンペーンが始まり、国民に貴金属を供出させます。その一方で実父に会いに行った権力側が利用する旅館には食べ物があふれている。それを娘たちにも食べさせずに帰ってしまう。母べえがその生き方を容認する親戚(笑福亭鶴瓶)は、別れ際に山崎に金の指輪を握らせて「何かあったら、これを生活の足しにしろ。絶対に国に供出するなよ。差し出した貴金属が戦争の武器になる?冗談じゃない、どうせお偉方の懐に入るんだろう。」と強烈な異議申し立てをする。獄中の父べいに頼まれドイツ文学の恩師の大学教授(鈴木瑞穂)に原書を借りに行った時、恩師は、保身からか権力側に迎合して、父べいを非難する。それに対して、普段は常に怒りは秘めている母べいが恩師に対しては、その怒りを強烈にぶつけるシーンはとても印象的でした。同様に、警察署長であった母べえの父親(中村梅之助)、笹野高史の刑事、吹越満の検事など、当時の国家権力の一部を担っていた者には、母べいの怒り、彼らの責任を告発するような鋭い眼差しは印象的でした。こうした権力への不信感とは裏腹に、映画には優しい人々も登場します。その代表が父べえなき野上家に手を差し伸べる山崎徹(浅野忠信)。また、過労で倒れた母べえを診察する医師(大滝秀治)もです。逆に、個人個人では優しい人々も国が誤った道に進むのを止められず、むしろ後押しする結果を招いてしまうことも描いています。何くれとなく母べえを援助してくれる隣組の組長(でんでん)が、アメリカと戦争になって欲しいと語るシーンが象徴的です。

 母べえの怒りは、その時点では身内の人々にしか届かない、ささやかなものでしかなかったと思います。私は、お恥ずかしながら、この映画を見るまで野上滋氏のことは全く知りませんでした。原作はまだ読んでいませんが、次女の野上照代さんによって書籍化され、山田洋次監督がこのように映画化して多くの人々の目に触れることで、戦争の悲劇に翻弄されてきた多くの底辺の人々の静かな抵抗をきちんと描くことは、今日的にも極めて意義のあることだと思いました。
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