触媒生活

セカンドライフに入っての日常生活を文章、日記などで表現します。「触媒」のような役割を果したいというのが私のモットーです。コメント等をブログでも受けますが、連絡はメールでfa43725@yb3.so-net.ne.jp まで。

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「本質を見抜く力-環境・食料・エネルギー」

<BOOKS> ⑬
「本質を見抜く力-環境・食料・エネルギー」
                       を読んで 
       
2008.10.21

著者/養老孟司、竹村公太郎 出版/PHP研究所
関連するリンク先― アマゾン 本質を見抜く力

内容の紹介 

この本を読んでいる丁度その時、このブログのTVのところで記事にしたNHKスペシャルの「世界同時食糧危機」という10月17日と19日の2回にわたる放送を見ていました。2回目の「食料争奪戦―輸入大国・日本の苦悩」の感想を書いた記事でこの本のことをこの放送に関連して次のように紹介しています。

― もうすでに、これまで日本がしてきた「お金さえあれば、何でも世界中から買うことができる。」時代は、もう終わったのです。丁度私は、「本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー」という本を読み終わったところです。(詳しい書評は、後日記事に)ここからの受け売りになってしまいますが、関連することを掻い摘んで紹介します。(著者の養老先生も竹村先生もよくトンデモ発言をされる方ですが…) ―

 この本の内容は、(TVの記事で紹介したことと重複する部分があります。)

第一章 人類史は、エネルギーの争奪史

・ 石油産出量のピークは2010年。この後、需給のギャップが生じ価格高騰へ。
・ アメリカ自由経済の絶対条件は「無限にオイルを供給する」こと。既に限界に来ているのに自動車の燃料欲しさに地球環境をめちゃくちゃに。アメリカ人の「資産慣性」は後戻りがきかない。←解決不可能。

第二章 温暖化に金をかけるな

・ IPCCの温暖化シュミュレーションへの疑問。但し、化石エネルギーからの脱却、省力化、省エネ化は必要。その場合もアメリカが問題。この100年間でアメリカがやってきたことの清算する時期に。それと同質で問題なのが中国。
・ 温暖化がもたらす最大の問題は、雪がなくなること→水の問題が起きてくる。西日本が大変、逆に北海道は大穀倉地帯として切り札に。自然は中立、トータルで考えると丸損はあり得ない。

第三章 少子化万歳!-小さいことが好きな日本人

・ 「この150年間、人口はバブルだった。」養える人口は土地、エネルギー資源に制約される。江戸時代は3000万人が限度で、木材エネルギー使い果たし目一杯だった。50年後の日本は7000万人。少子化は問題もあるが(人材の画一化等)良いこともある。
・ 江戸時代―参勤交代によって形成された情報網。日本が植民地にならなかったのは、資源が無かったからと、英仏が分割に乗りだす前に、徳川幕府が大政奉還をして権力が一つにまとまったため。(江戸時代に日本人のアイデンティティが形成されていた。)
・ 日本人の性向-「小さいことが好き」「つめ込んだり細工したり縮める方向に向かう」=ものづくりの原点であり、未来の文明の成功モデルの一つになりうる。これからは、スモール・イズ・ビューティフルになる。

第四章 「水争い」をする必要がない日本の役割

・ 徳川家康のすざましい構想力―利根川の東遷で関東平野を乾燥させ大穀倉地帯にするとともに、関東平野に日本中の英知と力を集中させて近代化を。江戸の都市開発(上水等)は、世界の大都市発展の典型に。
・ 日本は三千年の文明の中で水を上手に使ってきた。世界で最先端の省エネ水利用時術、水処理技術を持っている。世界各地の水に苦しむ人々に日本人の水の知恵と技術(井戸掘りやトイレ作りも)でも貢献していける。

第五章 農業・漁業・林業百年の計

・ 「米を持った民族は幸せ」-日本には米がある限り食料自給のいちばん大切なところは確保されている。米は、環境に優れた穀物。
・ 食料自給率40%はトリック。これはカロリーベース。食料事情より良く表す生産額ベースでは70%近い。頑張って食料自給に向かっていくべき。
・ いちばんの問題は、漁業。海岸環境がぐちゃぐちゃです。生態系が縮小していっている。今の漁獲法のムダもある。
・ 間伐は百年後への投資。そろそろ国策として国土の保全の方策を。文明を持続していくには国土保全が必要。

特別鼎談 日本の農業、本当の問題(ここから神門喜久氏が加わる。)

・ 日本の農家は統計上は285万戸ですが、圧倒的多数は所得にあまり関心のない兼業ないし高齢農家。その他に「土地持ち非農家」が120万戸もある。「農家らしい農家」の数は、30万戸強だけ。
・ 優良農地の耕作放棄・転用((8~9%)、農地利用の無秩序化がひどい状態になってきている。農業生産の目的ではなく錬金術の道具として農地が使われている。(容認する行政、研究者の無責任、現実から目をそむけるマスコミ等の問題アリ)特にこの15年の堕落ぶりはひどすぎる。誰もコントロールできない状態がこの百年間続いている。
・ 戦後の民主主義が本当の民主主義ではなかった。民主主義の構成要素の一つ、私権の主張は定着してきた。(最初はそれでも公害訴訟のように命がけだった。)もう一つの参加民主主義(公益性の高い問題に市民が行政任せにせず関与すること)が欠落してきた。二つがセットになっておらず(欧米の物真似しやすいものに先に手をつけ、しにくいものは後回しに)、歪みが生じている。1990年頃には欧米の模倣で経済成長するというキャッチアップ型の経済成長は終了。この時期に、私権偏重の歪んだ民主主義ではなく、参加民主主義を導入して、システムを入れ替えるべきだった。日本社会全体が責任逃避癖に陥っている。
・ 日本の民主主義の未成熟、その一因は同質性。太古から日本人は「日本を離れたら行くところがない」と認識。好きでも嫌いでも一緒にいつづけなければという定住性。そして同質性。そこに、アジアからの農業労働者なしで成り立たない状態に。これも合法、違法、脱法と無秩序状態になっている。
・ 「日本は食のアキハバラになれる」-アジアで最も裕福で舌の肥えた日本人に適った農産物は世界中で高く評価。輸出を見込んだ高付加価値農産物の開発基地になれる。優れた灌漑設備、稲作のソフト・ハード両面の蓄積、日本食の健康食イメージ等、日本の農業には大変な可能性がある。(最後の鼎談に参加した神門先生の弁)
・ いちばんの問題は、「正直か、不正直か」。公明正大で公平なルールを作って、あとは最大限の自由を与えること。労働の国際移動も、農地利用でも同じ。「本気の農業」の追求を。 問題を直視すれば、必ず解決策がある。
・ 林業も漁業も含め、総合的国土管理が必要になっている。-将来世代の利益と現世代の人々自身にも利益が出るシステムの提案を。

第七章 いま、もっとも必要なのは「博物学」

・ 全地球的な食料の移動は、あと10年のオーダーでなくなる。食糧を自給できるような社会システムを作ることが必要。最終的な答えは見えている。大量輸送しないで、なるべく軽い、そして小さな文明を築くこと。それをどうやって実行に移していくかが問題。
・ 「正しい受け取り方」はあっても「正しいやり方」はない。世界の見方を変えると、問題が問題でなくなる。答えを求めず、「ものの見方」を身につける。-それには、五感を働かせる博物学的感覚と、モノから考える考え方の二つを組み合わせて物事を捉えることが必要。

私の感想など…

 養老先生の本は何冊かは読んでいますし、雑誌等での文もかなり多く、読んできています。少しクセがあると言うか、極端な物言いをされるとかで、参考にはするけれど、あまり好きではないタイプの方です。この本の中でも、それは出ていますが、(内容紹介には書いてません。)対談、鼎談という形で他の先生がフォローもされているようで、比較的読みやすく感じました。竹村氏はダム行政に手腕を発揮してきた元国土交通省河川局長。具体的なデータに則して主張されています。神門氏、この方は、養老先生以上にズバズバと強烈なことを主張されていて、むしろ、養老先生のほうがフォローに回っているようでした。ものの見方、日本の現状の見方など色々と参考になった点が多くありました。それぞれへのコメントはまだまとめていません。ただ、TVの感想記事を既に出しましたが、この本を同時に読んでいましたので、そこでの私のまとめを再掲載します。(この本の読後感想にもなっています。)

―「今、私たちが考えなければならないのは、食糧問題にとどまりません。食糧、エネルギー、環境、農業を始めすべての産業、日常の生活、それに人口、国際関係や将来のこと等、多岐にわたっています。それらをグローバルに考えるとともに、より身近な自分たちが暮らしている地域(ローカル)での自立したエネルギーの獲得システムと食料自給システムの確立を模索していかなくてはならないと考えます。」-
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